ウバメガシの生垣をスッキリしたいと思っているけれど、どうしたらいいか分からない方へ。
ウバメガシの生垣は、初心者の方でもDIYで簡単に刈り込み・剪定できるのでご安心ください!
ウバメガシの生垣は、お手入れをどうしたらいいか分からないからといって放っておくと、ボサボサで見苦しいだけではなく、どんどん大きくなって手が付けられなくなってしまうこともあります。
大きくなりすぎたウバメガシは素人の手には負えず、業者に数万円~10万円以上を払って伐採してもらうしかなくなるかもしれません。そうなる前に刈り込み・剪定することが重要です。
この記事では、初心者の方でもできるウバメガシの生垣のお手入れ方法を解説していきますので、ウバメガシの生垣をスッキリしたいという方は是非最後までご覧ください。
ウバメガシの特徴
ウバメガシは関西地方ではよく生垣として使われている木です。
最近の家では管理の問題などから生垣を用いること自体が少なくなってきていますが、今でも住宅街を歩けばウバメガシの生垣をよく見かけますね。
ウバメガシはブナ科コナラ属の常緑樹、いわゆるどんぐりの木なんですが、生垣に用いた場合は花も実もつけないことが珍しくありません。自然樹形で大きく育てればどんぐりが生るらしいです。
ちなみに、うちにあるウバメガシの生垣は一度も実をつけたことがありませんので、どんぐりが生らないからといってウバメガシではないということはありません。
ウバメガシは非常に丈夫で刈り込みにもよく耐える上に、ウバメガシの葉は常緑かつ小型で密に茂ることから生垣に向いた木といえます。
ただし、ウバメガシの幹は硬いので、太い枝を落とすときは剪定鋏やノコギリを使うようにしましょう。
ウバメガシの刈り込み・剪定に適した時期
ウバメガシの生垣はいつ刈り込み・剪定してもOK
結論から言うと、ウバメガシの刈り込み・剪定はいつやっても大丈夫です。
ただし、少なくとも年に1回は刈り込み・剪定することをおすすめします。
ウバメガシの生垣が伸びてきて鬱陶しいなーと思ったタイミングで刈り込み・剪定すればOKです。
ウバメガシは、株元で丸太切りにしても新芽が吹いてくるほど丈夫な木なので、あまり細かいことは気にせずに刈り込み・剪定をしても枯れることはほとんどないでしょう。
ただし、ウバメガシを植え付けた直後などで根が十分に張っていないときに強い剪定をするとダメージを受ける可能性もあるので注意しましょう。植え付けから何年も経ち、既に生垣ができている場合はまず問題ないと思います。
計画的に刈り込み・剪定する場合のおすすめ時期
ウバメガシの生垣を計画的に刈り込み・剪定する場合、おすすめの時期は年2回・初夏(5~6月頃)と秋(9~10月頃)です。
年1回だけ刈り込み・剪定するならば梅雨前後(6~7月頃)にするのがおすすめです。遅くとも7月中には刈り込み・剪定した方が良いと思います。
年1回で済ませる場合は、あまり早く刈り過ぎると刈った後に再び伸びすぎても困るのですが、8月まで放置しておくとボサボサになりすぎる&真夏の庭仕事は人間にとっても過酷なのでおすすめしません。
ウバメガシは春から夏にかけて新枝を盛んに伸ばすので、そのままにしておくと見た目がみっともないだけでなく、生け垣の位置によっては通行の妨げになったり隣地への越境などの問題も出てきかねません。
ウバメガシをボサボサのままにしておくと風通しが悪くなり、うどん粉病や毛虫・クリオオアブラムシなど病害虫が大発生することもあるので、少なくとも年1回は刈り込み・剪定するようにしましょう。
ウバメガシの刈り込み・剪定に必要な道具
ウバメガシの刈り込み・剪定を初めて行う場合は、事前に必要な道具を準備しておきましょう。
生垣バリカン(ヘッジトリマ)
ウバメガシの生垣を刈り込みするためには生垣バリカンは必須です。
生垣バリカンはヘッジトリマ(ヘッジトリマー)と呼ばれることもありますが同じものです。
生垣の大きさにもよりますが、初心者が刈り込み鋏だけで全部刈り込むのは無茶苦茶大変な上に難しいです。バリカンを使った方が簡単に真っ直ぐ刈れますし、労力も時間も半分以下で済みますよ。
私はリョービの電源コード付きの生垣バリカンを使っています。
これでも刈り込むには十分便利なんですが、唯一の問題は電源コードが作業の邪魔になることです。
刈り込み中にバリカンの刃で電源コードを切ってしまうというトラブルはよくあります。写真のように電源コードの中心まで切り込みが入っていると、そのまま使うには危ないので電源コードを買い直さないといけません。
しかし、電源コードを使用しない充電式のバリカンを使えばこの問題は解決します。充電式のバリカンは電源コードが邪魔にならないので、作業面も非常に快適になりますし、電源コードを切ってしまう心配もなく安全です。
充電式は電源式と比べて初期費用が高くなるのが欠点ですが、作業の快適性と安全性を重視する方にはおすすめですよ。私もいつか充電式に買い替えたいと思っています。
刈込鋏
刈込鋏は刈り込み作業の仕上げに使います。
生垣バリカンだけだと、どうしても枝葉の切断面が汚くなることがあるので、細かい部分は刈込鋏を使って仕上げると綺麗に刈り込むことができますよ。
初心者の方には、柄の部分が短いショートハンドルタイプの刈込鋏がおすすめです。
ショートハンドルタイプは取り回しがしやすく、身体に近い部分も刈り込みやすいので便利です。
生垣の高さや奥行きがあるときなど、手を伸ばして刈り込むことが多い場合は、柄が長いタイプが良いでしょう。
ちなみに、私は両方のタイプを持っていますが、ほとんどショートハンドルタイプしか使っていません。
剪定鋏
剪定鋏は直径10mm~20mm程度の太い枝を切るときに使います。
生垣バリカンや刈込鋏では太い枝を切ることはできません。ウバメガシの枝は硬いので、無理にバリカンや刈込鋏で切ろうとすると刃がダメになってしまいます。太い枝を切るときは必ず剪定鋏を使うようにしましょう。
なお、剪定鋏でも切れないような太い枝(幹)を切る場合は、剪定用のノコギリが必要です。
刈り込み・剪定をするときの服装
刈り込み・剪定をするときの服装は、夏であっても長袖長ズボンにしましょう。
動きやすい服であれば専用の作業服でなくても構いません。(例:長袖シャツにジーンズでもOK)
ただし、半袖半ズボンはNGです。蜂や毛虫などの虫さされ以外にも、植物のトゲや樹液でかぶれる可能性もあるので、必ず長袖長ズボンで作業するようにしましょう。
その他では、手袋・帽子・運動靴を身に着けるようにしましょう。
手袋は軍手ではなく厚手の園芸用のものをおすすめします。バリカンを素手で扱うのは絶対NGです。
靴は普通の運動靴でも良いので、足が露出したり簡単に脱げるようなサンダルは絶対に避けましょう。
その他
その他に準備しておくべきものは以下の通りです。
- ノコギリ
- 脚立
- ブルーシート
- 掃除道具
のこぎりは、生垣の大きさを一気に小さくするような強い剪定をする場合に必要です。
脚立は、背が届かないような高いところの刈り込みをする場合に必要です。
ブルーシートは、最初に生垣の下に敷いてから刈り込みをすると掃除しやすくなります。
掃除道具は、刈り込みで出た枝葉を掃除するのに使います。最低限、ホウキ(熊手)とチリトリ(手箕)は準備しておきましょう。
ウバメガシの刈り込み・剪定方法
道具を準備したら、早速ウバメガシの生垣を刈り込んでいきましょう。
今回刈り込むのはこちらのウバメガシの生垣です。
刈り込みをした日付は2022年7月17日です。
四方八方に枝が伸びて大変な見た目になっていますが、生垣バリカンを使えば誰でも簡単にサッパリできますよ。
1. 生垣バリカン(ヘッジトリマ)で刈り込む
まず最初に、生垣バリカン(ヘッジトリマ)を使って刈り込んでいきます。
全体の9割は生垣バリカンで刈り込むと考えてください。細かい部分は後から鋏を使って仕上げますので、最初はあまり細かいことは気にせずバリカンで刈り込みましょう。
生垣バリカンの使い方は、バリカンの刃を生垣に当てた状態で平行に動かしていくだけです。
バリカンが動いているときに触れると大怪我につながりますので、電源がONの状態(電源コードがつながっている状態)では絶対に刃に触らないようにしましょう。
生垣バリカンで刈り込むときのコツは以下の3つです。
- 仕上がりの刈り込みラインをイメージする
- 大胆に刈り込む
- 角をナナメに落とす
1つめのポイントは、仕上がりの刈り込みラインをイメージすることです。
年1~2回以上の刈り込みをしている場合は、前回の剪定後に伸びた枝葉の内側を刈込ラインとしてイメージします。
四角い生垣の場合は直線のライン、丸い刈り込みの場合は曲線のラインをイメージしてください。
あとは、イメージしたラインにそってバリカンを平行に動かして刈り込んでいきます。
2つめのポイントは、大胆に刈り込むことです。
前回の剪定から時間が経つほど元の形がイメージしにくくなりますが、そんなに刈り込んで大丈夫!?っていうぐらい刈り込んでちょうど良いものです。
ウバメガシの古い枝はかなり硬いのでバリカンではなかなか切れません。逆に言うと、バリカンで刈れるぐらいの枝は最近伸びた若い枝なので、全部落とすぐらいの気持ちで大胆に刈り込みましょう。
刈り込みが甘いと、生垣のサイズは年々大きくなっていきます。大きくなりすぎたウバメガシの生垣を小さくするには、ノコギリを使って生垣内部の枝を切り落とすしかないのでとても大変です。意図的に生垣を大きくしたい場合は別ですが、基本的には生垣を大きくしないためにも大胆に刈り込むことをおすすめします。
3つめのポイントは、四角く刈り込む場合は角をナナメに落とすことです。
四角形の辺・角にあたる部分をナナメに刈り込むことによって、文字通り角が取れた柔らかいイメージになります。
また、角をビシっと出す仕上げより、角を落とした仕上げの方が粗が目立ちにくいというのもあります。角を落とすだけでそれっぽく見えやすいので、初心者の方には特におすすめですよ。
2. 剪定鋏で太い枝を剪定する
生垣バリカンで全体を刈り込んだら、次に剪定鋏で太い枝を剪定していきます。
剪定鋏で剪定する枝は主に2つあります。
- 刈り込みラインにはみ出た太い枝
- 生垣の内部で枯れている枝
1つめは、刈り込みラインにはみ出た太い枝です。
生垣バリカンで刈り込んだときにバリカンに当たったものの、バリカンでは落とせないような太い枝があれば剪定鋏を使って剪定しましょう。
2つめは、生垣の内部で枯れている枝です。
特定の枝についている全ての葉が茶色く枯れている場合、枝ごと完全に枯れている可能性が高いです。残念ながら完全に枯れた枝が復活することはありません。
枯れ枝を放っておくと害虫が発生したり、木が弱る原因になるので、見つけたら枝元から切り落としておきましょう。
その他にも、いわゆる“忌み枝”とされる枝などを落として風通しを良くすればより良いでしょうが、そこまでしなくても枯れ枝だけ落としておけば最低限は大丈夫です。
3. 刈込鋏で仕上げる
剪定鋏で太い枝を剪定したら、刈込鋏で仕上げの刈り込みを行います。
バリカンだけでは、どうしても刈り残しの枝があったり、生垣の面がデコボコになったりしがちです。刈込鋏で仕上げるときは綺麗な直線(曲線)を出すように意識しながら刈り込んでいきましょう。
また、バリカンだと枝や葉の切断面が粗く目立つことがありますが、刈込鋏で仕上げることにより綺麗な切断面となりますので、ワンランク上の生垣に見えるようになりますよ。
1~3の工程で刈り込みすることにより、ボサボサだったウバメガシの生垣がサッパリしました。
角をナナメに落とすことによって丸みを帯びたイメージになっていると思います。
初心者でもこれぐらいは簡単にできますので、みなさんも是非やってみてください。
4. 剪定した枝葉を掃除する
最後に、剪定した枝葉を掃除します。
生垣の大きさにもよりますが、かなり大量の枝葉が出るので家庭ごみとして捨てるのも一苦労ですよね。
自治体によっては剪定枝などの処分に制限があることもあるので大変です。
そういうときは、庭のスペースに余裕があればウバメガシの枝葉で腐葉土(雑草堆肥)を作るのもおすすめです。
ウバメガシの枝葉は硬いので分解されるのか不安に思うかもしれませんが、バリカンや刈込鋏で刈り込めるぐらいの細い枝や葉っぱであれば簡単に堆肥化できますよ。
剪定鋏やノコギリで切るような太い枝は、分解するのに時間がかかるので、別で活用または処分してください。
腐葉土(雑草堆肥)の作り方については以下の記事で解説していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
まとめ
初心者向け!ウバメガシの生垣のお手入れ方法@刈り込み・剪定のまとめです。
- ウバメガシの刈り込み・剪定時期はいつでもOK
少なくとも年に1回は刈り込み・剪定しよう - 年2回なら初夏(5~6月頃)と秋(9~10月頃)
年1回なら梅雨前後(6~7月頃)に刈り込むのがおすすめ - ウバメガシの生垣は生垣バリカン(ヘッジトリマ)で刈り込む
ウバメガシは強いのでバリカンで大胆に刈り込んでOK - 生垣バリカンで粗方刈り込んだ後、
細かい部分を剪定鋏と刈込鋏で仕上げると綺麗な生垣になる
ウバメガシは強い木なので、いつ刈り込んでも、大胆に刈り込んでも、大抵のことでは枯れたりしません。
生垣の刈り込みにチャレンジするにはうってつけの木ですので、初めての方も是非挑戦してみてはいかがでしょうか。