芝生を張ってから3ヵ月目というと芝生がかなり成長してくる時期です。早ければ全面被覆が完成したという場合もあれば、なかなか芝生が思うように育ってくれない場合もあり、個人差が大きくなってくる時期でもあります。
芝生の品種や庭の環境によって芝生の生育は異なるので、「同じ時期にTM9を張った人の芝生はどれぐらい成長しているんだろう?」と気になりますよね。また、「芝生がなかなか綺麗にならないけど、どうすればいいんだろう?」と悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。
そんなときは、実際にTM9の芝張りをした人の記録を見るのが一番参考になりますよね。実際、我が家のTM9にはトラブルが発生して対策を行った時期でもありますので、詳しく紹介していきたいと思います。
TM9芝張り後の成長記録@前回までのおさらい
はじめに、芝張りから2ヵ月目の成長記録のおさらいです。
30日目の時点では芝生の芽がまだ生え揃っておらずスカスカの状態でしたが、日を追う毎に芝生がどんどん成長している様子がわかります。芝生の中央エリアの生育が比較的悪く、写真でも密度が低い状態であることが気がかりですが…全体的に60日目の時点では芝生の密度もかなり上がってきました。詳細については前回の記事をご覧ください。
TM9芝張り後の成長記録@3ヵ月目
それでは、TM9芝張りから3ヵ月目の成長記録を見ていきましょう。
<10日毎の成長記録>
3ヵ月目の芝生は思うように成長してくれず、足踏み状態が続いていました。以前から芝生の中央エリアの生育が比較的悪いことが気になっていましたが、3ヵ月目になっても改善しないどころか不調ゾーンが広がってきたのです。
(不調ゾーンの拡大写真)
全体的にハゲが目立つ上に、芝生の葉の色も全体的に悪く、部分的には枯れているところも見られます。
芝生を観察した結果、害虫の被害による影響が考えられたので、詳細は後述しますが6月3日に殺虫剤を散布しました。その後、芝生の不調は広がらず回復傾向にあるように見えます。今後も見守っていく必要はありますが、順調にいけば梅雨明けには芝生のハゲが埋まって全面緑になってくれるかもしれませんね。
続いて、1日毎の成長記録と対象期間の気温推移を細かく見ていきたいと思います。
<1日毎の成長記録>
5月は気温・日照時間は平年並み、降水量は平年よりやや少なめでしたが、全体的には平年並みの気候でした。5月下旬~6月上旬は最高気温25℃前後で推移しており、本来であれば芝生が成長するには良好な環境だったのではないでしょうか。
関西地方は6月14日に平年より8日遅れで梅雨入りしました。梅雨の時期は日照時間の不足や、多雨による芝生の病害や苔やキノコの発生など負の影響もありますが、芝張りしたばかりの場合は水やりの回数が少なくすむなどのメリットもあります。
梅雨を経て真夏になれば、高麗芝などの暖地型日本芝にとって成長のピークを迎える時期ですので、それを楽しみに芝生を見守っていきたいところですね。
TM9芝張り後のお手入れ@3ヵ月目
一般的に、芝張りから3ヵ月目には水やり・芝刈り・肥料など平常運転を開始しても問題ありません。芝生の状態を見ながらお手入れをしていきましょう。
水やり
芝張りから3ヵ月目は毎日の水やりをやめ、芝生の状態を見て水やりをする方針に切り替えました。
芝生が根付いた後は毎日水やりをする必要はないのですが、乾燥して弱らせるぐらいなら多めに水やりをした方が芝生は元気に育ちます。芝生表面の砂(目土)の状態を確認して、前日の水やりや雨が降って湿っているようなら水やりしなくても大丈夫ですが、乾いているようであれば水やりをしています。これからの梅雨の時期であればほぼ水やりは必要ないと思います。
芝生に限らず、植物の水管理は「水やり三年」という言葉があるぐらい難しいものです。お住まいの地域や庭の環境によっても最適な水やりの頻度や量は変わってきますので、自分の芝生をよく観察して判断することをおすすめします。
芝刈り
3ヵ月目は初めて芝刈り機で芝刈りを行いました。芝生が根付いた後は芝刈り機を使用しても問題はありません。
とはいえ、2ヵ月目に芝生ばさみを使って手作業で芝刈り(穂刈り)を行っていたので、芝刈り機を使ってもほとんど刈れませんでした。
通常の高麗芝などであればTM9より成長が早いので、また結果が変わってくるかもしれません。
芝生の肥料の散布
初めて芝生の肥料を散布しました。
使用した肥料は、出光興産株式会社の「イデコンポガーデンEV」という有機肥料です。
イデコンポガーデンは良質な有機肥料の中にサッチ分解機能を持つバチルス菌が混合されている肥料です。化成肥料のように即効性はありませんがジワジワと効果を発揮する肥料であり、バチルス菌がサッチを分解することにより芝生の健全な生育を促進してくれます。
肥料というのは多く使えば使うほど効果があるというものではありません。化成肥料や有機肥料などたくさんの商品がありますが、いずれにしても説明書きをよく読んで適量を使用するようにしましょう。
殺虫剤の散布
前述の通り、芝張りした箇所の調子が悪かったので夜の見回りを実施すると、やはり害虫が確認できました。
これはシバオサゾウムシという芝生の害虫で、通販で芝生を購入したときに芝生と一緒に運ばれてきたものです。なるべく手作業で駆除したものの、やはり全てを取り切ることはできず、その後庭の芝生で繁殖→芝生を食害している模様です。
手作業での害虫対策には限界があり芝生の被害も広がってしまったので、今回は殺虫剤を使用することにしました。使用した殺虫剤はスミチオンというもので、芝生の殺虫剤としては広く使われているものです。
殺虫剤は一度使えば全ての害虫を漏れなく駆除できるというものではありません。いきなり害虫の全滅を目指すのではなく、害虫の数を減らして影響を抑えることにより、害虫の被害より芝生の回復が上回る状態を目指すと良いと思います。
農薬を使用する場合の注意点として、必ず農薬の説明書きをよく読んで、芝生に適用がある(使用しても良い)ものを選んでください。農薬の適用外使用は法律上禁止されているので、必ず適切に使用するようにしましょう。
また、殺虫剤や殺菌剤は芝張り1年目から使用することができますが、除草剤は1年目は使用しない方が良いでしょう。除草剤は芝生に使用できるものあっても、芝生が多少なりダメージを受けることがあるからです。
植物成長調整剤「アルムグリーン」散布
前月に引き続き、植物成長調整剤「アルムグリーン」を散布しました。
アルムグリーンは国内で唯一、漢方生薬発酵熟成液で農水省の農薬登録を取得した農材です。植物生長調節剤として芝・バラ・イチゴに使用することができます。
天然成分により、芝の発根力を高め、成長を促進する効果があるとされています。
アルムグリーンは漢方薬ですので散布して直ぐ効果が表れるわけではなく、長期間継続使用することによって効果が期待できます。今年は焦らずに使用を継続していきたいと思います。
まとめ
芝張り後3ヵ月目の成長記録&お手入れのまとめです。
- 芝張りから3ヵ月目は通常の管理を開始しても良い時期
水やりの頻度は芝生を観察して判断する - 梅雨を経て真夏になれば芝生の成長が加速するので、
この時期に成長が遅くても焦る必要はない - 芝生の調子が悪くても焦る必要はないが、
枯れが広がってくるようであれば病害虫の対策を考える - 殺虫剤や殺菌剤は芝張り1年目から使用しても良い
除草剤は1年目は使わない方が良い - まだ焦って芝刈りをする必要はないが、
TM9の場合は先祖返りを防ぐために穂刈りすること
次回:4ヵ月目までの成長記録はこちらです。