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【落葉】アオダモが枯れる理由と対策【土壌改良】

アオダモは涼やかで美しい樹形をした非常に人気の高い木です。

シンボルツリーとしてアオダモを植える方も多いですが、まだ夏なのに葉っぱが茶色くなってしまったり、紅葉を迎える前に葉っぱが全部枯れ落ちてしまったという経験はありませんか?

8月下旬に葉っぱが茶色くなったアオダモ
10月中旬に葉っぱがほとんど残っていないアオダモ

これは昨年冬に植え付けした、うちのアオダモですが、まだ8月下旬なのに葉っぱが茶色くなってしまい、紅葉を迎える前にどんどん葉っぱが枯れ落ちていってしまいました。

アオダモは落葉樹なので晩秋の季節には葉っぱが落ち、冬の間は葉っぱがなくなるのが通常ですよね。

しかし、本来であれば緑の元気な葉っぱであるはずの夏の季節に葉っぱが茶色くなってしまったり、紅葉を迎える前に葉っぱが全部枯れ落ちてしまうというのは、アオダモが元気な状態ではなく調子が悪い証拠です。

こうなってしまう原因の一つとして、褐斑病という植物の病気によるものが考えられます。褐斑病そのものは珍しい病気ではなく、アオダモだけでなく多くの草花や果樹などでも見られる病気なので、軽い症状であればあまり深刻に考える必要はありません。

しかし、褐斑病の症状が酷くなり、季節外れに葉っぱが全部枯れ落ちてしまうようであれば注意が必要です。そこまで褐斑病が広がってしまうということは、アオダモ自体が何らかの原因で弱っており、病気にかかりやすくなっている可能性があるからです。

つまり、アオダモが褐斑病にかかって落葉したという結果そのものよりも、褐斑病が広がってしまうほどアオダモの調子が悪い原因の方に問題があると私は考えています。例えば褐斑病に対して殺菌剤を使用したとしても、アオダモの調子が悪い原因の対策を行わない限り、再び褐斑病にかかってしまう可能性は高く、放っておくとアオダモが枯れてしまうこともありえます。

それでは、アオダモの調子が悪くなる原因、アオダモが枯れる原因とは何なのでしょうか?今回は代表的な原因とその対策を、実際に私が行った対策レポートを交えて紹介していきますので、アオダモの夏枯れ・落葉・枝枯れに悩まされているという方は是非最後までご覧ください。

目次

アオダモが枯れる原因

ここでは、アオダモが枯れてしまう代表的な原因を紹介しています。

木が枯れる原因は様々ですので、アオダモの調子が悪いときは順番に確認してみてください。

害虫:テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)の被害

今まで元気だったアオダモが突然枯れてきた場合、まず最初にテッポウムシの被害がないか確認してください。

テッポウムシとはカミキリムシの幼虫のことで、アオダモの他にもミカンやモミジの木などにも発生する厄介な害虫です。

アオダモは一般的に病気や害虫が発生しにくい木だと言われていますが、テッポウムシにだけは注意が必要です。

もし、枯れの原因がテッポウムシだとすると他の原因と対処方法が全く異なること、放っておくと短期間の内に枯れてしまう可能性もあることから、アオダモの調子が悪くなってきたら一番最初にテッポウムシがいないかどうか確認することをおすすめします。


これはゴマダラカミキリというカミキリムシの成虫の写真です。

カミキリムシは成虫も木の葉っぱや樹皮を食べますし、交尾をして卵を産むとテッポウムシの被害も発生するので、カミキリムシを見つけたら直ぐに駆除しましょう。

カミキリムシは木の幹に卵を産み、卵から産まれた幼虫(テッポウムシ)は木の内部を食べながら侵入していきます。

テッポウムシが発生すると、写真のように木の幹や根元におがくずのような木屑が出てきます。

つまり、アオダモの幹や根元に木屑がたまっている場合はテッポウムシが発生していると考えられるので、早急に駆除する必要があります。

テッポウムシの駆除方法としては、(カミキリムシ幼虫)テッポウムシ用の殺虫剤を使用することをおすすめします。

この殺虫剤はスプレーの先端に細いノズルがついており、テッポウムシの侵入穴を探して、そこにノズルを挿し込んでスプレーを噴射するだけでテッポウムシを駆除することができます。

テッポウムシ用の殺虫剤はAmazonなどのネット通販で購入することをおすすめします。

テッポウムシ対策の最大のポイントは、見つけたら直ぐに殺虫剤で駆除することです。時間が経てば経つほど、テッポウムシが木の内部を食い荒らすので、木にダメージを与えることになるからです。

テッポウムシ用の殺虫剤はホームセンターでも販売されているので、被害に気付いたらその足でホームセンターへ買いにいける場合は、もちろんそれがベストです。

でも、日々の仕事や家事などで忙しい中で、いつでもホームセンターに行けるわけではないですよね。しかも、折角ホームセンターに行っても、テッポウムシ用の殺虫剤が売り切れていたり取り扱っていないこともあるかもしれません。

それならば、Amazonなどのネット通販で購入すれば最短翌日には確実に届きますし、わざわざホームセンターへ行く手間も省けて一石二鳥です。

アオダモの幹や根元に木屑がたまっているのを見つけたら、直ぐにネット通販でテッポウムシ用(カミキリムシの幼虫用)の殺虫剤を注文して、テッポウムシを駆除するようにしましょう。

土が硬くて根張りが悪い

次に、アオダモの調子が悪いけどテッポウムシは発生していない場合、庭の環境がアオダモの生育に適していない可能性があります。

アオダモが夏枯れを起こしてしまったり、紅葉を迎える前に葉っぱが全部枯れ落ちてしまう場合も、庭の環境がアオダモの生育に適していないことが原因かもしれません。

この場合は様々な理由が考えられますが、アオダモを植えた土壌に問題があるということが多いです。中でも典型的なものは、土が硬くてアオダモの根張りが悪いことによる生育不良です。

硬い粘土質の土壌

一般的な住宅地の庭の土は、家を建てるときに重機で転圧されていたり、ガチガチの真砂土や粘土質の土壌であることが少なくありません。このような土は家を建てるのには適していても、アオダモのような木を育てるには向いていません。

土が硬くてガチガチだと、アオダモが根っこを伸ばすことができず、根張りが悪くなるので木の調子も悪くなってしまうのです。アオダモに限らず、植物を元気に育てるためには根っこの成長が欠かせません。アオダモを植える前にはしっかりと土壌改良してから植えるようにしましょう。

根腐れを起こしている

アオダモを植えた土壌に問題があるケースとしては、土壌の水はけの悪さによりアオダモが根腐れを起こしている場合もあります。

土中に滞水している状態
粘土質の土壌

根腐れとは植物の根っこが腐った状態のことであり、土の通気性や排水性が悪いと根腐れしやすくなります。

アオダモは水はけが悪い環境を嫌う性質がありますので、粘土質の土壌など水はけが悪い場所にアオダモを植えるときは、事前に土壌改良を行ったり高植えにするなどの対策を行う必要があります。

また、穴を掘ったら水が出てくるような地下水位が高い場所では、単純に植穴の周りの土を入れ替えただけでは解決しないことが多く、より抜本的な対策を行う必要があります。詳しくは以下の記事で解説していますので、よかったらあわせてご覧ください。

直射日光が強すぎて乾燥している

アオダモの葉っぱが紅葉せず、9~10月頃までに枯れ落ちてしまう場合、直射日光が強すぎて乾燥していることが原因の一つである可能性があります。

アオダモは乾燥に弱く、夏の直射日光(特に西日)を嫌うと言われています。アオダモが若木のあいだや植え替えした直後など、根っこが十分に成長していない時期は乾燥や強い直射日光に注意する必要があります。

また、硬い土壌などによりアオダモの根っこの成長が悪いと、より直射日光に弱くなってしまいます。このように、実際には原因が複合的な場合もよくあります。

アオダモを枯らさないための対策

続いて、既に植えてあるアオダモを枯らさないための対策を紹介します。

なお、枯れの原因がテッポウムシによる場合の対策は前述の通り、殺虫剤を使うのがおすすめです。

ここからは庭の環境に原因がある場合の対策を解説していきたいと思います。

土壌改良

アオダモの調子が悪い原因が土壌にある場合、対策としては土壌改良が必要です。

もし可能であれば、好条件の場所にアオダモを植え替えたり、アオダモを一旦抜いて一から土壌改良をやり直すのが一番ですが、現実的にはそんなことはなかなかできませんよね。

木を抜かずに土壌改良をする方法としては、木の周りに穴を掘って堆肥や肥料を入れたり、地表を腐葉土やバーク堆肥などでマルチングをする方法などがあります。

また、土中の通気性や排水性を高めるためには、深い縦穴を掘ることによって土の中の空気や水の流れを作ることも有効です。これは「通気浸透水脈」の考え方によるものであり、具体的な実践レポートは以下で詳しく解説します。

日差しを和らげる

アオダモの調子が悪い原因が強すぎる直射日光にある場合、対策としては日差しを和らげる必要があります。

具体的には、株元の土が露出しないようにバーク堆肥で地表を覆う(マルチングする)ことや、西日が直接当たらないように遮光ネットや簾(すだれ)などで日差しを和らげる方法があります。

遮光ネットや簾を使う場合、アオダモの木全体を覆う必要はなく、株元の部分を覆うだけでも効果がありますよ。

また、アオダモがしっかり根付いてしまえば多少の乾燥や直射日光で枯れるということはありませんので、アオダモの成長を促すという意味では土壌改良も同時に行うと良いかもしれませんね。

枯れそうなアオダモを復活させるための土壌改良

土壌改良に必要なもの

土壌改良を始める前に必要な道具や資材を確認して、足りないものがあれば購入しておきましょう。

  • 土壌改良資材
    • 炭(ポーラス竹炭+籾殻燻炭)
    • 有機物(落ち葉・藁・バーク堆肥など)
    • 剪定枝
    • カルスNC-R
  • ダブルスコップ(複式ショベル)
  • 剣先スコップ
  • 園芸用手袋・長靴など

各資材や工具の詳しい解説や入手方法については以下の記事をご覧ください。

土壌改良資材は色んな物がありますが、おすすめは炭と有機物を組み合わせて使用することです。

炭はポーラス竹炭と籾殻燻炭をブレンドして使います。有機物は落ち葉、藁、バーク堆肥など入手しやすいものでOKです。その他、庭から出た石(砂利なども含む)や剪定枝があれば重宝するので、庭DIY・土壌改良用に確保しておくのもおすすめですよ。

また、今回は家庭菜園で試してみて効果があった「カルスNC-R」も使ってみたいと思います。「カルスNC-R」は必須というわけではないので省略しても結構ですが、菌や微生物の力で土壌改良をするというコンセプトに合致しているので、良い効果があるのではないかと期待しています。

カルスNC-Rの使い方についてはこちらをご覧ください。

工具類では、縦穴を掘るためにダブルスコップ(複式ショベル)を使用します。土壌改良や庭DIYをするならダブルスコップが活躍する機会は意外と多いので、思い切って買っておくと作業がスムーズに進みますよ。むしろダブルスコップが無いと超しんどいので購入することをおすすめします。

その他は、通常使用する剣先スコップ・園芸用手袋・長靴などを用意しておきましょう。

土壌改良の実践レポート

ここからは、私が実際に行った土壌改良の実践レポートを詳しくお伝えしていきます。

中央左側の木が、今回土壌改良を行うアオダモの木です。

この雑木エリアは土を盛って築山(つきやま)にしており、手前側の芝生エリアに向かって下り傾斜になっています。

土壌改良の方法は、アオダモの株元周囲にスコップで穴を掘り、土壌改良資材を混ぜ込みます。

水や空気の流れを考えて、今回は斜面の下側にあたる水色のラインを削り、ふかふかの土に改良していきます。

第一に、剣先スコップを使って斜面を削ります。

作業の妨げになる下草は丁寧に掘り上げて(後程植え直します)、水色のラインをイメージしながら土を削り取っていきます。

削る土の量は地形にもよりますが、今回は斜面の上側からみて20cmほどの深さまで全体を削りました。

土を削る位置は、木に近すぎると根っこを痛めてしまいますし、遠すぎると土壌改良の効果が薄くなってしまいます。

今回は細かい根っこが出てくるぐらいの位置を削ることにしました。

もし掘り辛いほど根っこが多い(または太い)場合は掘る位置が近すぎます。全く根っこが無い場合は掘る位置が遠すぎるので、ためしに少し掘ってから調整してみてください。

第二に、ダブルスコップ(複式ショベル)を使って、斜面を削ったラインの下に深い縦穴を掘ります。

この縦穴には、地中深くまで空気や水を届けるという重要な役割があります。

土中の空気や水が縦穴に向かって動くので、アオダモの根っこも縦穴に向かって伸びる=アオダモの根っこの成長を促す効果が期待できるのです。

縦穴を掘る場所・数は任意ですが、地形の変わり目や水を誘導したい場所を意識して決めます。今回はラインの両端2箇所に縦穴を掘りました。

縦穴の深さはなるべく50cm以上は掘りましょう。水はけの悪い粘土層や硬い地層を掘り抜いて、地下の通水層(水はけの良い砂礫土層)まで掘るのが理想ですが、難しい場合は掘れる範囲で掘ってください。

極端に水はけが悪い場所や、地下水位が高く土中に滞水している土地では、縦穴を掘っている内に水が湧いてくることがあります。この場合、通水層まで穴を掘って地下へ水を浸透させるのが理想的ですが、難しそうな場合はそれ以上掘らずに砕石を多めに埋め戻すことをおすすめします。

第三に、掘り終わった穴に土壌改良資材を入れて埋め戻していきます。

穴を掘っている間に出てきた石や瓦礫などがあれば穴の底に入れて、その上から炭を入れていきます。炭は多孔質で土壌改良効果が高いのでおすすめの資材です。

炭は竹炭(ポーラス竹炭)と籾殻燻炭を1:2の割合でブレンドしたものを使っています。ポーラス竹炭について詳しくはこちらをご覧ください。

次に、剪定枝を縦向きに挿し込み、間に石や落ち葉などの有機物を絡ませていきます。家庭菜園の残渣や、庭から出た雑草、市販のバーク堆肥や腐葉土などでも構いません。

コツはぎゅうぎゅうに詰め込むのではなく、穴の中に適度な空間を保つようにしていくことです。

また、途中で炭やカルスNC-Rをまぶしながら作業を進めると、より効果的でしょう。

縦穴を埋め終わったら、続いて斜面を削ったラインを埋め戻していきます。

斜面を削ったラインの底の部分には、炭・有機物・カルスを適度に混ぜたものを敷きます。

第四に、土留めの柵を作って斜面を整えます。

このまま有機物を積み重ねていっても、雨や風で飛んでいってしまうので、剪定枝などを使って土留めの“しがら柵”を作ります。

作り方は簡単で、枝を適当な長さにカットして、杭として地面に縦向きに挿し込みます。あとは杭と杭の間に枝などを横向きに並べて柵を作るだけです。

人が踏み入るような場所であれば別ですが、今回の場所ぐらいの大きさであれば柵の強度はあまり気にしなくても良いでしょう。

柵を組んだら、柵の裏側から炭・有機物・カルスを入れて、積み重ねていきます。

ここでもぎゅうぎゅうに詰め込むのではなく、適度な空間を保ちながら積み重ねていくと良いでしょう。

穴を掘ったときに出た土も、バランスを見ながら適宜入れていきます。

最後は全体のバランスを見ながら、斜面の形を整えて作業完了です。

作業後の全体像はこんな感じになりました。

しがら柵の良いところは、身近な材料を使って土留めが作れることと、通気性や透水性に優れており植物の根の成長に良い効果が期待できることなどがあります。

しがら柵については以下の記事でも解説していますので、DIYしてみようと思う方はあわせて読んでみてください。

【追伸】最初に柵を作ったときは、用意していた剪定枝の量が足りなかったので、後日さつまいもの蔓を使って柵を大きくしました。

このように、今回紹介した材料が用意できない場合は、身近なもので代用してもいいですし、後日やり直しても構いません。まずは気軽にやってみてください。

穴を掘ったときに出てきた土を再利用するかどうかについてですが、グライ化した土(水はけが悪い場所などで出てくる青灰色で臭い土)や極端な粘土質の土は再利用せず処分することをおすすめします。通常の土であれば再利用しても問題ありませんが、気になるようであれば市販の培養土や赤玉土などと入れ替えても良いでしょう。

まとめ

アオダモが枯れる理由と対策のまとめです。

  1. アオダモが突然枯れてきた場合は、まずテッポウムシがいないかどうか確認する。
    テッポウムシがいる場合の対策は、速やかに殺虫剤を使用すること。
  2. アオダモの調子が悪いけどテッポウムシはいない場合、
    庭の環境がアオダモの成長に適していない可能性が考えられる。
  3. 土が硬くてアオダモの根張りが悪い、
    水はけが悪くてアオダモが根腐れを起こしている場合の対策は、
    アオダモの周りに穴を掘って土壌改良すること。
  4. 日差しが強すぎて乾燥している場合の対策は、
    アオダモの株元に直射日光が当たらないように遮光すること。

アオダモの調子が悪くなる原因は様々ですが、直ぐに気付いて対策をすれば再び元気になってくれる可能性は十分にあります。そういう意味では、愛情をもって植物の様子を日々観察することが一番の対策かもしれませんね。

折角植えた木が枯れてしまうと非常に悲しい思いをしますので、少しでも参考にしてもらえれば幸いです。



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