粘土質の庭の水はけをDIYで改善する方法

粘土質の庭の水はけの悪さに頭を抱えているあなたへ。雨が降っても水たまりができないように、DIYで水はけを改善したくないですか?

庭に水たまりができると通るたびにドロドロになるし、植物を植えてもうまく育たないし、ボウフラなどの虫がわく原因にもなるし、何も良いことがないですよね。

でもうちの庭は土が粘土質だから仕方ない…と考えていませんか?諦めるのは早いですよ。ちゃんと対策を施せば、DIYでも庭の水はけを改善して、庭に水たまりができないようにすることは十分に可能です。

今回は、庭の水はけを改善するための考え方から、庭に水たまりができないようにするためのDIY計画の立て方まで、具体的に解説していきます。庭の水はけの悪さに悩んでいるという方は是非お付き合いください。

目次

なぜ庭に水たまりができるのか?

DIY計画を立てる前に、有効な計画を立てるためには原因を分析することが必要です。

あなたの庭はなぜ雨が降ったら水たまりができて、その水たまりがなかなかなくならないのか、まずはその原因を考えていきましょう。

表面排水の問題@水が周囲から集まりやすい地形になっている

水たまりが出来る場所というのは、水が周囲から集まりやすく、水の逃げ場がない地形になっています。

庭の地面が完全にフラットということは通常ありえません。水は高いところから低いところへと流れますので、庭の中の地面が低い(凹んでいる)場所には周囲から水が集まってきて水がたまるのです。

これを避けるためには、庭の中に水を集めるのではなく、庭の外に水が流れるように地面を整える必要があります。これを「表面排水」といいます。

庭に水たまりができる直接の原因は「表面排水」が機能していないことです。「表面排水」さえ機能していれば、理論上は庭に水たまりができることはありません。

そのためには、水が流れるように地面に傾きをつける(水勾配を取る)ことが重要になります。

地下排水の問題@土壌の透水性が悪い=水はけが悪い

一度できた水たまりがなかなか消えないのは、土壌が粘土質で地下に水が染み込んでいかないことが原因です。

土壌が水を通す能力のことを透水性というのですが、土が粘土質だったり踏み固められてカチカチになっている場合は透水性が悪く、ほとんど水を通さないこともあります。これが「水はけが悪い」という状態です。

水はけが良い土というのは透水性が高く、雨が降っても雨水は地表にたまらず、どんどん地下へ染み込んでいきます。これを「地下排水」といいます。

粘土質の庭に水たまりができると、「地下排水」の速度が非常にゆっくりなので、水が自然に蒸発するまで水たまりがなかなかなくならないのです。

身近な例で言うと、池や田んぼの水がなくならないのと同じことです。

水たまりを解消するためのDIY計画の立て方

庭に水たまりが出来て、なかなかなくならないのは、表面排水と地下排水の問題があることがわかりました。

続いて、具体的に水たまりを解消するためにはどうすればいいのか、DIY計画の立て方を解説します。

最終的な出口となる排水先を考える

庭の水たまりを解消するための計画で最も重要なことは、最終的な水の出口となる排水先を考えることです。

何らかの方法で庭から敷地外へ雨水を排水しない限り、雨が降ったら水がたまることになります。そのためには、どうやって逃がすかという方法を考える前に、どこへ逃がすかという場所を決めなければなりません。

排水先の理想は、自分の敷地内で地下へ水を浸透させることだと私は考えています。環境面や防災面を考えればメリットがありますし、芝生や草木などの植物も育ちやすくなるからです。

しかし、粘土質の庭では地下へ水を浸透させることは簡単ではありませんので、雨水を敷地外の水路、一般的な住宅地でいうと道路の側溝(U字溝)へ流すことが多いのではないでしょうか。水路を排水先とするならば、自分の敷地のどの位置から、どの水路へ流すのかを考えてください。

大切なポイントとして、排水先を一つに限定する必要はありません。複数の排水先を考えることによって、効率の良い排水計画や豪雨への備えにつながります。敷地の形状・土壌の性質・庭の用途などに応じて、地下への浸透と水路への排水を併用したり、敷地の複数の位置から水路へ排水することも検討しましょう。

排水先を決めてから排水方法(排水ルート)を考える

水の出口となる排水先が決まったら、その出口への排水方法(排水ルート)を考えます。出口を決めてから方法を考えることをおすすめします。

庭の水はけを改善するための情報を調べていると、「暗渠排水が有効だ」「雨水浸透枡を設置しよう」など色々な意見に出会います。

暗渠排水や雨水浸透枡は確かに有効な手段ではありますが、設置するだけでどんな庭でも水はけが改善するような魔法のやり方ではありません。

水の出口となる排水先がなければ、暗渠排水や雨水浸透枡を設置したとしても、大雨が降ればよほど大きいものでない限りすぐにあふれてしまうでしょう。

効率よく目的を達成するためには、それぞれの庭に合ったやり方で水はけを改善することが大切です。そのためにも、まずは水の出口となる排水先を決めてから、次に排水方法(排水ルート)を考えることをおすすめします。

排水先を水路にする場合の排水方法(排水ルート)

敷地外の水路へ排水する場合、最も効率が良いのは表面排水することです。

庭全体に緩やかな傾斜(水勾配)をつけるのが理想的ですが、面積にもよりますがDIYでやるにはかなり大変な作業なのがデメリットです。

または、庭の端に溝を掘るなどして地上に水路(明渠または開渠ともいいます)を作り、一旦そこへ雨水を誘導してから敷地外へ流すという方法もあります。明渠は暗渠と比べて施工が簡単で、排水能力も高いことがメリットです。

一方、何らかの事情で表面排水が困難な場合は、地下に水路を埋設する「暗渠排水」を検討します。暗渠は明渠に比べて排水効率は劣りますが、水路を地下に埋めるので見た目がスッキリすることや、地上のスペースを有効活用できることがメリットです。

地下へ水を浸透させる場合の排水方法(排水ルート)

縦穴暗渠ダブルスコップ

粘土質の水はけが悪い庭では地下へ水を浸透させることは簡単ではありません。粘土質の土は水を通さない(通しにくい)ので、地面に穴を掘ったとしても穴の中に雨水がたまるだけだからです。

粘土質の庭で地下へ水を浸透させるためには、粘土層を掘り抜いて砂や石で構成された水はけの良い地層(砂礫土層)まで水の通り道を作る必要があります。

敷地の一カ所だけでも水の通り道を作ることができれば、地下へ水を浸透させることができるようになります。

粘土層を掘りぬいた縦穴には、暗渠排水に使用するコルゲート管を縦にして差し入れると、地表から水はけの良い地層まで水の通り道をキープできるのでおすすめです。

もしくは粘土層を掘り抜いた縦穴を拡張して雨水浸透枡を設置する方法もありますが、コルゲート管を差し入れる方法の方が簡単にできます。

あとは縦穴に向かって表面排水または暗渠排水で水が流れるようにすれば、地下へ水を浸透させることが可能です。できることならば、敷地内に複数の縦穴を掘って、水の通り道を多く作った方が水はけはよくなります(作業は大変ですが)。

庭をよく観察すればヒントがある

DIY計画を立てるときは机の上で悩むばかりではなく、庭をよく観察してみてください。

例えば、水たまりができる場所の地形はどうなっているのか、庭にたまった水はどこかへ流れているのか、または雨が止んだら地面へ染み込んでいくのかなどを観察してみてください。

また、地下へ水を浸透させられるかどうか確認するためには、ためしに庭に深さ30cmぐらいの穴を掘ってみて、そこに水を入れて一晩おいてみてください。翌朝、水の量が減っているようであれば水が浸透しています。水の量が変わっていなかったり逆に増えているようであれば水は浸透していないということです。

どれぐらい穴を掘れば水はけの良い地層へたどり着くのか、こればかりは実際に掘ってみないとわかりません。できれば庭の何カ所かを掘ってみると良いヒントが見つかるかもしれません。

うちの庭では掘った穴から水が抜けていくどころか、穴から水がわいてくるほど水はけが悪い土地でした。そのときの様子をまとめた記事は以下になりますので、よかったら読んでみてくださいね。

ちなみに、穴を掘るときは剣先スコップで掘るのが基本ですが、深い縦穴を掘るときは複式ショベル(ダブルスコップ)と呼ばれる専用の道具を使ったほうが圧倒的に楽です。労力に雲泥の差があるので、いくつも縦穴を掘る予定の場合は早めに買っておかないと後悔しますよ。

まとめ

粘土質の庭の水はけをDIYで改善する方法のまとめです。

  1. 庭の表面排水ができていないと水たまりができる
  2. 土壌が粘土質だと地下に水が染み込んでいかないので、
    一度できた水たまりがなかなかなくならない
  3. 庭の水たまりを解消するための計画で最も重要なことは、
    最終的な水の出口となる排水先を考えること
  4. 水の出口となる排水先を決めてから、
    その次に排水方法(排水ルート)を考える
  5. DIY計画を立てるときは庭をよく観察してみよう

以上、参考になれば幸いです。



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DIYで水はけ改善

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