が出てくるほど水はけの悪い庭を、緑がいっぱいの雑木の庭にするために、『大地の再生』通気浸透水脈の考え方を取り入れた土壌改良をDIYで行います。はたして素人でもDIYはできるのか、雑木は健康に育ってくれるのか、『通気浸透水脈DIY』シリーズとしてお送りします。
前回、築山をバーク堆肥でマルチングしたのですが、雨風でバークが少し流出してしまいました。
薄々気付いてはいましたが、ばらまいたバーク堆肥を上から踏む程度では安定しないようです。
下草や木の根っこが成長すれば土留めとして機能してくれるのですが、このままではその前に禿山になってしまいそうです。
そこで、今回は土留めのために、剪定枝を用いた「しがら柵」を作っていきたいと思います。
しがら柵とは?
「しがら柵(しがらさく)」とは「木杭と竹や剪定枝などで作る柵」のことで、昔から土留めや護岸などに利用されてきた工法です。
「粗朶柵(そださく)」とか「しがら組み」などと呼ぶこともあるようです。
今回は、実家の柿の木を剪定した時に残しておいた剪定枝を使って、ミニサイズのしがら柵を作ります。
大地の再生や通気浸透水脈を知る前の私は、剪定枝なんて捨てるのが面倒なゴミとしか思っていませんでした。
でも、今では剪定枝や落ち葉はゴミではなく大切な資源であることを学び、DIYに活用しています。
環境にも良いし、ローコストで財布にも嬉しい。それに色々工夫してDIYするのは楽しいものですね。
しがら柵の作り方
柵を作る範囲が決まったら、まず最初に斜面を垂直に掘り下げていきます。
残土で作った築山なので粘土質の土ですが、耕運機で耕して砂とバーク堆肥を混ぜ込んだことで以前よりは土が柔らかくなっており、ショベルでサクサクと掘ることができました。
次に、木杭を打ち込む穴を掘り、そこに木杭を打ち込んでいきます。
今回はミニサイズのしがら柵なので、太めの剪定枝を30cmほどにカットして木杭にしました。
穴は間隔30cm・深さ10cmほど掘ります。このサイズならスコップで楽々です。
穴の間隔と深さは、しがら柵の大きさによって変わってくるので適宜調整してください。
穴を掘ったら、木杭をハンマーで打ち込んだ後、穴に砕石や土を入れて踏み固めておきましょう。
木杭の設置ができたら、木杭と斜面の間に剪定枝(粗朶)を組み込んでいきます。
手前側に太い枝や長い枝を組み、奥側に細い枝や短い枝を入れるとこぼれにくいですよ。
剪定枝を組み終わったら、上からバーク堆肥を被せて、しがら柵の完成です。
手持ちの剪定枝は全部投入したものの、あらためて見直すと柵の高さが足りない気がしてきました…
少し様子を見て、土留め機能が働かないようなら手直しすることにします。
剪定枝を使ったしがら柵はかなりワイルドな雰囲気ですが、竹を使えばもっとスマートになります。
見た目はともかく、大型のしがら柵(幅数メートル~)は竹の方が施工しやすいと思います。
しがら柵の効果
木の枝や竹で作られたしがら柵は、隙間がたくさんあるので土留めの機能を果たしながらも空気や水を通します。しがら柵に向かって植物の根が発達し、健全な土壌へと育つことが期待できます。
しがら柵はいずれ朽ちて土へ還りますが、その頃には植物が土留め機能を果たしてくれるのです。
一方、コンクリートの土留めは頑丈ですが、空気や水を通さないので土中の通気性や浸透性を損ないます。どちらが良いというよりは、適材適所で使い分けできれば良いですね。
築山の土留めには、芝生や玉竜などのグラウンドカバーを植えたり、石を積むといった方法もありますが、選択肢の一つとしてしがら柵というのも面白いのではないでしょうか。