前回は、ホームセンターで売られているセメント用の砂を実際に芝生の目砂として使ってみた感想をお伝えしました。
今回は、そこで紹介した「砂を洗浄する(洗う)」という話について、もう少し掘り下げて具体的に解説していきます。
こちらがホームセンターで売られているセメント用の砂(コーナンの山砂)です。
やはり園芸用の砂ではありませんので、お世辞にも綺麗な砂とは言えませんね。一言でいうと、小学校の運動場の土のような感じです。この砂を芝生の目砂として使うために、砂を洗ったりふるいにかけたりしていくわけです。
「砂を洗うって何?どうやればいいの?」と思った方は是非最後までご覧ください!
ホームセンターの砂について詳しく知りたい方は前回の記事もあわせて読んでみてくださいね。
ホームセンターの砂の洗い方
まずは、私が実際にやってみた砂の洗い方を紹介します。
1. 砂をふるいにかける
まず、砂を洗う前に、砂をふるいにかけて小石(粗砂)を取り除きます。
ここでは「園芸用のふるい」を使用します。ホームセンターでも販売されていますが、Amazonなどで購入した方が安くて便利です。
園芸用のふるいには網が3種類(荒・中・細)付属しているものが多いですが、砂をふるうときは最も目が細かいもの(網目3㎜程度)を使用します。
砂をふるいにかけるときは、あらかじめ砂を乾燥させておくとすごく簡単にふるいにかけられます。
時間がないときは、砂の袋を開けてすぐふるいにかけても構いません。砂が湿っているとふるいにかけにくいので、砂を一度にたくさん入れずに少しずつふるいにかけるのがコツです。
ふるいに残った小石(粗砂)は、芝生の目砂として使うには粒が大きすぎるので取り除きます。
ちなみに、乾燥状態の砂15.5kgに対して、その内の小石の量は2.5kg(残りの砂が13.0kg)ありました。
砂によって差異はあると思いますが、かなり小石の割合が高いので、ふるいかけは必ずやった方が良いですね。
2. 砂をバケツに入れて洗う
小石(粗砂)を取り除いた砂は、バケツに移して洗っていきます。一度に全部の砂を入れると作業しにくいので、バケツに入れる砂の量は5kg程度までにしましょう。
バケツに砂を入れたら、そこにシャワーホースで水を入れていきます。
ある程度の水を入れたら、砂と水を手で軽くかき混ぜます。底の方にたまっている砂もまんべんなくかき混ぜましょう。
かき混ぜるとすぐにバケツの中の水が泥水になります。
この泥水の中に砂のシルト分(粘土質)や不純物・汚れなどが含まれているので、泥水は流して捨てます。
泥水を捨てると、バケツの砂の上の方に、目の細かいシルト分(粘土質)がたまっていると思います。これは水はけを悪くする原因になるので、すくって取り除きます。
泥水を捨てたら、新しい水を入れてまた洗います。繰り返すごとに水の濁りが少なくなっていきます。
水を10回入れ替えて洗ったあとの砂がこちらです。砂の中の汚れやシルト分が取り除かれて、綺麗な砂になってきました。
何回洗わないといけないという決まりはありませんので、自分の気が済むまで洗いましょう。
できれば10回以上は水を入れ替えて洗うことをおすすめします。
3. 砂を乾燥させる
洗い終わった砂は、湿ったままだと均等に撒きにくく芝生にもなじみにくいので、乾燥させてから芝生の目砂に使います。
乾燥させるときは「トロ舟」または「トロ箱」などと呼ばれるプラスチック製の箱などがあれば便利です。雨に濡れないように天日干しにして乾かしましょう。
砂が大量で、場所の余裕があるときは、ブルーシートを拡げてその上で乾かすと早いですよ。
後日、砂が乾いた状態がこちらです。
砂を洗いにかける前とは、見た目も触ったときのサラサラ感も全くの別物です。
元はまるで「小学校の運動場の土」のようだった砂でしたが、洗いにかけることによって芝生の目砂として問題無く使えそうな砂になりました。
砂を洗った効果は確実にあったことがわかりますね。
なぜ砂を洗う必要があるのか?
砂以外の不純物を取り除くため
一回目の洗いでは、砂を洗った水が泡立つと思います。この泡には、砂に含まれている汚れや、砂以外の不純物が含まれています。水が泡立つということは、それだけ砂が汚れているということですね。
つまり、砂を洗うことによって、砂以外の不純物を取り除くことができるというわけです。
砂の中に含まれている(かもしれない)病原菌や雑草の種子などについては、そもそもどの程度含まれているのか、そして砂を洗うことでどこまで取り除くことができるのかはわかりませんが、砂を洗わずにそのまま使うよりは洗った方が気休めにはなると思います。
シルトを取り除くため
ホームセンターの砂といっても砂の種類は色々ありますが、安い山砂の場合はシルト(沈泥)を多く含んでいる場合があります。シルト(沈泥)が多いと、地面が締まってカチカチになったり、水はけが悪くなる原因になるので、芝生の目砂として使うのであればなるべく取り除くことをおすすめします。
シルトを取り除く簡単な方法が、砂を水洗いすることです。砂に水を入れてかき混ぜると泥水ができますが、この泥水の中には粒子の細かいシルトが多く含まれています。そこで、泥水を捨ててまた新たに水を入れて繰り返すことにより、砂の中のシルトを徐々に減らすことができるのです。
ホームセンターの砂を洗ってみた感想
私が実際にホームセンターの砂を洗ってみた感想ですが、洗い砂としてはやや粒径が粗い(ふるいの目が3㎜程度のため)ですが、芝生の目砂としては問題なく使えるレベルの品質になったと思います。逆に言うと、洗う前のそのままの状態では芝生の目砂には使いたくないと感じました。
では、今後もホームセンターの砂を洗って使うかというと、私はあえてやることはないと思います。
その理由は、単純に砂の価格差に対して、洗浄や乾燥にかかる時間や労力が見合わないからです。ホームセンターの砂を購入して自分で洗浄処理をするぐらいであれば、最初から芝生用の目砂や園芸用の砂として販売されている砂を購入する方がよっぽどコスパが高いと思います。
しかし、「手間とコストをかけずにそこそこの芝生」を目指すのであれば、わざわざ洗ったりせずにホームセンターの砂をそのまま使うのもありです。砂の品質には目をつぶることになりますが、全く使えないということもありません。自分がどういう芝生を目指したいのかによって使い分けてみてはいかがでしょうか。