通気浸透水脈DIY① 施工計画

 穴を掘ったら水が出てくるほど水はけの悪い庭を、緑がいっぱいの雑木の庭にするために、『大地の再生』通気浸透水脈の考え方を取り入れた土壌改良をDIYで行います。はたして素人でもDIYはできるのか、雑木は健康に育ってくれるのか、『通気浸透水脈DIY』シリーズとしてお送りします。

 『通気浸透水脈DIY』シリーズの第1回は施工計画の作成です。勉強にしても仕事にしてもまずは段取りが大切です。計画無くして成功無し、ということでまずは施工計画を考えます。

 …実際のところは計画もそこそこに動き出したため、二度手間が発生したり反省点も色々あったのですが、blogではわかりやすいように計画編からスタートします。

 さて、今回行うDIYの大きな工程としては、暗渠排水と築山の2つがあります。通気浸透水脈の考え方に則り、暗渠排水は地形の変わり目に沿った横溝+水の流れの要所に縦穴を掘る形にします。

 横溝を掘る前に確認するべきことは、①横溝を掘る場所(長さ)、②横溝の深さ、③横溝の幅、の3点です。まず最初に、庭のどの部分の水はけを改善したいのかを考え、それに沿って暗渠排水を入れる範囲を決定します。注意点としては、「今植物を植えたいところ」だけではなく、庭全体の将来イメージを想像しながら考えましょう。暗渠排水は庭を大規模に掘り返すという大がかりなDIYですので、植物を植えて庭の形が出来てからでは掘り返しにくいこと、既存の暗渠排水に継ぎ足していくよりも一度に設置したほうが効率的で排水能力も期待できることがその理由です。

 暗渠排水を入れる範囲が決まったら最終排出先への排水ルートを考えます。暗渠を通して水をどこへ流すのかということですが、雨水桝や庭に隣接している外部水路(U字溝や側溝)に接続するのが基本です。当然ながら水は高いところから低いところへと流れますので、排水先の雨水桝または水路より高い位置にしか暗渠排水は設置できません。また、あまり自宅建物の近くへと水を誘導すると、地盤や建物への影響が心配ですのでDIYでは避けた方が無難でしょう。適切な排水先が見当たらない場合は、敷地内に大穴を掘って雨水浸透枡を設置する方法もあるようです。排水ルートが決まれば①横溝を掘る場所(長さ)も決まります。

 次に、②横溝の深さですが、排水先との接続位置の深さが基準になります。一般的な家庭の庭では、暗渠排水の横溝を入れる深さは30cm~50cmあれば十分です。あまりにも浅い位置になる場合は、別の排水先を確保するか、排水管を使用せず疎水材のみで埋め戻す簡易的な暗渠排水や明渠での表面排水を検討しましょう。また、暗渠排水には1/100(長さ1Mで高低差1cm)~1/1,000(長さ10Mで高低差1cm)の勾配が必要と言われていますので、適切な勾配をつけられるかどうかも忘れずに考慮してください。なお、可能な限り急な勾配とすることで適度な流速が与えられるため、管径を小さくすることができるほか、排水管内の堆積土砂が少なくなる利点があります。

 最後に、③横溝の幅については、穴掘りに使用する道具にもよりますが20~30cm程度が良いでしょう。横溝の深さ・幅が大きくなるほど排水能力は高くなりますが、残土が多く出ること、埋め戻す疎水材も多く必要となること、そして何より掘るのが大変になるので注意してください。

 これを踏まえた我が家の施工予定図は以下の通りです。赤の部分が知り合いの外構業者さんにお願いして入れてもらった既設の暗渠排水で、緑の部分が今回DIYで新たに設置する予定の暗渠排水です。南側からの帯水を抜くためにCB塀に沿って1本目の排水管を通し、築山と芝生の境目になる予定の部分に2本目の排水管を通します。通気浸透水脈の考え方に則り、地形の変わり目に水が集まってくることからそこへ排水管を通すこと、排水管は直線にするのではなく自然の川の流れを模して曲線を描くことを意識しています。新たに設置する予定の暗渠排水は、既設の暗渠排水に接続した後、最終的には庭の北西部分から外部水路へと排水します。①長さは約20M、②深さは20~30cm、③幅は20~30cmとします。できればもう少し深い位置に暗渠排水を入れたかったのですが、排水先の深さに合わせるとこうなりました。

 暗渠排水に使用する暗渠排水管は、地形に合わせてフレキシブルに曲げられるコルゲート管にします。できれば節を抜いた竹を縦穴に使用すると良いらしいのですが、そんな立派なサイズの竹を手に入れることはできなかったので、今回は横溝・縦穴ともにコルゲート管を使用します。太い竹ってホームセンターには売ってないですし、通販で買うとかなり割高だったので諦めました。余談になりますが、竹林は定期的に整備しないと荒れ果てて手が付けられなくなってしまいますが、竹は成長が早い植物なので竹林を維持するのは非常に大変です。もし、あなたの親戚や知り合いの方が竹林を所有されているならば、竹をわけてもらう代わりに作業を手伝ってあげると喜ばれると思います。

 コルゲート管は空調工事や電気工事で使用するタイプではなく、集排水管として使用するタイプを選びましょう。また、コルゲート管には管の内面が凸凹している「シングル管」と、管の内面が平滑な「ダブル管」がありますが、水の流れがよりスムーズになる「ダブル管」の方が暗渠排水には向いています。私は通販で管径80mmのダブル管を30M購入しましたが、管径60mm以上のダブル管であれば排水能力に問題は無いと思いますので、必要な管の長さ・販売ロット・在庫状況を考慮して選んでください。コルゲート管は大きなホームセンターでは店頭販売されていると思いますが、小中規模のホームセンターには置いていないことが多かったです。また、コルゲート管は直線4Mか巻尺30M(管径によっては50M他)などの単位で販売されており、一般的な自家用車では運べない可能性が高いので、通販で購入することをお勧めします。

 築山は、暗渠排水DIYにより大量に発生する残土を再利用して行います。もちろん、粘土質の残土をそのまま入れると水はけが悪くなりますので、砂やバーク堆肥などの土壌改良資材を投入して水はけを改善します。また、庭から出てきた石やコンクリート片などは可能な限り暗渠排水に使用します。現場から出てきた物はその現場で生かすというのが『大地の再生』の素晴らしいところですね。

 実際にやってみないとわからないことが多いので、計画はこれぐらいにして次回より実際にDIYを行っていきます。気が遠くなるほど穴を掘っていきます!



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