庭DIY初心者でもできる芝生のための土壌改良

芝生を初めて植える予定の方、まさか地面の上に芝生を並べるだけで終わりと思っている人はいませんよね?

それでは芝生は育ちません!綺麗な芝生を作るためには、芝張りをする前に土壌改良することが必要です。

今回は、庭DIY初心者でもできる芝生のための土壌改良を解説していきます。

土壌改良と言われても何をすればいいのかわからないよ、という方は是非最後までお付き合いください。

目次

芝生の土壌改良とは

なぜ土壌改良が必要なのか

そもそもなぜ芝張りをする前に土壌改良が必要なのでしょうか。

それは、一般的な住宅地の庭の土は、住宅を建設するために重機でガチガチに転圧されていたり、石やガラが埋まっていることが多く、そのままの状態では芝生の育成に適していないからです。

花壇に花を植えたり、家庭菜園で野菜を育てる時は、土を耕して堆肥を入れて準備しますよね。つい忘れがちなんですが、芝生も植物ですから、芝生を張る前には芝生が育ちやすい環境を整えてあげる必要があるのは同じなんです。

表面排水と地下排水

芝生は水はけが良い環境を好む植物です。雨が降ったら庭に水溜まりができるなど、庭の水はけが悪いことに悩んでいる方は多いと思いますが、芝生を張るためには土壌改良で水はけを良くすることが大切です。

庭の水はけが悪いのは、水が庭から敷地外へうまく排水されないことが原因なので、表面排水と地下排水の2つに分けて対策を行います。庭DIYをするのであれば、どちらも非常に重要なのでこの機会に覚えておいてください。

表面排水とは、地表に水が溜まらないように、地面に高低差をつけて水が流れるようにして排水する方法です。排水先となる水路や雨水桝などに向かって、1~3%の傾斜(水勾配)をつけると良いとされています。

地下排水とは、地中に水が溜まらないように、土に砂や堆肥などの土壌改良資材を投入して透水性を高めたり、暗渠排水管を埋設して排水機能を強化する方法です。

土壌改良せずに芝張りするとどうなるのか

土壌改良せずに芝張りすると、芝生がうまく育たないので綺麗な芝生になりません。

私は最初に芝張りをしたとき、土壌改良をせずに芝生を植えてしまった結果、芝生がうまく育たずに未だに悩まされています。

芝生を今回植えるときに、既存の芝生を一部剥がしてみたのですが、地面の下はこんな状態になっていました。

地表から3cm下から延々とガチガチの粘土層が続いています。この粘土層はほとんど水を通さない不透水層になっており、芝生の根っこも伸びていませんでした。

植物は根っこを伸ばせないと成長しませんので、こんな土壌では芝生がうまく育たくても当然ですよね。

芝張りをした後から土壌改良をしようと思ったら、今回のように芝生を剥がしてから土壌改良を行い、再度芝生を張り直さなければなりません。これは非常に大変な作業なので、最初に芝張りする前にしっかり土壌改良しておくことが重要です。

土壌改良の重要性がわかったところで、次からは具体的な土壌改良の手順を説明していきます。

土壌改良のDIY手順説明

芝生を今回植えるのはこの場所です。

早春の季節とはいえ、土が剥き出しの状態なのに雑草があまり生えていないのがわかりますか?

元々が粘土質の土地の上、真砂土を入れて転圧しているので、雑草すらロクに生えない状態になっています。

このまま土の上に芝生を並べても、当然ながら上手く育ちませんので、土壌改良を行う必要があります。

枯れ芝の季節なので写真ではわかりにくいですが、右側のエリアは既に芝生を張ってあるので、土壌改良を行うのは赤線で囲ったエリアになります。

最初に言っておきますが、土壌改良は時間的にも労力的にも大変な作業です。天候にも左右されます。

芝生を買ってきてから土壌改良するのではなく、あらかじめ土壌改良をしてから芝生を買うことをおすすめします。

1. 耕す

まず最初に、転圧されて固まった土を耕します。住宅地の庭は、固く転圧されていることが多いので、そのまま土の上に芝生を並べても根付きません。

土は最低でも深さ10cm以上は耕してください。

出来ることならば深さ30cmぐらいまで耕せれば理想的ですが、手掘りするのは困難を極めます。

しかし、家庭用耕運機があれば耕すのが圧倒的に楽です。

うちで使っている耕運機は『京セラ(旧リョービ)電気カルチベータ ACV-1500』です。最大耕深28cmまで耕せるので芝生の土壌改良にもピッタリですよ。

耕運機については以下の記事で細かく解説しています。

注意点として、水道・電気・ガス等の配管が埋まっている場所では、耕運機を使ってはいけません。

配管を傷つけると大変なので、剣先スコップなどを使って慎重に掘りましょう。

粘土質の土地を耕すコツはありますか?

ひどい粘土の場合は、鍬で耕すイメージではなく、剣先スコップで掘り出しましょう。

粘土質の土地を耕していると、粘土の塊や粘土層が出てくることがありますよね。

耕運機や鍬を使って、粘土の塊や粘土層を耕すこともできなくはないですが、剣先スコップで掘り出す方が早いです。

ターゲットの少し横の掘りやすそうな場所を狙って剣先スコップを突き刺し、てこの原理で体重をかけてボコッと掘り出します。

石やガラが出てきたときも同じ方法で掘り出しましょう。

2. 石や土の塊などを取り除く

土を耕していると石が出てきます。

石は芝生の根の成長の邪魔になるので除去します。

また、粘土質の土地の場合は、地中に土の塊や硬い地層が出来ていることが多いです。押しても崩れないような土の塊や地層は、石と同じく根の成長の邪魔になります。

こういう粘土の塊は、再利用を諦めて廃棄しましょう。

石や土の塊はどこまで取り除けばいいですか?

可能であれば、砂利サイズ(1~2cm程度)以上の石や土の塊は取り除いてください。

最初に大きい石や土の塊を取り除いたら、残りはふるいにかけると良いです。

ふるいに残った石や土の塊は捨ててください。

ふるいにかけた後の土は庭に戻して再利用します。


めんどくさいと思う方は、せめて唐揚げサイズ(5cm程度)以上の石や土の塊だけでも取り除いてください。

全ての土をふるいにかけなくても、レーキなどを使って大きい塊だけ拾い出しても構いません。

細かく取り除くほどに土は良くなるので、自分がどこまで拘るかで判断しましょう。

粘土の塊を砕いて再利用できませんか?

粘土の塊を砕くのは、大変な割に得られるものが少ないので、おすすめしません。

いくら粘土の塊を細かく砕いて、見た目はふかふかの土になったとしても、雨が降ったら一瞬でドロドロに戻ってしまいます。

粘土質の土壌の場合、ある程度は砂や堆肥などと入れ替えないと水はけが改善しないので、いずれにしても一定量の粘土は捨てる必要があります。(粘土を捨てずに砂などを入れるだけでは地面の高さが上がってしまう)

というわけで、粘土の塊は再利用することを考えずに、最初から捨てた方が良いです。

3. 土壌改良資材を追加する

粘土質の庭の水はけを改善するために、庭の土に砂や堆肥などの土壌改良資材を追加します。

芝生初心者の方は、とりあえず砂とバーク堆肥を追加することをおすすめします。

まず、砂は必須です。

粘土質の土に砂を入れると水はけが改善します。

砂は値段の高い芝生用の目砂でなくても、ホームセンターに売っている安い砂で十分です。

続いて堆肥ですが、入手しやすく安価なバーク堆肥がおすすめです。バーク堆肥は排水性と保水性・保肥性を高める効果が期待できます。

有機資材の中では、籾殻や調整済ピートモスもおすすめですが、シンプルにバーク堆肥のみでも問題ありません。

また、芝生はPH6.0~6.5の弱酸性を好むため、酸性に偏りすぎている場合は有機石灰などを適宜入れましょう。

ただし、石灰を入れすぎてアルカリ性に傾くと生育が悪くなるので注意しましょう。

よくわからなければ石灰は省略してもOKです。

土壌改良資材を撒いたら耕運機や鍬などを使って鋤き込みます。このときも耕運機があると圧倒的に楽です。

狭い場所や障害物の周りなど、耕運機や鍬を使いにくい場合は、トロ舟(バケツ)などで混ぜてから入れても良いでしょう。

砂や堆肥はどれぐらいの量を入れますか?

芝生初心者の方は、土全体の量に対して、砂1割以上、堆肥1割をおすすめします。

参考までに、私が今回の土壌改良に使った量は以下の通りです。

芝張り面積は約5㎡ 土を耕した深さは約15~20cm

セメント用の砂70ℓ(20kg×7袋=140kg)、バーク堆肥40ℓ、籾殻40ℓ、有機石灰適量

仮に深さ15cmまで耕した場合、土の総量は5㎡×15cm=0.75㎥=750ℓです。この750ℓに対して砂70ℓと堆肥80ℓ(バーク堆肥と籾殻)なので、それぞれ1割前後の比率になる計算です。

砂は多く入れた分だけ水はけは良くなります。粘土質が強い土であれば最大5割の砂を入れることもあるようですが、砂の量を増やせば増やすだけ作業が大変になります。

仮に今回のケースで砂の比率を5割にしようと思ったら、砂を750ℓ×0.5=375ℓ=750kg入れて、元の庭の土を同じ量だけ捨てる必要があります。すなわち、1袋20kgの砂を38袋買ってきて、土嚢袋38袋分の庭の土を捨てることになります。※わかりやすいように計算を簡略化しています。

たった5㎡の芝張りでこの量なので、もし20㎡の芝張りをしようと思ったら砂を約3トン入れて、庭の土を約3トン捨てる計算になります。これはもう相当の芝生マニアか業者でもなければ不可能です。しかし、砂の比率を1割にすれば必要量は1/5で済みます。

砂を1割入れるだけでも、水はけはそこそこ良くなります。粘土質が強い場合はもっと砂が必要になることもあるので、そこは様子を見ながら砂の量を増やしていきましょう。

また、芝生の生育に拘る場合は、黒土・ゼオライト・パーライト・バーミキュライト・微生物資材などを投入するのも有効です。

ホームセンターで売られている「芝生用の床土」は土壌改良に使えますか?

もちろん使えますが、割高なのでおすすめはしません。

砂や堆肥を買ってきて庭の土に混ぜた方が圧倒的に安く済みます。

市販されている「芝生用の床土」は、土・砂・堆肥などで構成されており、最初から芝生の生育に適した内容に調整されていることが多く、基本的には庭の土を捨てて「芝生用の床土」に置き換えるという使い方をします。

一部だけ芝生を張り替えたいときなどに利用すると便利ですが、広い面積に芝張りをするときに使うと割高になるのがデメリットです。

深さ15cmまで耕す場合、1㎡あたり150ℓの土が必要です。仮に「芝生用の床土」1袋15ℓが500円とすると、1㎡あたり500円×10袋=5,000円のコストがかかります。

4. 均す(ならす)

土ができたら、表面排水を意識しながら地面の表面を均していきます。道具はレーキがあると便利です。

写真では、右上の水抜き穴から水路へ排水するので、そこが低くなるように勾配をつけています。

細かい勾配調整は芝生を張るときにするので、この段階では大体できていればOKです。

5. 踏み固める

均し終わったら、踏んでも沈み込まない(足跡が残らない)程度まで、土を踏み固めます(転圧します)。

土を踏み固めるときは、平らな板を使うと便利です。

せっかく耕したのに、わざわざ踏み固めるのはなぜですか?

踏み固めておかないと、後から芝生の上を歩いたときに沈み込むからです。

地面が沈み込んでデコボコになるのを避けるため、芝生を張る前に踏み固めておくというわけです。

重機を使ってガチガチに転圧するのと違い、人の体重で踏み固めるぐらいであれば芝生の生育には問題ありませんのでご安心ください。

まとめ

最後に、庭DIY初心者でもできる芝生のための土壌改良のまとめです。

  1. 土は深さ10cm以上耕す
  2. 石や土の塊はできるだけ取り除く
  3. 砂とバーク堆肥を混ぜ込む
  4. 表面排水を意識して地面を均す
  5. 踏んでも沈み込まない程度まで土を踏み固める
  6. 土壌改良が終わってから芝生を買いに行く

土壌改良は大変な作業ですが、手順通りにすれば庭DIY初心者でもやることができます。

少しでも楽に土壌改良したいという方は、家庭用耕運機の購入を検討してみてはいかがでしょうか。おすすめの耕運機は1.5~4万円ぐらいしますが、プロの土木業者に土壌改良を頼んだら数十万円かかることを考えれば、DIYで済ませるためには安い出費かもしれません。

耕運機については以下の記事にも詳しく記載しています。

土壌改良の流れはわかりましたでしょうか?

最初にしっかり土壌改良をしておけば、憧れの芝生ライフがグッと近づきますので、頑張ってやりましょう!



いつもブログをご覧いただきありがとうございます!

↓私が庭DIYや芝生管理で実際に使っている“おすすめ製品まとめ”はこちら↓

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