レンガとモルタルで芝生用の排水路を作ってみた【表面排水】

庭の水はけが悪く、芝生が綺麗に育たないことに悩んでいませんか?

昨今は線状降水帯による集中豪雨などもあり、大雨が降ったら庭に水が溜まって芝生が水没してしまうこともありますよね。

大雨で水没したわが家の芝生

芝生は水はけの良い環境を好む植物です。水が溜まってしまう環境だと芝生の病害や苔が発生しやすくなり、芝生がうまく育たない原因になってしまいます。

芝生の病害
芝生に生えた苔

芝生に水溜りができてしまう理由は、芝生の地形が周囲より低くて雨水が流れ込んでくるからです。

そのため、芝生から外部へ雨水を逃すための水路を整えることが改善策となります。

この記事では、レンガとモルタルを使って芝生用の排水路を作る方法を解説していきます。

私が実際に作ってみて初めてわかったメリットやデメリットも解説していますので、芝生の水はけを改善したいという方は是非最後までご覧ください!

目次

芝生の表面排水の重要性について

芝生の水はけを改善するためには表面排水が重要

芝生の水はけを改善するために最も重要なことは、表面排水を改善することです。

一般的な家庭の芝生でできる水はけの改善策としては以下の3つがあります。

  1. 庭土を水はけの良い砂主体の床土に作り変える(土壌改良する)
  2. 表面排水を改善する
  3. 暗渠排水を設置する

芝生の成長を考えると、庭土を水はけの良い砂主体の床土に作り変える(土壌改良する)ことはとても重要ですが、水はけを改善するという意味では表面排水を改善することが最も重要です。

表面排水を改善することが、なぜ水はけを改善するために最も重要なのか、暗渠排水を設置するのはどうなのかという点については、以下の記事で詳しく解説していますので興味のある方は是非ご覧ください。

芝生用の排水路が必要になる理由

芝生の表面排水を考える上で、排水路を設計することは非常に有効な方法です。

なぜなら、表面排水は排水先までの距離が短いほど整備する難易度が低く、作業も簡単にできるからです。

表面排水をするためには、芝生に降る雨水を最終排水先である雨水枡や側溝まで誘導しなければなりません。

このとき、芝生全体の雨水を一点の最終排水先へ誘導しようとすると、庭全体に大きく勾配をつけなければなりません。

芝生面積の広さにもよりますが、勾配をつけるために盛る砂の量も多く必要なため、労力的にも費用的にも負担が大きくなります。

また、かなり大掛かりな作業になり難易度も高いので、場合によってはDIYでやれる範囲を超えてしまう可能性もありそうです。

一方、芝生全体の雨水をいきなり最終排水先へ誘導するのではなく、外周部分に設けた排水路へ一旦誘導し、排水路から最終排水先へ雨水を流すようにしたらどうでしょうか?

芝生の上を雨水が流れる距離が短くなり、勾配も少なくてすみます。勾配が少なくてすむということは、整備するのも比較的簡単ですし、勾配をつけるために盛る砂の量も少なくてすむので、労力的にも費用的にも節約になります。

このように、家庭の芝生の庭において、DIYで表面排水を改善するには排水路を作ることは有効な手段と言えるでしょう。

芝生用の排水路の設計

排水路を作る前に検討すべきこと

それなら早速、芝生用の排水路を作ろうと意気込む前に、まず落ち着いて排水路の設計を考えましょう。

芝生の排水路はどんな庭でも作ることができるわけではありません。排水路を作るために最低限必要なポイントは以下の3つです。

  1. 最終排水先となる雨水枡や側溝等が芝生の近くに存在すること
  2. 最終排水先に雨水を誘導するための高低差を確保できること
  3. 排水路の位置が庭を使う上で邪魔にならないこと

まず、雨水を誘導する目的地となる雨水枡や側溝等が存在することは最低限必要です。

目的地がなければ、排水路を作ったとしても雨水の行き先がなく、水路内に水が溜まってすぐ溢れてしまうからです。

一般的な住宅地であれば敷地内に雨水枡が設置されていることが多いと思いますが、芝生と位置が離れすぎていると雨水枡へ水を誘導することが難しい場合もあります。

そのため、まず最初に最終排水先となる雨水枡や側溝等が芝生の近くに存在するかどうかを確認しておきましょう。

次に、最終排水先に雨水を誘導するための高低差を確保できることも重要です。

当然ですが、水は高いところから低いところに流れますので、芝生より最終排水先が高いところにある場合は排水することができません。

また、水路でスムーズに水を流すためには、少なくとも1%以上の傾きをつけることが好ましいとされています。この傾きのことを水勾配と言います。

水勾配1%というのは、水路の長さ1mに対して高低差1cm以上の傾きが必要ということです。

これだけだと大したことないと思うかもしれませんが、水路の長さが10mになると高低差10cmになるので庭が広い場合はかなり大変です。

実際には水勾配1%未満でも水路として機能しないとは限りませんが、少なくとも逆勾配(水路の上流側が低くなってしまうこと)だけは避けるようにしてください。

最後に、水路の位置も重要なポイントです。

いくら排水に便利だからといって、芝生のど真ん中を横切るように排水路を設置することはおすすめしません。

それだと庭の景観を大きく損ないますし、子どもやペットと遊んだり庭を使う上でも非常に不便になるからです。

一般的には排水路は芝生の外周部分に設置することをおすすめします。実際に排水路を作ったら庭がどうなるかを想定して計画しましょう。

排水路と芝生の高低差について

ところで、芝生の外周部分に排水路を作るというと、レンガで縁取りされた芝生を思い浮かべる人もいると思います。

見た目のイメージとしてはその通りなのですが、実はレンガが排水目的で設置されていることは稀なのはご存じでしょうか?

芝生の外周に設置されたレンガには、芝刈り(際刈り)の手間を減らす目的のものと、排水路としての機能を期待したものの2種類があり、一般的には前者のものが多いです。

この2つは何が違うのかと言うと、芝生とレンガの高低差の考え方が決定的に違います。

芝刈りの手間を減らす目的で設置されるレンガは、芝生の高さ(グラウンドレベル=GL)とフラットに設置するのが基本です。GLが揃っていないと芝刈り機で芝刈りしにくいからです。

これに対して、排水路として設置されるレンガは、芝生の高さ(GL)よりも低くくなるように設置します。水路のGLが芝生より低くないと、芝生から水路に水が流れないからです。

このように、芝刈りの手間を減らしたい場合と、芝生の水はけを改善したい場合とでは、同じレンガ敷きに見えても設計が全く異なるので注意してください。

排水路の材質について

芝生の外周部分に排水路を作る場合によく見かける排水路の材質の種類と、それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

排水路の材質メリットデメリット
土・砂・砂利・瓦チップ・値段が一番安い
・勾配調整しやすい
・後から変更しやすい
・土や砂だと雑草が生える
・砂利や瓦チップだと散らばる
モルタル・レンガよりは安い
・メンテナンスしやすい
・勾配調整が難しい
・施工が大変
・後から変更できない
レンガ・意匠性が高い
・勾配調整しやすい
・メンテナンスしやすい
・値段が高い
・施工が大変
・後から変更できない

私は砂の水路・瓦チップの水路・レンガの水路の三種類の水路を作りましたが、それぞれにメリットとデメリットがあると感じています。

水路に特別な施工をせずに土のまま若しくは砂や砂利(瓦チップ)を敷いておくのは、最も簡単で費用もかかりませんが、雑草が生えたり砂利(瓦チップ)が散らばったりするので綺麗な状態を保つには手間がかかります。

モルタルを均して水路を造作するのは、費用もそんなにかからずメンテナンスも楽ですが、勾配調整が難しいので長距離の水路を作るのは素人には難しそうです。

レンガで水路を作るのは、意匠性が高く勾配調整も意外と楽でメンテナンスも簡単ですが、費用は最も高くなります。

また、砂や砂利の水路はすぐに撤去したり変更することができますが、モルタルやレンガで水路を作るとそうはいきません。それぞれのメリットとデメリットをよく考えて、排水路の材質を選ぶことが重要です。

レンガの排水路にモルタルは必要か?

排水路をレンガで作るときに、モルタルを使ってレンガを固定するべきかどうか迷う方もおられるのではないでしょうか。

結論としてはどちらでも良いのですが、私はモルタルを使ってレンガを固定しました。

モルタルを使うメリットとして、耐久性の高さだけでなく、微妙な勾配調整がやりやすいことが大きいです。

耐久性の高さはイメージしやすいと思いますが、モルタルを使った方が微妙な勾配調整がやりやすいというのは意外に感じる方が多いかもしれません。

固まる前のモルタルは流動性があるので、実際には砂などを加減するよりも簡単に勾配調整ができるのは嬉しいメリットですよ。

一方、デメリットとしてはモルタルで固めてしまうと後からやり直したいと思っても動かせないという点があります。

ですが、それ以上にモルタルを使うということ自体のハードルが高いと感じる人が多いのではないでしょうか。

たしかに最初は道具を揃える必要があることや、モルタルを練る手間などから敬遠されがちですが、やってみると意外と難しくはありません。モルタルを使うメリットに魅力を感じる方は、是非挑戦してみてください。

レンガの排水路の目地を何で埋めるべきか?

レンガの固定にモルタルを使うかどうかと並んで、レンガの目地を何で埋めるかというのも悩むポイントですよね。

芝生の排水路をレンガで作るときに、目地埋めによく使われるものの種類とメリット・デメリットは以下のとおりです。

目地埋めの素材メリットデメリット
珪砂(硅砂)・施工が簡単
・後から動かせる
・目地から雑草が生える
ドライモルタル・施工が簡単
・珪砂より頑丈
・レンガが汚れがち
モルタル・最も頑丈・レンガが汚れがち
・施工が大変

まず、レンガの固定にモルタルを使わなかった場合は、目地埋めも珪砂で砂極めにするのが普通です。目地だけモルタルにしてもあまりメリットがないですからね。

レンガの固定にモルタルを使った場合は、珪砂・ドライモルタル・モルタルのどれを選んでも構いませんが、ドライモルタルかモルタルを選ぶことが多いと思います。

ちなみに、珪砂とドライモルタルはレンガを並べ終わってから後入れで目地埋めしますが、モルタルの場合は少し手順が変わります。

モルタルの場合は、レンガを並べるときにレンガの側面にモルタルを塗っておき、レンガを並べるのと並行して目地を埋めていきます。もしくは、レンガとレンガの間隔を広めに(目安は指一本分以上)空けておくと、モルタルでも後入れで目地埋めしやすいですよ。

どれを選んでも水路としては問題ありませんので、好みで選んでみてはいかがでしょうか。

レンガとモルタルを使った芝生用排水路の作り方

STEP

芝生の排水路の設計を考える

前述のとおり、まず最初に芝生の排水路の設計を考えなければなりません。

ここからは、私が実際にレンガとモルタルを使った芝生用の排水路を作ったときの実例を紹介していきます。

今回は、芝生の北側(犬走りと芝生の間)に水路を作り、庭の北西にある水抜き穴から側溝に排水(東から西に向かって排水)する計画です。

水路の全長は約12,315mm(約12.3m)となります。初めて水路を作るにしてはかなり大掛かりですが、無事に完成しましたのでみなさんも是非挑戦してみてください。

STEP

芝生用排水路を作るための材料と道具を準備する

排水路の構想ができたら材料と道具を準備しましょう。

<レンガとモルタルの水路の材料(消耗品)>

  • レンガ×55個
  • 芝生の根止め5m×3箱
  • セメント1袋
  • 砕石2袋
  • 砂2袋
  • 珪砂1袋
  • 水糸
  • 土嚢袋

使用するレンガのサイズは一般的なレンガ(縦約20cm×横約10cm)でもヨーカンレンガ(縦約20cm×横約5cm)でも構いません。

ホームセンターには色んな種類のレンガが売られていますので、好みの見た目のものを探してみるのも楽しいですよ。

レンガを買う個数は、レンガとレンガの間の目地になる部分を考慮して、少なくともレンガの長さ+3mmぐらいで計算(レンガ同士を詰めて配置する場合の最低距離)してみてください。

芝生の根止めは芝生とレンガの間に設置することにより、レンガの隙間に芝生が侵入することを防いでくれます。

レンガをモルタルで固めてしまえば根止めは不要と思うかもしれませんが、芝生のランナーは想像よりはるかに強く、わずかな隙間やモルタルの割れからでも侵入してしまいます。

芝生のランナーが一度侵入してしまうと完全に取り除くことはほぼ不可能で、見た目も悪くなってしまうだけでなく後の管理がとても大変になりますので、根止めは必ず設置しておくことをおすすめします。

<レンガとモルタルの水路DIYに必要な道具>

  • トロ舟
  • 左官用のバケツ
  • シャワーホース
  • レンガゴテ
  • レンガタガネ
  • ターフカッター
  • 剣先スコップ(シャベル)
  • 小さいスコップ
  • 水平器
  • メジャー
  • ゴムハンマー
  • 小さいブラシ
  • スポンジ

レンガで芝生の水路を作るために必要な道具は以上のとおりです。具体的な使い方は、作業内容の項目で詳しく解説していきます。

STEP

水路部分の芝生を剥がすして地面を掘る

材料と道具の準備ができたら、水路になる部分の芝生を剥がして整地していきます。

まず、水路の幅を正確に切り取るため、レンガと水糸を使って真っ直ぐのラインを引きましょう。

実際に水路に使うレンガに水糸をくるくる巻きつけてピンと張るだけなので簡単ですよ。

水糸なんかなくても真っ直ぐに芝生を剥がせると思うかもしれませんが、高確率で歪みますので一手間を惜しまないのがポイントです。

水糸を張ったら、それに沿ってターフカッターで切り込みを入れていきます。

ターフカッターがなければ剣先スコップで代用することもできますが、ラインが真っ直ぐにならないので見栄えはターフカッターに劣ります。

また、距離が短い場合はカッターナイフなどで切り込みを入れることもできますが、カッターが折れたりして危ないのでおすすめしません。

ターフカッターは安いものであれば2,000円以下で買えますし、今後も芝生のお手入れで何かと使えるので、芝生のために水路をDIYするぐらいの芝生好きならターフカッターを一本持っておくと便利ですよ。

使用頻度を考えるとキンボシ(ゴールデンスター)のターフカッターがお手頃でおすすめです。

切り込みを端まで入れ終わったら、芝生をグイッと引っ張って剥がしていきます。腰を痛めないように注意してください。

芝生を剥がしたら水路になる部分を掘り下げていきましょう。掘る深さの目安は、水路の仕上がりの高さ(GL)よりレンガの高さ+5cm以上掘ってください。

この5cmというのは、レンガの下の基礎となる砕石やモルタルの厚みの分になります。

また、水路に勾配をつけることを考えて、掘るときにも勾配を意識しながら掘るようにすると後の作業がスムーズに進むのでおすすめです。

ところで、犬走りや土間打ちされたコンクリートの際を掘っていると、地中からコンクリートの塊が出てくることがあります。

コンクリートの塊の大きさにもよりますが、邪魔になる場合はレンガタガネを使ってコンクリートの根本を割ることで掘り出せることがあります。

やり方は、コンクリートの塊を切り離したい場所にレンガタガネを当てて、上から金槌で叩くだけでした。一発で割ろうとせず、場所を調整しながらコンコンと軽く何度か叩いていると、パカっと気持ちよく割れて取り出すことができました。

犬走りや土間コンの本体に傷を付けないように、また怪我をしないように注意が必要ですが、覚えておくと役に立つかもしれません。

STEP

水路と芝生の間に芝生の根止めを入れる

水路を掘り終わったら、水路と芝生の間に芝生の根止めを入れていきます

この後の工程で水路に砕石や砂を敷いて下地を作るのですが、砕石を敷いた後だと根止めが砕石に当たって打ち込みにくいので、根止めは砕石を敷く前に入れるのがポイントです。

芝生の根止めは好みのものを選んで構いませんが、手間や見た目を考えると芝生専用の根止めを購入することをおすすめします。

私は水路の形状が直線なのでプラスチック製の根止めにしましたが、使いやすくて見た目も気に入っています。価格も比較的安い方なので、根止めをどれにするか迷っている人にはおすすめです。

芝生の根止めを入れるときは、実際に水路にレンガを置いてみて、レンガの幅をキープしながら根止めをゴムハンマーで打ち込んでいくと綺麗な直線が出るのでおすすめです。

芝生の根止めの高さは、根止めの上端を芝生の生え際より5mm程度高くすることを目指しました。低すぎると根止めの効果がなくなるし、高すぎると根止めが悪目立ち&排水の邪魔になるので注意してください。

また、水路の端やコーナー部分に根止めの長さが合わないときは、プラスチック用のこぎり等でカットして調整します。ただし、継ぎ目をうまく埋めないと根止めの意味がなくなるので気を付けましょう。

STEP

レンガを仮置きして調整する

芝生の根止めを入れたら、水路全体に実際にレンガを仮置きしてみて、水路の幅に問題がないかどうか・レンガの個数が足りているかどうか等を確認します。

レンガを仮置きする時に、水路のコーナーや端っこの部分などレンガの長さの調整が必要な時は、レンガタガネを使ってレンガを割る必要があります。

レンガを割るときは、まずメジャーか物差しと鉛筆を使って割りたいラインをレンガに書きます。

続いて、ラインに沿ってレンガタガネを擦るように押し当てて溝を軽く削っていきます。レンガの側面・裏面もぐるっと一周やるのがポイントです。

最後に、レンガタガネを溝に当てて、金槌でコンコンと叩くと綺麗に割ることができます。斜めに割ることもできますよ。

金槌で叩く時は、一発で割ろうと強く叩きすぎず、コンコンと軽く叩くのがポイントです。叩く面を変えながら何度もコンコン叩いていると、最終的にパカっと綺麗に割ることができます。

斜めにレンガを割ることもできますので、お好みですが水路の始点を斜めにしてみたいという方は挑戦してみてください。

水路の端から端までレンガの仮置きができたら、レンガの高さ(GL)に問題ないかどうかを再度確認しておきましょう。

繰り返しになりますが、レンガの下に敷く砕石やモルタルの厚みで5cm程度は必要です。それを踏まえて、レンガの上面が芝生より低くなること、雨水の排水先に向かって勾配がついていることを確認します。

後から地面を削り直すのは手間なので、この時点で水路の深さが足りない場合は追加で掘りましょう。勾配はまだ完璧じゃなくて良いですが、ある程度は意識しておいてください。

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砕石と砂を踏み固めて下地を作る

レンガの仮置きで水路を掘る深さに問題がないことを確認したら、一旦レンガを水路から取り外して、水路に砕石を2〜3cm敷き詰めて下地を作っていきます

さらに、砕石の上から砂を薄め(〜1cm)に敷くと、勾配を調整しやすいのでおすすめです。

最終的にはモルタルで勾配を微調整するとはいえ、水路全体の大まかな勾配はこの段階で調整しておく必要があります。

勾配がよく分からなければ、砂の上に水平器を置いて確認してください。水平器は気泡の位置によって傾き(勾配)を調べる道具です。水平器の見方は使用する水平器の種類によっても異なりますので、よく説明書を読んで使ってくださいね。

コツは何度も踏んでよく転圧することです。本当は転圧用の道具を使って突き固めるのが理想ですが、なければ頑張って踏み固めてください。

砕石・砂はホームセンターの建材売場で販売されている、コンクリート用の砕石(バラス)・砂を使います。水路を掘った際に出てきた小石や砂利があれば、ここで使うと処分するのが楽でおすすめです。

また、芝生と根止めの間にも微妙に空間が空いていると思うので、このときに砂を流し込んで隙間を埋めておきましょう。

空間が空いたままだとキワ部分の芝の生育が悪くなったり、水路が曲がったりする原因になりかねないので、こういうところを丁寧に処理することでワンランク上の仕上がりになります。

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モルタルを練る

水路の下地ができたら、いよいよモルタルを作っていきます。

モルタルは、ホームセンターで販売されているセメントと砂と水を練り合わせて作ります。比率はセメントの袋に書いている通りにしてください。

ホームセンターで販売されているセメントには、あらかじめセメントと砂を混ぜ合わせたインスタントセメントという商品と、普通のセメント(ポルトランド普通セメントなど)があります。

水路の距離が短い場合は使いやすいインスタントセメントでも良いですが、割高なので水路が長い場合は普通のセメントの方がおすすめです。

モルタルを練るときはトロ舟か左官用のバケツにセメントと砂を入れてよく混ぜ合わせてから、水を入れて再度混ぜていきます。

一気に水を入れすぎてシャバシャバになると使いにくいので、慣れるまでの間は少しずつ水を足して調整することをおすすめします。

モルタルの固さは“耳たぶくらい”が良いと言われています。よく分からなければ、とりあえずこれぐらいかな?という固さで一度使ってみて、使いにくければ次から調整すれば良いですよ。

モルタルを練る時の注意点としては、モルタルはアルカリ性で手が荒れるので、必ず手袋をして作業してください。

おすすめは薄手で作業の邪魔にならないニトリルゴム手袋です。この手袋は殺虫剤や除草剤などの薬剤を使う時にも使いやすいので、芝活をするならまとめて買っておくと重宝しますよ。

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モルタルでレンガを張る

モルタルを練ったら、モルタルが乾燥してしまう前にレンガを張っていきます。

レンガは水路の端から順に張っていきます。水路で最も重要なのは最終排水先との接続なので、私は水路の下流から張っていきました

レンガを張るときは、一度に全てのモルタルを投入するのではなく、レンガ一枚分ずつモルタルを入れてはレンガを張り、綺麗に調整してから次にいくとスムーズです。

モルタルの量は厚み1〜2cm程度が目安です。大体レンガ一枚分の必要量をドサっと入れてから、レンガの上からゴムハンマーで叩いてレンガとモルタルを密着させます。

ここでモルタルの量が多すぎた場合は一度レンガを外してモルタルを減らし、少な過ぎた場合は同じく足し入れて調整してください。

また、このときにレンガの勾配の最終調整を行います。レンガの下に敷いたモルタルがいい感じに調整剤になってくれるので、勾配を細かく調整することができます。

勾配調整は目測ではなく、必ず水平器を使って行います。レンガ一枚ずつの勾配もそうですが、隣のレンガとの連続性も意識して調整しましょう。

一枚張り終わったら、同じ容量で隣のレンガを貼っていきます。レンガ同士の間隔(目地)は好みにもよりますが、珪砂やドライモルタルお後入れする場合はピッタリつけていっても大丈夫です。

一枚ずつの作業に集中していると全体が見えにくくなるので、時々遠くから水路全体を眺めてみて、水路が歪んでないか・勾配や高さの調整は大丈夫かを確認しながら作業を進めると安心です。

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レンガの目地を埋める

水路の端までレンガを張り終わったら、最後に目地を埋めていきます。今回はドライモルタルで目地を埋めることにしました。

ドライモルタルは、普通セメントと珪砂を左官バケツなどで混ぜて作ります。普通のモルタルと違って水を入れないのでサラサラした砂状になります。

珪砂とは簡単に言うと粒が細かくて大きさが揃っている砂のことです。ホームセンターの建材売り場(セメントなどを売っている近く)で売っています。普通の砂でも使えるのは使えますが、粒の粗い砂が混ざっていると見た目に影響するので気をつけてください。

ドライモルタルを作ったらレンガの上から目地に入れていきます。ブラシやホウキを使って作業するとやりやすいです。

目地にドライモルタルを入れ終わったら、レンガの上からシャワーホースで水をかけます。この水分でモルタルが固まるわけですね。

水をかけるときは、強い水圧ではなくなるべく柔らかく水をかけること、一気に多くの水を流すのではなくほんのちょっとずつかけるのがポイントです。

水をかけ終わったら、モルタルが乾く前にレンガの表面に残ったモルタルをスポンジなどで拭き取ってください。

乾燥すると取れなくなるので最後まで気を抜かないように。綺麗に拭き取ったら今度こそ作業終了です。お疲れ様でした!

季節にもよりますが、モルタルが完全に乾くまでの間(少なくとも一週間ぐらい)はレンガを踏まないように気を付けましょう。

まとめ

レンガとモルタルで作る芝生用水路DIYのまとめです。

  • 芝生の水はけを改善するためには表面排水が重要
  • 芝生の表面排水を確保するには芝生の外周部分に排水用の水路を作るのが有効
  • 芝生の水路をレンガで作るとお洒落でメンテナンスもしやすい
  • モルタル(セメント)を使うのは意外と簡単なのでおすすめ

芝生用の排水路を作るのは大変だけど、難しくはないので庭DIY初心者にもおすすめです。

大雨が降ったときに水路を雨水が流れているのを見るとすごく嬉しくなりますよ!

芝生にできる水たまりに悩んでいるという方は、水路作りに是非挑戦してみてください。



いつもブログをご覧いただきありがとうございます!

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