いきなりですが、みなさんは『カルスNC-R』というものをご存知ですか?
最近はYouTubeやSNSで話題になることも多いのでご存知の方も多いと思いますが、『カルスNC-R』とは「土壌改良資材・複合微生物資材」の一種です。
うちの家庭菜園は、粘土質の土壌で野菜の育ちが悪いことに悩んでいるのですが、このカルスNC-Rを使えば野菜が育ちやすい土壌に生まれ変わるのでしょうか?
ネット通販で注文したカルスNC-Rが届いたので、早速カルスNC-Rを使った土壌改良に取り組んでいきますよ。
今回は、私が実際に家庭菜園で「カルスNC-Rと雑草や作物残渣を使った土壌改良」を行った方法や感想をレポートしていきますので、カルスNC-Rや雑草を使った土壌改良に興味のある方は是非ご覧ください!
カルスNC-Rとは?
カルスNC-Rとは「土壌改良資材・複合微生物資材」です。
カルスNC-Rは微生物の活用による土づくりを行うための資材です。農業・畜産の現場だけではなく、家庭菜園や家庭の芝生での活用も広がっています。
最近はYouTubeやSNSでカルスNC-Rが話題になることも多いですが、カルスNC-Rは1983年の販売開始から40年近く売られているロングセラー商品なんですね。
カルスNC-Rの特徴は以下の通りです。
- カルスNC-Rの施用により、土壌の微生物相が改善され、作物の生育に適した栽培環境が作られます。
- 生の有機物を利用した土づくりにより、土壌の生物性が改善され、通気性・保水性・排水性の向上が期待できます。
- カルスNC-Rに含まれる微生物の働きにより、根圏環境が改善され、連作障害に対する副次的な軽減効果が期待できます。
(引用:リサール酵産株式会社WEBサイト)※文字装飾は当サイトが加えたものです。
雑草や作物残渣(収穫が終わった後の野菜の苗など)を使った土づくりや、連絡障害に対する軽減効果など、家庭菜園にとってはとても嬉しい効果が見込める資材ですね。
カルスNC-Rについて、より詳しく知りたいという方は公式サイトをご覧ください。
カルスNC-Rを使うために必要なもの
家庭菜園でカルスNC-Rを使うときに必要な資材と1㎡あたりの必要量は以下の通りです。
基本的に必要なものは、カルスNC-R・米ぬか・有機物(+硫安)です。
有機物に「籾殻(もみ殻)」を使う場合と、「雑草や作物残渣」を使う場合で必要量が異なるので、両方を紹介します。
有機物に「籾殻(もみ殻)」を使う場合の必要量
カルスNC-R | 30g |
米ぬか | 300g |
籾殻(もみ殻) | 1kg |
硫安 | 40g |
籾殻は分解に時間がかかる有機物のため、微生物のための窒素分として硫安を加えます。
また、作物の植え付けに必要な元肥用の肥料や、pH調整のための苦土石灰などは適量を別途用意します。
肥料や苦土石灰はカルスNC-Rと同時に使っても問題ないとのことです。
有機物に「雑草や作物残渣」を使う場合の必要量
カルスNC-R | 30g |
米ぬか | 300g |
雑草や作物残渣 | 適宜 |
硫安 | 不要 |
雑草や作物残渣を使う場合、必要量が明示されているものは見当たりませんでした。
そのため最適量がいくらかはわかりませんが、少なすぎると微生物の働きが弱くなりそうなので、用意できる範囲でたっぷり用意すればいいように思います。
また、硫安を加える必要はありませんが、元肥用の肥料や苦土石灰などは適量を別途用意しましょう。
カルスNC-Rなどの入手方法
メインとなるカルスNC-Rはネット通販で購入します。公式オンラインショップで販売されている他、Amazon・楽天市場・Yahooショッピングなどでも販売されているので、使いやすいショップで購入すると良いでしょう。
カルスNC-Rは1kg入りのものと10kg入りの2種類が販売されています。家庭菜園で使う場合、カルスNC-R1kgで10坪(約33㎡)の面積に使用できるので、よほど大規模な家庭菜園でなければ1kg入りのもので十分だと思います。
また、カルスNC-Rは微生物資材のため、一度開封したら6ヶ月以内に使用することが推奨されています。そのため、10kg入りのものを購入する場合は本当に使い切れるかどうか確認してから購入することをおすすめします。
有機物に籾殻を使う場合は、カルスNC-Rと一緒に硫安も忘れずに注文しておきましょう。
米ぬかはスーパーや産直市場の野菜売り場でも販売されていますが、近所にコイン精米機があれば無料で持ち帰りサービスをしていることが多いので確認してみてください。
籾殻はJAのライスセンターなどで無料配布または販売されていることが多いので、興味のある方はJAに問い合わせてみてはいかがでしょうか。入手が困難な場合は、籾殻ではなく別の有機物を使うのも良いと思います。
カルスNC-Rの使い方
カルスNC-Rの使い方は商品パンフレットにも記載されているので、それに従って土づくりをスタートします。
今回は、私が初めてカルスNC-Rを使ったときのやり方をレポートしていきます。
有機物には庭から出た「雑草や作物残渣」を使用しました。
まず、使用するカルスNC-Rと米ぬかの量を計測したら、バケツなどで混ぜ合わせます。
混ぜずに別々に畑に撒いてもいいんですが、事前に混ぜておいた方が均等に撒きやすいのでおすすめです。
かたよりが出ないように底の方から手でしっかり混ぜ合わせましょう。
事前準備はこれだけなので、後は畑(家庭菜園)での作業となります。
続いて、土壌改良を行いたい場所(次に作物を育てたい場所)を剣先スコップなどで穴を掘ります。穴の深さは20cmぐらい掘りました。
穴を掘ったら、その穴の中に有機物の「雑草や作物残渣」を入れていきます。量は適当にたっぷり入れます。
さらに「雑草や作物残渣」の上から、カルスNC-Rと米ぬかをブレンドしたものをふりかけていきます。
一気に上からふりかけると、土の中でカルスが多い場所と少ない場所のムラが出るので、手で持ち上げたりゆすったりして全体に馴染むように調整しました。
『雑草→カルス→土→雑草→カルス→土…』
とミルフィーユのように積み重ねる方が良かったかもしれませんね。
カルスをふりかけた後、家庭用耕運機ですき込もうと思ったんですが、雑草が耕運機のナタ爪に絡みついてしまい、すき込むことができませんでした。
そこで、鍬を使って雑草の上に土を被せていくことにしました。あわせて畝の形を作っていきます。
今回は小さい畝だったので鍬でも十分でした。
大きい家庭菜園だと鍬だけで作業するのは大変なので、耕運機を使用したい場合は、有機物に「籾殻」を使用しましょう。
籾殻は小さくてナタ爪に絡みつくこともないので、家庭用の耕運機でもサクサク作業することができますよ。
カルスNC-Rを使ってみた感想
カルスNC-Rを家庭菜園に使用してから、野菜を植え付けするまでの様子をお伝えします。
カルスNC-Rを使ってから8日後の状態
カルスNC-Rを使ってから8日後の状態です。
この場所には長ネギを植える予定なので、植え付けのために土を掘り返してみます。
土の中にはまだ雑草の形がかなり残っていました。
カルスNC-Rは、土の中にすき込んだ雑草などが残っている状態で作物を植え付けても良いとされていますが、長ネギを植えるのには邪魔なのでもう少し待つことにしました。
折角掘り返したので、適度に撹拌して再び埋め戻しました。
雑草の状態を見ると、すき込んだときは青々とした部分も残っていましたが、8日後にはかなり分解が進んでいる様子でした。
私は雑草を野積みにして雑草堆肥を作っていますが、それと比べると明らかに雑草が分解されるスピードが速いですね。
カルスNC-Rを使ってから12日後の状態
カルスNC-Rを使ってから12日後の状態です。
前回から4日しか経っていませんが、時期的に早くネギを植えてしまいたいので少し焦っています。
(※作付け前の土壌改良は計画的に行いましょう!)
前日に雨が降ったので土は濡れていましたが、グショグショというほどではなく適度に排水されています。
土中の雑草の分解もかなり進んでおり、サクサクと鍬で掘ることができました。
土の表面に露出していた雑草など、一部はまだ形が残っていましたが、前回から4日しか経っていないのに雑草の大半が分解されていたのには驚きました。
心なしか土の団粒化も進んでおり、土が良い状態に向かっているような気がします。
これなら植え付けを行っても大丈夫だろうと思い、長ネギの苗を植え付けました。
溝を掘って長ネギの苗を植え付け、乾燥しないように上から草をかぶせていきます。
これで長ネギの植え付けが完了しました。
これからの成長が楽しみです。
まとめ
ここまで、カルスNC-Rと雑草や作物残渣を使った土壌改良について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回はカルスNC-Rを使用してから短時間でも効果を感じることができましたが、微生物の働きは今後も続いていきます。
これから土がどのように変化していくのか、それによって野菜の育ち具合は良くなるのか、楽しみに待ちたいと思います。
カルスNC-Rはネット通販で購入することをおすすめします。
ホームセンターや園芸店ではカルスNC-Rは一部の限られた店舗でしか販売されていません。最近はカルスNC-Rを取り扱う店舗も少しずつ増えてきてはいますが、確実にカルスNC-Rを購入するためにはネット通販がおすすめです。
カルスNC-Rは他の土壌改良資材と比べて短期間で効果があらわれやすい資材ですが、それでもカルスNC-Rを使ってから作物を植え付けるまでには約1~3週間ほどの期間が必要です。
野菜の植え付けに適した時期は限られているので、土壌改良のタイミングを逃すと予定していた野菜が育てられないということにもなりかねません。そうならないためにも、土壌改良は期間に余裕をもって取り組むことが重要です。
最近はカルスNC-Rに対する注目度も上昇しており、一時的に欠品状態となり購入したくても購入できないことがあります。使用する直前ギリギリにネットで購入しようとすると予定に間に合わないということもあり得ます。
カルスNC-Rは未開封状態であれば製造後約2年間は保存が効く(開封後は6ヶ月以内に使い切ることを推奨)とされていますので、カルスNC-Rは時間に余裕をもってネットで注文しておくことを忘れないようにしましょう。