水はけの悪い土地に雑木の庭をDIYする方法

 雑木の庭を造ろうと意気込み、庭に穴を掘ったら水が出てきました。雑木の庭に植える雑木は水はけの良い環境を好むものが多いため、穴を掘ったら水が出てくるような土は最悪と言えるでしょう。

 植物の根は呼吸をしており、湿地や水辺を好む植物でもない限り、根が常に水につかっている状態は好ましくありません。植物にとって水は必要不可欠なものですが、一方で過度に水を与えてしまっては根が呼吸をできなくなり根腐れを起こしてしまいます。したがって、水はけの悪い土地に雑木を植える場合は、土壌改良を行ってから植えなければなりません。

 このままでは雑木を植えられない!一体どうすれば良いのか考えてみました。

<庭を掘ったら出てきた水の対策>
① 土中に滞留している水を敷地外へ排出する
② 土を盛って水はけを改善する

 庭を掘ったら出てきた水の対策①は、土中に滞留している水を敷地外へ排出することです。
シンプルな話ですが、水は高いところから低いところへと流れるものなので、水はけの良い環境であれば雨が降っても水は地下へと浸透していきます。しかし、不透水層や難透水層と呼ばれる粘土質の地層は水をほとんど通しません。そのために、行き場のない水が地表で水たまりになったり、土中に滞留して田んぼのようにぬかるんだ状態になったりするわけです。
 そこで、排水路を作って敷地外へ水を逃がしてやります。排水路のうち、地上にあるものを「明渠(めいきょ)」または「開渠(かいきょ)」と呼び、地下にあるものを「暗渠(あんきょ)」と呼びます。また、地表に水勾配をつけたり明渠を設ける排水方法を「表面排水」と呼び、地下に暗渠を設ける排水方法を「暗渠排水」と呼びます。今回は、表面排水の改善だけではなく、暗渠排水DIYによって、土中に滞留している水を敷地外へ排出することを目指します

 庭を掘ったら出てきた水の対策②は、土を盛って水はけを改善することです。
草花や野菜を育てるのであれば、鉢植えやレイズドベッドといった方法も考えられますが、雑木の庭を造るのであればやはり地植えしたい!というわけで「築山(つきやま)」にします。

<雑木の庭に築山を作るメリット>
① 高低差ができるため水はけが改善する
② 暗渠排水工事で出た大量の残土を再利用できる(処分費用の削減)
③ 里山のような風景を作ることで庭の景観が良くなる

<雑木の庭に築山を作るデメリット>
① 築山部分の雨水浸透能力が低下する
② 築山からの土壌流出が発生する

 出来ることならば既存の粘土質の土から植栽に適した土へと全て入れ替えられれば良いのでしょうが、労力的にDIYでは到底無理ですし、仮に業者に頼んだとしたら莫大な金額がかかるでしょう。ガーデニングがお好きな方はよくご存じだと思いますが、不要な土を処分するというのは以外と大変なんです。土や石というものは、新しく買うのは当然ですが、捨てるときにも結構なお金がかかるんですよね。今回は、暗渠排水工事により大量に残土が出ますので、この土を出来るだけ土壌改良した上で再利用して築山DIYしていきます

 雑木の庭において、土地に起伏を設けることは非常に重要です。雑木は水はけの良い環境を好むものが多いため、高植えすることにより根元に水が溜まらないようにします。また、暗渠排水工事で出た大量の残土をマウント状に盛って築山を作り、複数の高木・中低木・下草を密植させた植栽マウンドを作ることにより、庭の雰囲気はぐっと良くなるはずです。

 一方、雑木の庭に築山を作るデメリットは、雨水が地表面を走ることによる浸透能力の低下や土壌流出の懸念があげられます。この対策としては土留めとマルチングが有効です。石積みまたは竹・粗朶(そだ)を用いて柵(しがらみ)を作ったり、芝生や玉竜などのグラウンドカバーや低木など植物の根の力を借りて土留めします。また、落ち葉やバークチップなどでマルチングすることにより、地表が剥き出しの状態にならないようにすることも重要です。

 以上の改善案については「通気浸透水脈」の考え方を取り入れています。
通気浸透水脈とは、造園技師の矢野智徳氏や高田造園設計事務所代表の高田宏臣氏などが提唱している概念であり、一言で言うと「自然の力を借りて土中に水や空気の流れを作り環境を改善する」という考え方であると私は理解しています。詳しくは以下のWEBサイトをご参照ください。

 これから 『大地の再生』通気浸透水脈の考え方を取り入れた土壌改良をDIYで行っていきたいと思います!



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