ガーデナーにとって腐葉土やバーク堆肥などの植物性堆肥はなくてはならないものです。
うちの庭は土が粘土質なので、家庭菜園には定期的に堆肥を投入しています。
花壇やプランターに草花を植えるときにも堆肥を使うので、トータルで考えると消費量は相当のものです。
そこで「自分で雑草堆肥(腐葉土)を作ろう」と考えるのはガーデナーなら誰しもが通る道ですよね。
堆肥を買うお金の節約という意味も勿論あるんですが、それよりもガーデニングをやってると雑草や落ち葉なんかが無数に発生するので、ただ燃えるゴミに出すんじゃなくて再利用したくなるものです。
でもなんとなくハードルが高いんじゃないかと不安で一歩踏み出せない方もいると思うので、今回は私が実践している「一番簡単な雑草堆肥(腐葉土)の作り方」を紹介したいと思います。
一番簡単な雑草堆肥(腐葉土)の作り方
一番簡単な雑草堆肥(腐葉土)の作り方とは、堆肥の材料を庭の一角に野積みして放置するだけです。
一応、具体的な手順やポイントを解説しておきますね。
庭から出る雑草・家庭菜園の残渣・落ち葉などが、主な堆肥の材料になります。
芝生の刈りカスやサッチングで集めたサッチ(枯れた芝生などの堆積物)も使えます。
基本的には庭から出る植物性の物は何でも投入しちゃいます。
ただし、太目の剪定枝や木の根っこは堆肥化に時間がかかるのでお勧めしません。
コンポストと言えば生ゴミを利用する方もいますが、面倒くさそうなので私は入れません。
集めた材料を、庭の端っこの方にただ野積みするだけです。
雨避けに屋根や蓋を設ける人もいるようですが、野ざらしでも堆肥になります。
見た目が気になるという方は木枠などを作ってもいいですが、なくてもいいです。
野積みする場所の日当たりは良くても悪くてもどちらでもいいですが、経験上ではある程度日当たりが良い場所の方が早く堆肥化します。直射日光が強すぎるとカラカラになるので、適度な日当たり(半日陰)になる庭の端っことかがちょうど良いと思います。
基本的には何もせず放っておいてもそのうち堆肥化します。
雑草などを投入するときに全体の様子を見て、たまに以下の作業をするぐらいです。
- 積む量が増えて嵩張ってきたら上から踏みつける
- 日照りが続くようならたまに水をかけてやる
- 雨が続いてじめじめしていたらショベルで切り返してやる(上と下を入れ替える)
神経質に管理しなくても堆肥はできますよ。
雑草堆肥(腐葉土)作りFAQ
雑草堆肥(腐葉土)を自作するメリットとデメリット
自作するメリット
雑草堆肥(腐葉土)を自作するメリットは、コスト節約と精神的な満足感が得られることです。
堆肥や腐葉土を購入するコストを節約できるというのはわかりやすいメリットですよね。
昨今はゴミ袋有料化されている自治体も多いので、雑草などを捨てるコストの節約にもなります。
それと意外と無視できないのが、再利用により精神的な満足感が得られることだと思っています。
個人的には「自分の庭から出たものを、自分の庭に還してやることによって、自分の庭を良くしていく(土壌改良)」という考え方が良いなあと思っていて、雑草から堆肥ができたときは凄く嬉しかったです。
このどちらかまたは両方に共感できるなら、自作に挑戦してみる価値はあると思いますよ。
自作するデメリット
デメリットは、自作した雑草堆肥(腐葉土)は品質が保証されていないことです。
市販されている腐葉土の品質はピンキリですが、良い腐葉土は品質が安定しています。虫や病気が発生するリスクも少なく、植物の成長にとってプラスの効果が期待できます。
しかし、腐葉土を自作した場合は、発酵が不十分だったり虫や菌が混入している可能性があります。
十分に好気性発酵を促すことによってリスクの低減は可能ですが、不安であれば限られた範囲で自作腐葉土を試してみて、問題が無ければ使用する範囲を拡げることをお勧めします。
最初からリスクを避けたいという場合は、市販の高品質な腐葉土を使用することをおすすめします。
自作した雑草堆肥(腐葉土)のデメリットを克服する工夫
太陽熱消毒で病害虫・雑草対策をする
自作した雑草堆肥(腐葉土)に害虫や病気の菌、雑草の種などが含まれていることが心配な場合は、腐葉土を太陽熱消毒することである程度は対策することが可能です。
太陽熱消毒(太陽熱土壌消毒)とは、太陽熱エネルギーを利用した土壌消毒法のことです。
具体的には、土壌表面に透明のビニールマルチを張り、太陽熱を利用して地温を上昇させることにより、病原菌・害虫・雑草の種子を殺すというものです。やり方さえ知れば誰でも簡単にできますし、化学薬品(農薬)を使わずに土壌消毒ができるので家庭菜園にピッタリです。
太陽熱消毒のやり方については以下の記事で解説していますので、興味のある方は是非あわせてご覧ください。
未熟な雑草堆肥(腐葉土)の対策としてカルスNC-Rを使用する
完全に発酵が終わっている「完熟」の雑草堆肥(腐葉土)であれば問題はありませんが、まだ発酵が終わっていない「未熟」な雑草堆肥(腐葉土)を使用すると、土の中で発酵が続くことで発生する熱やガスの影響により、作物に悪影響を及ぼす危険性があります。
そのため、未熟な腐葉土や生の有機物(雑草・落ち葉・家庭菜園の残渣など)を土に直接混ぜて使うのはNGと言われています。腐葉土を自作する場合、腐葉土を作る環境や年数にもよりますが、発酵が不十分で「未熟」なものが含まれている可能性があるので注意が必要です。
そこで、自作した腐葉土の発酵が完全に終わっているかどうか不安な場合は、土壌改良資材のカルスNC-Rを自作した腐葉土とあわせて使用することをおすすめします。
カルスNC-Rは微生物の活用による土づくりを行うための資材です。農業・畜産の現場だけではなく、家庭菜園や家庭の芝生での活用も広がっています。
カルスNC-Rの最大の特徴として、「発酵が終わっていない生の有機物を直接すき込んでも発酵障害を起こさない」というメリットがあります。
つまり、カルスNC-Rを自作の雑草堆肥(腐葉土)と一緒に使えば、堆肥の発酵が不十分で作物をダメにしてしまう危険を避けることができるというわけです。
それでは、実際にカルスNC-Rをどのように使えばいいのかについて、私のやり方を簡単に解説します。
今回は家庭菜園の収穫が終わったので、次の野菜作りに向けて雑草堆肥(腐葉土)を使って土壌改良していきます。
まずは、土壌改良したい場所に腐葉土を投入しましょう。量は適当でOKです。
今回使用する腐葉土はこんな状態です。ある程度は発酵していますが、茎や葉の形がハッキリ残っており、まだまだ完熟とはいえない未熟な状態です。
普通はこの状態ではまだ使用することはおすすめできませんが、カルスNC-Rを使うのであれば全く問題ありませんよ。
次に、腐葉土の上からカルスNC-Rを投入します。
カルスNC-Rを使うときは、米ぬかを同時に使います。また、追加の有機物として今回は籾殻も入れました。
具体的な材料の種類や、使用する量などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
材料を全て入れたら、鍬や耕運機でよくすき込んでください。私は家庭用の電動耕運機を愛用しています。
耕運機があれば、面倒で疲れる耕運作業がすぐ終わりますし、腰も疲れないのでおすすめですよ。
私が使用している耕運機については、以下の記事で詳しくレビューしています。
腐葉土とカルスNC-Rなどの資材を土の中に満遍なくすき込んだら、土壌改良の作業は完了です。
カルスNC-Rを使用する場合、土壌改良をしてから作付けを行うまで1~3週間空けるようにしましょう。
たったこれだけで、自作した腐葉土の発酵状態を気にせずに安心して使えるようになるのは嬉しいですね。
カルスNC-Rが1kg(実勢価格で1,200円前後)あれば、家庭菜園10坪(約33㎡)分使用できますので、市販の腐葉土を購入することを考えればかなりコスパよく土壌改良できると思います。
カルスNC-Rはホームセンターではほとんど販売されていないので、ネット通販で購入することをおすすめします。お試しで使うなら1kg入りがお手軽でおすすめです。たくさん使う場合は10kg入りの方がコスパが良いので、自分が使う量と相談して選んでみてください。
まとめ
一番簡単な雑草堆肥(腐葉土)の作り方を紹介しました。
庭の一角で放置するだけなので、誰でも簡単に挑戦できますよね。堆肥作りに慣れてくれば、米ぬかなどの材料を追加してみたり、雨除けや撹拌作業を工夫してみるなど、高品質な堆肥づくりに挑戦してみるのも面白いと思います。
雑草堆肥(腐葉土)を自作すると環境にも財布にも優しいので是非試してみてください!