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園芸用の川砂を洗ってみた【洗い砂】

今回は、園芸用の川砂を洗って「洗い砂」にすることによって、セメント用の山砂と園芸用の川砂の違いや、園芸用の川砂をわざわざ洗う必要はあるのかどうかを検証してみました。

今回使用する川砂は、DCMグループのホームセンターで販売されている園芸用の川砂10ℓ(税込438円)です。

前回は、ホームセンターで売られているセメント用の砂(コーナンの山砂)をふるいにかけてから洗ってみましたが、セメント用の砂というだけあって小石やシルトがかなり含まれており、そのままでは芝生の目砂としては使いにくい砂でした。

そこで疑問に思ったのが、「セメント用の山砂ではなく園芸用の川砂を洗ったらどうなるんだろう?」ということです。

一般的に、山砂は粘土質(シルト)を多く含んでおり保水性が高いが、川砂は粘土質(シルト)が少なく水はけが良いと言われています。また、セメント用の砂よりも園芸用の砂のほうが粒径が揃っており、小石が少ないイメージがありますがどうなのでしょうか。

実際に園芸用の川砂を洗うことによって検証してみました。前回の記事からの続きになりますので、未読の方は以下のリンクから是非あわせてご覧ください。

目次

園芸用の川砂はどんな砂なのか

今回使用する川砂は、DCMグループのホームセンターで販売されている園芸用の川砂10ℓ(税込438円)です。

DCMグループのオンラインストアには同じ商品がなく、ネット上には他に情報も見当たらないので、パッケージに記載されている以上の情報はわかりません。

パッケージには「観音竹(カンノンチク)・棕櫚竹(シュロチク)・サボテン・盆栽等に」と大きく記載されており、かなり水はけの良い砂ではないかと期待されます。

園芸用の川砂の拡大写真(ふるいかけ・洗い処理前)

砂の色は黒っぽいですが、これは同じ川砂でも産地等によって異なると思います。

砂の粒はホームセンターの砂(セメント用の山砂)より細かく、珪砂5号より粗い感じです。細かすぎず粗すぎず、適度に粒径も揃っていて個人的には好みの砂です。

一目見ただけでホームセンターの砂(セメント用の山砂)とは全然違うことがわかりますね。

セメント用の山砂の拡大写真(ふるいかけ・洗い処理前)

園芸用の川砂は見た目が綺麗なので、すでに洗い処理をされているかもしれませんが、パッケージに記載がないので詳しくはわかりません。加熱殺菌・乾燥・PH調整などの処理はされていないと思われます。

ところで、この川砂はそもそも園芸用として販売されている砂なので、ふるいかけや洗い処理などをせずにそのまま芝生の目砂として使えます。

実際、過去にこの川砂をそのまま芝生の目砂に使ったことがありますが、芝生は順調に成長しています。洗い処理をするのが面倒くさいという場合は、園芸用の砂や芝生専用の目砂を購入すれば安心ですよ。

園芸用の川砂の洗い方

それでは、検証のために園芸用の川砂を洗っていきます。

1. 砂をふるいにかける

まず、砂を洗う前に、砂をふるいにかけて小石(粗砂)を取り除きます。

今回は砂を乾燥させずにふるいにかけたのですが、砂自体がサラサラしており団子になりにくいので、湿った状態でもスムーズにふるいにかけることができました。

前回と同じように園芸用ふるい3mmでふるいにかけたところ、残った小石はたったこれだけでした。

ホームセンターの砂(セメント用の山砂)は砂15.5kgに対して小石2.5kg、全体の約16%が小石でした。

それと比べると、園芸用の川砂に含まれる小石の量は非常に少なく、出荷段階で選別されていることがわかります。

2. 砂をバケツに入れて洗う

続いて、ふるいにかけた砂をバケツに移して、シャワーホースで水を入れて洗っていきます。

砂と水を手でかきまぜると、すぐにバケツの中の水が泥水になります。

この泥水の中に砂のシルト分(粘土質)や不純物・汚れなどが含まれているので、泥水は流して捨てます。

一回目の洗いではホームセンターの砂を洗ったときと大差なく汚れが出ていたので、砂の汚れや不純物はそれなりにあると推測されます。

泥水を捨てたら、新しい水を入れてまた洗います。

繰り返すごとに水が濁りにくく綺麗になっていくのですが、ホームセンターの砂のときと比べて少ない回数で綺麗な水になっていきます。

その理由として考えられるのは、砂の中に含まれるシルト分(粘土質)の量が明らかに少ないことです。

園芸用の川砂には、ホームセンターの砂を洗ったときに見られた、粘っこいシルト分(粘土質)の堆積がほとんどありません。

結果として、ホームセンターの砂よりも少ない回数で簡単に洗い終えることができました。

3. 砂を乾燥させる

洗い終わった砂は、湿ったままだと均等に撒きにくく芝生にもなじみにくいので、乾燥させてから芝生の目砂に使います。

乾燥させるときは「トロ舟」または「トロ箱」などと呼ばれるプラスチック製の箱などがあれば便利です。雨に濡れないように天日干しにして乾かしましょう。

砂が大量で、場所の余裕があるときは、ブルーシートを拡げてその上で乾かすと早いですよ。

園芸用の川砂を洗ってみた感想

建材用の砂と園芸用の砂の違い

今回の検証で一番感じたのは、建材用の砂(セメント用の砂)と園芸用の砂は全然違うということです。

大きく違う点は、①砂の粒の大きさ②砂の粒の揃い方③シルト分(粘土質)の多さ、の三点です。

砂の粒は大きいほど水はけが良くなり、小さいほど水はけが悪くなります。そのため、芝生を含む園芸で使用する砂は、育てたい植物の成長に適した水はけの用土になるように、砂の粒の大きさが適度なサイズで揃っているものが好ましいのです。

一方、セメント用の砂は砂の粒の大きさや揃い方の重要度が低いため、数mm程度の小石が選別されずに含まれていることが多く、砂の粒の大きさも揃っていません。シルト分(粘土質)の多さについては、山砂のほうが川砂よりも多く含まれることも原因の1つとして考えられます。

芝生の目砂として使用する場合、個人の好みや庭の環境にもよりますが、一般的には小石やシルト分(粘土質)が少ない砂が適していると言われます。

セメント用の砂をそのまま芝生に使っても、芝生が育たないということはありませんが、少なくとも建材用の砂よりも園芸用の砂の方が芝生に適しているのは間違いないでしょう。

園芸用の砂をふるいにかけて洗う必要はあるのか?

園芸用の砂をふるいにかけて洗う必要があるのかどうかというと、洗う必要は基本的に無いと考えます。

その理由は、園芸用の砂は最初から園芸用途に適した状態で販売されているからです。

もちろん、商品によって砂の質は全然違いますし、同じ商品であってもロットによって状態が違う可能性もあるので、気になるようであれば自分の手でふるいにかけて洗っても良いと思います。

実際に今回の検証でも、セメント用の砂を洗ったときと比べて洗う前後の変化は少なかったですが、多少なりとも効果があったのは事実です。

ただ、ふるいにかけるのは簡単にできるのでまだしも、洗うとなると手間な上に乾燥にかかる時間もかなり長くなるので、省略できるに越したことはありません。

どちらかというと、自分にとって洗う必要が無いと思えるぐらい高品質の砂を探すことをおすすめします。砂をホームセンターで購入する場合、ホムセンのブランドや地域性によって砂のラインナップは全く異なります。

園芸用の砂といっても品質はピンキリなので、近所のホムセンで候補の砂を何種類か買って試してみるのが一番良いと思います。

なお、粒度が揃っており加熱殺菌処理がされているバロネスの焼砂などは、自分の手でふるいにかけたり洗う必要は全くありません。ネット通販で砂を買うと送料分だけ割高になるのは否めませんが、近所のホムセンで望むような砂が売られていない場合や、多少のコストがかかっても病害リスクを極限まで落としたいという場合は、ネット通販で砂を購入しましょう。

園芸用の砂はコスパが高い

安価なセメント用の砂と園芸用の砂を比べた場合、セメント用の砂のほうがコスパが高いかというと必ずしもそうではありません。むしろ、手間のかからない園芸用の砂のほうがコスパが高いと思います。

セメント用の砂は約14ℓで税込200円~250円ぐらいですが、小石やシルトを取り除いた使える砂の量としては約10ℓぐらいでした。

これに対して、今回使用した園芸用の砂は10ℓ税込438円ですが、小石やシルトのロスがほとんどないことを考えると、園芸用の砂の価格はセメント用の砂の約2倍ということになります。

実際の例で計算すると、例えば芝生面積50㎡に対して厚さ2mmで目砂を入れようとすると、必要な砂の量は100ℓ(0.1㎥)ということになります。セメント用の砂と園芸用の砂をそれぞれ100ℓ購入する場合の価格差は約2,000円です(セメント用の砂は「小石やシルトを取り除いた使える砂の量」として計算)。

この約2,000円という価格差をどう考えるかは人それぞれですが、100ℓの砂をふるいにかけて・洗って・乾燥させる手間と時間を考えれば、私は手間のかからない園芸用の砂を選びます。

値段が安い=コスパが高いというわけではないので、芝生の目砂として使う砂に求める品質や、かけられる手間や時間と相談して、自分にとってベストな選択肢を探してみてください。



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