今回は、今まで除草剤を使ったことがないという初心者の方向けに、芝生に使えるおすすめ除草剤の紹介や除草剤の使い方を解説していきます。
庭に芝生を張った人は全員、芝生に生えてくる雑草に悩まされた経験があると思います。最初は手で草を抜いていたけど、だんだん面倒になってきて草抜きをしなくなり、気付いたら雑草だらけになっていたという人も多いのでは?
せっかく庭に芝生を張ったのに、雑草だらけになると見た目も悪くなってしまいます。そのうちに雑草が生い茂った庭を見るのも嫌になってしまい、芝生なんて張らなければよかったと後悔する…となっては大変ですよね。
芝生の雑草対策の基本は草を抜きとることですが、はっきり言って草を抜き続けるのはとても過酷な作業です。草抜きを続けられない人が普通であり、草を抜き続けて綺麗な芝生を維持している人はすごすぎるだけなんです。
そこで、簡単に芝生の雑草対策をしたいという方は、芝生用の除草剤を使用することを検討してみてはいかがでしょうか。
芝生に使用する除草剤は農薬の一種ですので、今までそういった農薬を使用したことがない人にとってはハードルが高いと感じるかもしれません。除草剤等の農薬は、間違った使い方をすれば芝生や環境に悪影響を及ぼすだけではなく、自身や周囲の人々の健康を害する可能性もあるのは事実です。
しかし、農薬は正しい使い方をすれば安全であり、過度に恐れる必要はありません。なぜなら、そもそも農薬というのは農薬取締法にもとづいて、人に対する安全性や環境への影響調査など様々な試験を実施した上で登録を受けているからです。
とはいえ、今まで除草剤を使ったことがないという初心者の方が不安を感じるのは当然のことです。そこで、この記事では除草剤を使うのが初めてという方でもわかりやすいように、除草剤を使うための準備や使い方を具体的に解説していきます。
実際に除草剤を使用するかどうかは別として、除草剤について正しく理解した上で除草剤という選択肢を持っておくことは、芝生管理において重要なことです。芝生の雑草に悩まされているという方は是非ご覧ください。
この記事は除草剤の一般的な使い方について解説したものです。除草剤などの農薬や各種器具を使用する際は、それぞれの取扱説明書等をよく読んだ上で、必ずその内容に従って使用してください。
芝生用の除草剤を使う前に必要な準備
除草剤を使うために必要なもの
除草剤を使う前に必要な薬剤や器具を確認して、足りないものがあれば購入しておきましょう。
- 芝生用除草剤
- 展着剤
- 噴霧器
- キッチンスケール
- バケツ
- 計量カップ
- 計量スプーン
- シリンジ
- 手袋・長靴・マスクなど
芝生に使える除草剤の種類と選び方について
ホームセンターやネットで販売されている除草剤には以下のような種類があります。
農耕地用 | 種類 | 特徴 |
---|---|---|
○ | 選択制除草剤 | 特定の植物だけを枯らす効果がある |
○ | 非選択制除草剤 | 全ての植物を枯らす効果がある |
× | 農薬登録されていない除草剤 | 家庭菜園や芝生で使用してはいけない |
この中で芝生に使える除草剤は、「選択制除草剤」の種類の中でも適用作物に芝が含まれているものだけです。
まず前提として、農薬登録されている除草剤は薬剤毎に使用できる作物(適用作物)が定められており、適用外の農薬使用は法律で禁じられています。また、農薬登録されていない除草剤は、芝生に使用することが法律で禁じられています。
さらに、適用外の除草剤を芝生に使用すると芝生ごと枯れてしまう可能性が高いので、絶対に間違えて使用しないようにしてください。
芝生に使える除草剤の見分け方は簡単です。
農薬登録されている除草剤は、パッケージなどに使用できる作物(適用作物)が必ず記載されています。
その使用できる作物名に「芝」または「日本芝」など自分が育てている芝の品種が記載されている除草剤を選んでください。
また、芝生に使える除草剤は、パッケージ表記に「芝用除草剤」や「芝生に使える!」など書かれていることが多いです。
パッケージ表記も参考にするのは構いませんが、育てている芝の品種によっては使えないものもありますので、購入前に適用作物を必ず確認しましょう。
イネ科雑草にもよく効くおすすめの芝生用除草剤
除草剤を選ぶときは芝用除草剤を選ぶことはわかりましたが、芝用除草剤といっても色んな種類があります。
芝用除草剤を選ぶときのは、「適用雑草名(除草剤が効く雑草の種類)」や「使用時期(いつ除草剤を使用すれば良いのか)」を確認して、自分の芝生の状況に合ったものを選ぶのがポイントです。
とはいっても、初めての方はどれを選べば良いのかわからないと思いますので、日本芝(高麗芝やTM9等)に使用できるおすすめの除草剤を紹介します。
シバゲンDF
フラザスルフロン水和剤
シバゲンDF(以下、シバゲンという)は、多くの種類の雑草に有効で、幅広い処理適期を有する芝用除草剤です。
速効性はありませんが、大抵の雑草に有効な上に、長期間にわたって効果を発揮してくれるので、最初に使用する除草剤としてはうってつけです。
シバゲンをおすすめする第一の理由は、多くの種類の雑草に有効なことです。
シバゲンは、『一年生雑草全般、多年生広葉雑草、多年生イネ科のスズメノヒエおよび多年生カヤツリグサ科のハマスゲ、ヒメクグに対して高い効果を発揮する』ので、家庭の芝生で発生する大抵の雑草をカバーすることができます。
ただし、『広葉雑草のうちイヌホオズキ、オオイヌノフグリ、セイヨウタンポポ、ツユクサには効果が劣る』とされているので、これらの雑草が多く生えている場合は注意してください。
シバゲンをおすすめする第二の理由は、除草剤を使える時期が幅広いことです。
一般的に除草剤には「茎葉処理型」と「土壌処理型」の二種類のタイプがあります。
「茎葉処理型」は、今生えている雑草にはよく効きますが、これから生えてくる雑草を防ぐ効果はありません。
「土壌処理型」は、これから生えてくる雑草を抑える効果はありますが、今生えている雑草には効きにくいです。
一方、シバゲンは『雑草の発生揃い期から生育初期で高い茎葉処理効果を示すだけでなく、処理後の雑草の発生を抑える効果がある』とされているため、雑草発生前~生育初期の幅広い時期に使用することができます。
つまり、「茎葉処理型」と「土壌処理型」のいいとこどりをしたような除草剤であり、非常に使いやすいのがメリットです。
最後にシバゲンの入手方法ですが、シバゲンはホームセンターなどでは販売されていないためネット通販で購入しましょう。
シバゲンの注意点として、シバゲンは遅効性の除草剤なので即効性はないことを覚えておいてください。
雑草が完全に枯れるまで春夏期で20~30日、秋冬期で30~40日程度かかるので、それ以前の時期に焦ってシバゲンや別の除草剤をまき直したりしないように注意しましょう。
おすすめの展着剤
展着剤は除草剤等の薬液に加えて使うことによって、付着性や浸透性等を高める効果があるものです。除草剤に展着剤を加えることで、除草剤の効果が安定することが期待されます。
除草剤のシバゲンには、『茎葉処理の際は展着剤を加用し、加圧式散布機を用いて雑草の茎葉部に均一に付着するように散布してください。』という注意事項が記載されています。
つまり、シバゲンを使用するときは「薬液を均一に付着する効果がある展着剤」を加えると良いということです。展着剤の種類も色々ありますが、今回は私が使用した展着剤を紹介します。
まくぴかは薬液の濡れ性改善に特化しており、薬液を均一に付着する効果がある展着剤です。
シバゲンとまくぴかはどちらも石原バイオサイエンス株式会社が開発した薬剤であり、相性もバッチリですのでセットで使用することをおすすめします。
余談になりますが、私は楽天市場のショップでシバゲンを購入しました。このときシバゲンだけでは送料無料ラインの金額に足りなかったんですが、まくぴかを一緒に購入することで送料無料になりました。ちょうど良い金額なので、シバゲンとまくぴかを同時に購入するのもおすすめです。
除草剤の散布には噴霧器を使用するべきか?
結論としては、芝生に除草剤を散布するときには噴霧器を使用した方が良いでしょう。
例えば、芝用除草剤のシバゲンは『加圧式散布機を用いて』散布するように注意事項に記載されています。加圧式散布機というのは噴霧器のことであり、ジョウロやスプレイヤーで散布すると効果を十分に発揮できないということです。
また、「茎葉処理型」の除草剤を使用するときも、雑草の茎葉に均一に除草剤を付着させる必要があるため、ジョウロやスプレイヤーではなく噴霧器を使用することが好ましいです。
一方、「土壌処理型」の除草剤は粒剤タイプであり、水に溶かして散布するのではなく粒のまま均一に散布して使うものです。
いずれにしても、散布方法については除草剤の使用方法・注意書きに記載されていますので、必ず確認してから散布するようにしましょう。
おすすめの噴霧器・その他道具
芝生用の除草剤を散布するときに使う噴霧器のおすすめは、手動の蓄圧式噴霧器タイプです。私はAmazonで購入しました。
噴霧器には手動で蓄圧するお手軽なタイプと、電動で蓄圧する本格的なタイプがあります。電動タイプの方が作業的には便利ですが価格が高いのがデメリットです。
芝生用の除草剤用として使う噴霧器は、使用する頻度が低い上に、薬害が生じる危険性を考えると他の用途と兼用できないことから、私はコスパを考えて手動の蓄圧式噴霧器を購入しました。
定期的に除草剤を使用するのでコストをかけてでも作業を楽にしたい場合や、芝生の面積が広いので手動では作業が大変すぎるという場合は、電動タイプの購入を検討してみてはいかがでしょうか。
その他の道具について、シバゲンを使用するのであれば0.1g単位で計測できるキッチンスケールは必須です。
シバゲンは使用する薬剤の量が1平米あたり0.01g~0.04gと非常に少ないため、1g単位でしか計測できないスケールでは能力不足です。高価なスケールである必要はありませんが、必ず0.1g単位で計測できるスケールを用意してください。
おすすめのキッチンスケールについては以下の記事で詳しく解説しています。
また、除草剤を使用するときは農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用し、薬剤の説明書(特に安全使用上の注意)に記載されている内容に従って作業しましょう。
芝生用の除草剤を散布するときに使う道具は専用のものを用意する
最後に非常に重要なポイントですが、芝生用の除草剤を散布するときに使う噴霧器・計量カップなどの道具は、他の薬剤を使うときのものと共用にせず専用のものを用意することをおすすめします。
例えば、噴霧器は使用するたびに洗浄してから保管しますが、よく洗浄したつもりでも噴霧器の内部に除草剤の成分が残ってしまう可能性があります。仮にその状態で、他の作物に殺虫剤や殺菌剤を散布するために噴霧器を使用した場合、薬害が生じて作物が枯れてしまう危険があります。
しかし、芝生用の除草剤以外の用途で噴霧器を使用しなければ、薬害が生じる危険を回避することができるため、面倒でも芝生用の除草剤専用のものを用意しましょう。
同じ理由で、芝生用ではない除草剤(非選択制除草剤や農薬登録されていない除草剤など)の散布に使った噴霧器を、芝生用として使うのは絶対に止めてください。もし芝生用ではない除草剤の成分が噴霧器に残っていた場合、芝生が枯れてしまう危険があるので注意しましょう。
芝生用の除草剤「シバゲンDF」の使い方
準備が整ったら除草剤を散布しましょう。
例として、日本芝(TM9)の雑草対策として11月にシバゲンDFを散布する方法を解説します。
展着剤まくぴかを添加して使用します。散布に使用する器具は手動の蓄圧式噴霧器とします。
1. 散布液量と除草剤・展着剤の必要量を計算する
まずはじめに、使用する散布液(薬液)と除草剤の必要量を計算します。
計算にあたって、散布対象となる芝生の面積をあらかじめ把握しておきましょう。シバゲンのように土壌処理効果(これから生えてくる雑草を抑える効果)がある除草剤を使用するときは、現在雑草が生えている場所をピンポイントで狙うのではなく、庭の芝生全面に均一に散布することをおすすめします。今回は芝生の面積70㎡として計算します。
続いて、希釈倍数や散布液量は、除草剤・展着剤の説明書(適用表情報)に書かれているので確認しましょう。
<除草剤(シバゲン)の適用作物と使用方法>(※作物名「日本芝」一部抜粋)
適用雑草名 | 使用時期 | 薬量 | 希釈水量 |
一年生雑草、多年生広葉雑草 | 雑草発生初期 | 10~30g/10a | 100~200L/10a |
一年生雑草、多年生広葉雑草 | 秋冬期 雑草発生前 | 10~30g/10a | 200~300L/10a |
ヒメクグ | 春夏期 雑草発生初期 | 10~30g/10a | 100~200L/10a |
ハマスゲ、スズメノヒエ | 春夏期 雑草発生初期 | 20~40g/10a | 100~200L/10a |
シバゲンの適用表を見ると、適用雑草と使用時期によって、薬量・希釈水量が異なることがわかります。どんな雑草を狙い撃ちしたいかによって、使用時期・薬量・希釈水量が変わってくるので注意してください。特定の雑草の種類ではなく、幅広く雑草対策を行いたい場合は「一年生雑草、多年生広葉雑草」と考えれば良いでしょう。
今回の例では、「一年生雑草、多年生広葉雑草」を狙って散布するものとします。散布時期が11月ですので「秋冬期 雑草発生前」になります(春夏の場合は「雑草発生初期」です)。
今回の例のように薬量10~30g/10aと幅がある場合は、幅の中で任意の量を選んでください。今回は薬量は30g/10a、希釈水量は200L/10aで使用するものとします。
<展着剤(まくぴか)の適用表情報>(※一部抜粋)
適用農薬名 | 作物 | 使用量 |
MCPP液剤、アシュラム液剤、トリクロピル液剤、フラザスルフロン水和剤、ペンディメタリン水和剤等の除草剤 | 芝 | 1~3.3㎖/散布液10ℓ (10000~3000倍) |
(※シバゲンは「フラザスルフロン水和剤」に該当します)
展着剤の使用量は、使用する農薬や作物の種類によって異なる場合があるので、説明書(適用表情報)で必ず確認しておきましょう。今回は散布液10Lあたり使用量3mlで使用するものとします。
さて、芝生の面積、希釈倍数、散布液量がわかったら実際に計算してみましょう。
<計算例>
・芝生の面積:70㎡
・除草剤の薬量:30g/10a → 0.03g/㎡
・除草剤の希釈水量:200L/10a → 0.2L/㎡
・展着剤の使用量:3ml/散布液10L
除草剤の必要量:0.03g/㎡×70㎡=2.1g
除草剤の希釈水量:0.2L/㎡×70㎡=14L → 散布液量14L
展着剤の必要量:散布液14L×3ml/散布液10L=4.2ml
除草剤の薬量と希釈水量が10a(10アール)単位で記載されているため、計算しやすいように1㎡単位に置き換えましょう。10a=1,000㎡ですので、1㎡あたりの薬量と希釈水量は記載量の1/1000になります。
噴霧器を使って薬液を散布するときは、噴霧器のタンクの容量と散布液量の関係に注意してください。
今回使用する散布液量は14Lですが、噴霧器のタンクの容量は4Lしかありませんので、1回で全ての散布液を入れることはできません。散布液量14L÷タンク容量4L=3.5なので最低4回にわけて散布液を入れる必要があるということです。
作業工程を考えると、散布液量14Lになるように(4L+4L+4L+2L)と4回にわけて散布するとやりやすいと思います。
2. 希釈から散布の流れを確認する
除草剤を希釈するときは、噴霧器のタンクの中に除草剤を直接入れて希釈液を作ってはいけません。
溶けムラや溶け残りがあると、除草剤の効果が発揮されなかったり薬害が生じる危険もあるからです。計量カップやバケツなどで除草剤をちゃんと溶かしたことを確認してから、噴霧器のタンクの中に薬液を入れるようにしましょう。
今回は、計量カップで除草剤を溶かしてからタンクに入れる方法で進めます。
除草剤の薬液を作る場合は、水→展着剤→除草剤の順番で溶かし入れるのが基本ですが、使用する薬剤の注意書きに溶かし入れる順番や手法の指定がある場合はそれに従って作業してください。
今回使用する展着剤のまくぴかは、効果・薬害等の注意事項に『泡立ちをさけるため、散布タンクに水を満たした後に、本剤を添加してください。』と記載されています。
つまり、展着剤まくぴかを使用する場合は、一番最後に展着剤を入れるということです。
まとめると、今回は以下の流れで除草剤を希釈していきます。
散布液量14Lになるように(4L+4L+4L+2L)と4回にわけて散布するものとします。
- [a] 計量カップにシバゲン2.1g(全量)と水350mlを入れて一次希釈液を作る
- [b] 噴霧器のタンクに一次希釈液100mlを入れる
- [c] 噴霧器のタンクの4Lのラインまで水を入れる
- [d] 噴霧器のタンクにまくぴか1.2mlを入れてからタンクの蓋を締める
- [e] 噴霧器のタンクをよく振ってかき混ぜてから散布する
- [b]~[e]の工程を4回繰り返す(※最後4回目は液量2Lになる)
具体的な手順は続けて解説していきます。
3. 計量カップにシバゲンと水を入れて一次希釈液を作る
まず、スケールでシバゲン2.1gを計測します。
使用量が極少量なので0.1g単位で計測できるキッチンスケールを使うと良いでしょう。
計測したシバゲン2.1gと水350mlを計量カップに入れて、溶け残りがないようによくかき混ぜて溶かして一次希釈液を作ります。
4. 噴霧器のタンクに一次希釈液100mlを入れる
一次希釈液にシバゲンの溶け残りがないことを確認してから、噴霧器のタンクに一次希釈液を入れてください。
1回目に入れる一次希釈液の量は、一次希釈液350ml÷14L×4L=100mlとなります。
5. 噴霧器のタンクの4Lのラインまで水を入れる
噴霧器のタンクに一次希釈液100mlを入れたら、続いてタンク本体にある4Lのラインまで水を入れます。
水を入れるときはホースなどで入れますが、勢いよく入れすぎて中身がこぼれたり飛び散ったりしないように注意しましょう。
6. 噴霧器のタンクにまくぴか1.2mlを入れてからタンクの蓋を締める
最後にまくぴか1.2mlを噴霧器のタンクに入れてから、タンクの蓋を締めます。
(計算:散布液10Lあたり3ml×散布液4L=まくぴか1.2ml)
使用量が極少量なのでシリンジ(注射器型の計量器具)を使うと良いでしょう。
7. 噴霧器のタンクをよく振ってかき混ぜてから散布する
噴霧器のタンクの蓋がしっかり締まっていることを確認したら、タンクをよく振ってかき混ぜます。
あとは使用する噴霧器の説明書をよく読んで、除草剤の薬液を芝生に散布しましょう。
タンクが空になったら、「4. 噴霧器のタンクに一次希釈液100mlを入れる」に戻って、以後は一次希釈液がなくなるまで同じ作業を繰り返してください。
芝生の除草剤を安全に使用するための注意点
説明書きを熟読してから使用すること
除草剤を安全に使用するためには、必ず説明書をよく読んで注意事項を守って使用してください。
これらの説明書には、効果・薬害についての注意書きや、安全使用上の注意書きが必ず記載されています。
家電の説明書はあまり読まないという方でも、除草剤を使うときは説明書をよく読みましょう。
除草剤そのものだけではなく、展着剤や噴霧器などの器具の説明書も同じようによく読みましょう。
除草剤が周囲に飛び散らないようにすること
薬害や環境への悪影響を抑えるため、除草剤が周囲に飛び散らないようにしましょう。
これはシバゲンの注意書きにも繰り返し記載されている重要なことです。
- 草花、樹木の新葉等には薬害を生じるおそれがあるので、それらにかからないよう注意して散布してください。
- 散布薬液の飛散あるいは近傍への流入によって有用作物に薬害を生じることがないよう十分に注意してください。
- のり面では近傍へ流入するおそれがあるので使用しないでください。
(引用:シバゲン「効果・薬害等の注意事項」)
具体的には以下の内容などに注意してください。
- 風が強い日に除草剤を散布しない
- 雨が降る可能性がある日に除草剤を散布しない
(シバゲンであれば少なくとも散布後6時間は雨が降らないこと) - 除草剤は地面近くの低い位置から散布する
(噴霧器のノズルの先端を地面に近づけて散布する) - 隣の敷地・自分の花壇・家庭菜園などの近くに除草剤を散布するときは、
除草剤がかからないようにビニールなどで養生する - のり面(傾斜面のこと)の芝生には散布しない
除草剤を使った後の芝生は立入禁止にするべきなのか?
除草剤を使った後の芝生は、少なくとも散布当日は立入禁止にした方が良いでしょう。
シバゲンの注意書きにも以下の通り記載されています。
- 公園、堤とう等で使用する場合は、散布中および散布後(少なくとも散布当日)に小児や散布に関係のない者が散布区域に立ち入らないよう縄囲いや立て札を立てるなど配慮し、人畜等に被害を及ぼさないよう注意を払ってください。
(引用:シバゲン「安全使用上の注意事項」)
特に小さい子どもやペットを飼っているお宅では、除草剤を使った直後に芝生に立ち入らないよう注意しましょう。
まとめ
芝生の雑草対策@初心者向け除草剤の使い方のまとめです。
- 除草剤を使用するときは、取扱説明書(注意書き)をよく読んだ上で、必ずその内容に従って作業する。
- 芝生用の除草剤は、使用できる作物名に「芝」または「日本芝」など自分が育てている芝の品種が記載されているものを選ぶこと。
- 芝生用の除草剤のおすすめは「シバゲンDF」。
多種の雑草に効果があり、除草剤を使える時期が幅広いので使いやすい。 - 除草剤には展着剤を加えて、噴霧器を使用して散布する。
(液状タイプの場合) - 除草剤を散布するときは周囲に飛び散らないように注意する。
散布後、少なくとも散布当日は芝生に立ち入らないようにすること。
除草剤等の農薬は、間違った使い方をすれば芝生や環境に悪影響を及ぼすだけではなく、自身や周囲の人々の健康を害する可能性もあります。しかし、正しい使い方をすれば安全なものであり、過度に恐れる必要はありません。
正しく使えば除草剤は芝生管理の強い味方になってくれますので、取扱説明書(注意書き)をよく読んだ上で、必ずその内容に従って作業するようにしましょう。
また、殺虫剤や殺菌剤の選び方・使い方については以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方は是非あわせてご覧ください。