日陰でも植えられるグランドカバーを探しているあなた。
半日陰でも日陰でも育ち、常緑で一年中美しい「タマリュウ(玉竜)」がおすすめですよ。
この記事では、実際にタマリュウを庭に植えて育てている私が、以下の点について詳しく解説していきます。
- タマリュウのメリットとデメリット
- タマリュウの選び方とお得な購入方法
- タマリュウの植え方とお手入れ方法
- タマリュウの成長速度
日陰のグランドカバーを探している方や、タマリュウについて知りたい方は、是非最後までご覧ください!
タマリュウ(玉竜)とは?
タマリュウ(玉竜)とリュウノヒゲ(龍の髭)の違い
タマリュウ(玉竜)とリュウノヒゲ(龍の髭)は、ともにキジカクシ科ジャノヒゲ属に属する常緑多年草の植物です。
両者の違いとしては、リュウノヒゲを品種改良して作られた小型種がタマリュウになります。
タマリュウの草丈は5~15cm程度とあまり大きくならないため、グランドカバーにしたり植栽の前景に使用するのにピッタリな植物です。
一方、リュウノヒゲの草丈は10~30cm程度になります。環境にもよりますが、リュウノヒゲは年数が経つごとに草丈が伸びるだけでなく密度も高くなり存在感が強いので、グランドカバーとしてはタマリュウの方がおすすめです。
タマリュウのメリット
- 一年中 常緑である
- 草姿がコンパクトでおしゃれ
- 半日陰や日陰でも育つ
- 管理の手間がほとんどかからない
- 病害虫の被害にあいにくい
タマリュウの最大の特徴は、一年中 常緑をキープしてくれることです。グランドカバーの定番である芝生やクラピアは、冬には枯れて茶色くなってしまうので、常緑にしたいという場合はタマリュウは魅力的な選択肢となります。
また、タマリュウは半日陰やほとんど日が当たらないような日陰でも育つ上に、芝刈りなどの管理の手間もほとんどかからず病害虫の被害にもあいにくいので、非常に丈夫で初心者でも育てやすい植物といえます。
タマリュウのデメリット
- 踏圧に弱いため人が踏む場所には使えない
タマリュウの唯一にして最大のデメリットは、踏圧に弱いため人が踏む場所には使えないということです。
そのため、タマリュウは庭木の根元など日陰になりがちな場所に植えたり、法面(のりめん)など人があまり通らない場所の土留めに使うのが適しています。
人が踏む場所のグランドカバーには芝生やクラピアなどの踏圧に強い植物を選ぶか、飛び石を設置するなどしてタマリュウを踏まなくても済むような配置にすると良いでしょう。
タマリュウ(玉竜)の選び方と購入方法
タマリュウのポットタイプとマットタイプの違い
ホームセンターなどで販売されているタマリュウには、1苗ごとに分かれているポットタイプと、まとめて植えるのに適したマットタイプの2種類があります。
一般家庭の庭でタマリュウを植えるときには、ポットタイプのタマリュウの方がおすすめです。
マットタイプはタマリュウの密度が高いので、植えたときに最初から綺麗なグランドカバーになるのが特徴ですが、ポットタイプと比べて値段は割高になります。そのため、マットタイプは見た目を重視する商業施設向けだと私は思います。
一方、ポットタイプは1苗ごとに分かれているので、ポットタイプは間隔を空けて植えることによりコストを抑えて施工することができるのです。タマリュウは地下茎で繁殖するため、間隔を空けて植えても、タマリュウが成長することによって隙間を埋めることができます。そのため、一般家庭の庭ではコスパに優れたポットタイプの方がおすすめです。
タマリュウのポットタイプの㎡あたり必要数
ポットタイプのタマリュウを庭に植える場合、どれぐらいの数を用意すれば良いのでしょうか?
1平米あたり36~50苗を用意するのがおすすめです。これで苗の間隔が15cm程度になります。
<株間15cmでタマリュウを植えるイメージ図>
苗の間隔が15cm程度でタマリュウを植えた場合、隙間が埋まって全面緑になるまでに2~3年程度かかります。
もっと早く全面緑にしたい場合は、1平米あたり80~100苗を用意するのがおすすめです。これで苗の間隔が10cm程度になります。
<株間10cmでタマリュウを植えるイメージ図>
苗の間隔が10cm程度でタマリュウを植えた場合、順調であれば1年で隙間が埋まって全面緑になります。
庭の環境やタマリュウの成長具合によっても前後しますので、早く全面緑にしたい場合は多めに植えると良いでしょう。
タマリュウのおすすめ購入方法【ホームセンターvsネット通販】
タマリュウの購入方法としては、ホームセンターで購入するか、ネット通販で購入するのが主な方法です。
それでは、ポットタイプのタマリュウを購入する場合、ホームセンターかネット通販のどちらがおすすめなのでしょうか?
ホームセンターとネット通販のタマリュウの価格を比較してみました。
20苗 | 40苗 | 80苗 | 120苗 | 160苗 | |
ホームセンター | 1,800円 | 3,600円 | 7,200円 | 10,800円 | 14,400円 |
ネット通販(Amazon) | 2,200円 | 3,150円 | 4,800円 | 5,980円 | 8,200円 |
※ホームセンターの価格は1苗90円(税込)で計算
※ネット通販(Amazon)の価格は2022年11月時点の参考価格(税込・送料込)
傾向としては、ネット通販の場合は送料負担があるため、購入数が少ない場合は割高になりますが、購入数が多くなるにつれて割引されていくので割安になります。
今回比較した結果では、タマリュウの購入数が40苗未満(施工面積の目安は1平米未満)の場合はホームセンターで購入するのがおすすめです。
一方、タマリュウの購入数が40苗以上の場合は、ネット通販で購入する方が割安となるのでネット通販がおすすめです。
また、ネット通販の場合は産地直送で購入することができるというメリットもあるので、新鮮なタマリュウを確実に入手したいという場合もネット通販で購入することをおすすめします。
ホームセンターなどでタマリュウを購入する場合は、新鮮な苗かどうか必ず確認してから購入してください。ホームセンターで販売されているタマリュウの中には売れ残りで鮮度が落ちていたり、酷い場合は枯れかけているタマリュウが販売されている場合もあります。
葉っぱが緑色で艶があり、苗がみずみずしく張りがあるものが新鮮なタマリュウの苗です。葉っぱが全体的に茶色く枯れていたり、土や苗がカラカラに乾燥しているものは、鮮度が落ちているため購入しないようにしましょう。
タマリュウの育て方
タマリュウの簡単な植え方(庭植え)
タマリュウは一年中植えることができますが、できれば真夏と真冬は避けた方が良いでしょう。作業もしやすい春と秋がおすすめの時期になります。
タマリュウを植え方で一番大切なポイントは、タマリュウを庭に植える前に土をしっかり耕して土づくりすることです。タマリュウを植える場所は深さ10~15cm程度まで耕して、庭の土に腐葉土を3割程度混ぜ込むか、土全体を培養土に置き換えるなどして土壌改良してください。元肥となる肥料は入れなくても問題ありません。
大切なことは、ポットタイプのタマリュウを植える場合でも植穴(ポットを埋める穴)の部分だけを掘るのではなく、タマリュウが植え広がって欲しい場所全体を面で耕すことです。面で耕して土壌改良することによって、タマリュウの地下茎が伸びやすい環境になり、スムーズに全面緑になることが期待できますよ。
また、タマリュウを植えるときは少し深植えにして、根っこが地表に露出しないように注意します。タマリュウは丈夫な植物ですが、どちらかというと乾燥を嫌い湿った場所を好みます。植え付けた直後に根っこが乾燥してしまうと、タマリュウが弱ってしまい最悪の場合は枯れてしまうこともあるので気を付けてください。
タマリュウのお手入れ方法
タマリュウを植えた直後は、根っこが張るまでの間は水やりしてください。水やりの頻度はタマリュウを植えた季節や庭の環境にもよりますが、不安な場合は毎日~2日に1回水やりすると良いでしょう。
タマリュウが根付いたあとは水やりする必要はほとんどありませんが、乾燥しすぎるとタマリュウが枯れてしまうことがあるので夏場は様子を見て水やりしてあげると安心です。庭木の根元や建物の軒下など、雨水がかかりにくい場所は特に乾燥しやすいので、そういう場所にタマリュウを植える場合は定期的に水やりしてください。
乾燥したときの水やり以外には、タマリュウのお手入れはほぼ必要ありません。タマリュウには病害虫もほとんど発生しませんし、植え付けに成功すればその後はほとんど手がかからないのが嬉しいところです。
タマリュウには肥料を与えなくても育ちますが、葉色を良くしたり地下茎の成長を促したい場合はハイポネックス原液などの液体肥料(液肥)を使うことをおすすめします。化成肥料を与えると、肥料焼けを起こして枯れてしまうこともあるので注意してください。
タマリュウを植えてから年数が経ち、タマリュウの草丈が伸びてきたり葉先の枯れ込みが気になる場合は、刈込鋏やバリカンなどを使ってタマリュウを刈り込んでください。刈り込んで新しい葉っぱに入れ替わることにより、また綺麗な見た目のタマリュウを楽しむことができますよ。
タマリュウの成長速度【1年間でどれぐらい広がるのか】
ポットタイプのタマリュウを庭に植えた場合、1年間でどれぐらい成長するのか実例を紹介します。
これは2021年秋にうちの庭に植えたタマリュウです。
タマリュウのポット苗を10cm程度の間隔で植えました。
写真は2022年2月時点のものですが、この時点ではまだ隙間が目立つ状態ですね。
続いてこちらが2022年秋のタマリュウの状態です。
たった1年でほとんど隙間が埋まって全面緑の状態になりました。タマリュウのポット苗をどこに植えたのかぱっと見ではわからないぐらいです。
タマリュウが順調に成長すると、地下茎を伸ばして親株の横から新しい子株が出てくるようになります。
これが成長してタマリュウになるので、タマリュウを広げたい場合は雑草と間違えて抜かないようにしましょう。
まとめ
タマリュウの育て方のまとめです。
- タマリュウは初心者でも育てやすい常緑のグランドカバー植物
- タマリュウは日陰でも育ち、植えてからの管理の手間もほとんどないが、
踏圧に弱いので人が踏む場所には植えないようにすること - タマリュウを庭に植える場合は、
ポットタイプの苗を1平米あたり36~50ポット用意するのがおすすめ - タマリュウの購入数が40ポット未満の場合はホームセンター、
40ポット以上の場合はネット通販で購入した方がお得になることが多い - タマリュウの植え方のポイントは、
植える前にしっかり土を耕して土づくりすること - タマリュウを植えた直後、しっかり根付くまでの間は水やりすること
根付いてしまえばお手入れはほぼ不要だが乾燥しすぎないようにだけ注意する
タマリュウは手間がかからず初心者でも育てやすく、庭木の根元など他のグランドカバーがなかなか育たないような場所でも育つので、非常に使い勝手のよい下草になります。
もちろん雑木の庭との相性もバッチリですので、興味をもたれた方は是非育ててみてくださいね。
タマリュウの購入数が40ポット以上(目安となる施工面積は1平米以上)の場合は、ホームセンターよりもネット通販でタマリュウを購入した方が割安なので、ネット通販で購入するのがおすすめですよ。