芝生の穂の対処方法@TM9の穂刈りについて

芝生のTM9を育てている方は、穂刈りを正しくできていますか?

穂刈りという言葉は聞いたことあるけどやり方がわからないという人や、上手く穂刈りができなくて困っている人もいるのではないでしょうか。

しかし、TM9はちゃんと穂刈りをしてやらないと、先祖返りしてしまって取り返しがつかないことになるかもしれません。

でも安心してください。この記事では、そもそも芝生の穂とは何なのか、TM9が穂刈りのやり方、穂刈りが上手くできない場合の対処方法、順を追って全て解説していきます。

芝生初心者の方もこの記事を読めば、TM9の穂刈りについて一から学ぶことができますので、穂刈りについて知りたい方は是非最後までご覧ください!

目次

芝生の穂について

芝生に白い花が咲いた?芝生の穂とは

高麗芝やTM9などの日本芝を育てている方は、芝生に白い花が咲いたという経験がありませんか?

または、芝生に白い斑点ができて、病気ではないかと心配になった方もいるかもしれません。

もしそれが次の写真のようなものであれば、これは芝生の穂と言われるものです。

芝生の穂とは、芝という植物の花または実にあたる部分です。お米の稲穂の小さいものだと考えればわかりやすいと思います。芝はイネ科の植物なので、そう言われてみれば稲穂にちょっと似てるような気がしませんか?

TM9をはじめとした日本芝は、栄養繁殖といって匍匐茎が伸びることにより繁殖する特性があり、種子による繁殖は基本的には行いません。しかし、日本芝が全く種子を作らないかというとそうではなく、春または秋になると穂を伸ばして種子を作ることがあります。

高麗芝の改良品種であるTM9は、通常の高麗芝と比べて穂が出やすいという特徴があるため、春と秋になると芝生の色が変わって見えるぐらい穂が出ることがあります。私の経験上では、TM9については芝の生育状況が良いほど穂がよく出ます。日陰や踏圧などの問題で生育が悪い場所(芝生がハゲていたり密度が低いところ)はあまり穂が出ないように感じています。

いずれにしても、芝という植物にとって穂が出るのは自然なことなので心配する必要はありません。芝生の穂が出ることはおかしいことではないのでご安心ください。

芝生の穂を放置することのデメリット

芝生の穂が出るのは自然なことですが、そのまま穂を放置していると芝生を管理する上でマイナスになることがあります。

それでは、芝生の穂を放置することのデメリットはどんなものがあるのでしょうか?

  • 芝生が先祖返りすることがある(品種がTM9の場合)
  • 芝生の見た目が悪くなる
  • 芝生が蓄えたエネルギーを浪費してしまう

最も重要なデメリットは、芝生の品種がTM9の場合に、先祖返りを起こしてしまう可能性があることです。

TM9の先祖返りとは、TM9が品種改良前の高麗芝の状態に戻ってしまうことです。先祖返りしてしまうと、葉が緻密で柔らかい・葉が伸びにくく省管理などTM9ならではのメリットが失われてしまいます。TM9にとって先祖返りは大きなデメリットになるので、TM9の穂が出てきた場合は極力対策することをおすすめします。

TM9の先祖返りについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたいという方は是非あわせてご覧ください。

また、TM9以外の高麗芝などの品種でも共通のデメリットとしては、穂の量が多いと芝生の見た目が悪くなること、穂を伸ばすために芝生が光合成などで蓄えたエネルギーを浪費してしまうことが挙げられます。

ただし、見た目に対する考え方は個人差がありますし、エネルギーの浪費についても気にするほどではないという意見もあり、芝生愛好家の間でも高麗芝の穂の対策を行うかどうかは意見が分かれるところです。いずれにしても、高麗芝の穂を放置していたからといって枯れたりすることはなさそうです。

芝生の品種がTM9以外の高麗芝などの場合は、芝生の穂のデメリットが気になる場合は対策を行えば良いですし、そこまで気にしないという場合は放置していても良いのではないでしょうか。

芝生の穂の対処方法

前述した通り、芝生の穂が出るのは自然なことなので、基本的に防ぐことはできません。

そこで、芝生の穂の対策としては「出てきた穂を刈り取る」という対処方法になります。

この芝生の穂を刈り取る作業のことを「穂刈り」と言います。

特にTM9を綺麗に管理するためには欠かせない作業の一つですので、TM9を育てている方やこれから育てようと思っている方は覚えておいてください。

芝生の穂刈りについて

芝生の穂刈りのやり方

芝生の穂刈りのやり方は、通常の芝刈りと同じように芝刈り機で刈り込めばOKです。

いつもやっているように芝刈りをすると、伸びた芝の葉といっしょに芝生の穂も刈り取ることができます。

バリカンやハサミでも穂刈りはできますが、刈込作業や刈り取った後の穂の回収の手間を考えると、手押し式の芝刈り機を使用することをおすすめします。

TM9の穂刈りについて

芝生の品種がTM9の場合は、芝生の穂を放置すると先祖返りを起こす可能性があるため、穂が出てきたら放置せずに穂刈りすることを強くおすすめします。

穂刈りをする時期は、芝生が休眠する冬季を除いて一年中必要です。具体的には4月~11月が目安となりますが、その年の天候や庭の環境等にもよっても前後するので、芝生の様子をよく観察して穂が出てくるようであれば穂刈りしましょう。

春:4月~5月、秋:10月~11月は、TM9の穂が特に多く出る時期ですので注意してください。実際には、6月~9月の夏場にも穂が出ることはありますが、夏場は芝生シーズンなので定期的に芝刈りをしている人は気づきにくいかもしれませんね。

穂刈りをする頻度は、なるべく2週間に1回以上できれば良いでしょう。あまり期間を空けすぎると、穂が伸びて種を作ってしまい、穂刈りのときに種をまき散らしてしまう可能性もあるので注意しましょう。

穂刈りが上手くできない理由

芝生の穂刈りをしようとしても、上手く穂を刈り取れない経験をしたことはありませんか?

うちの庭でも、穂刈りが上手くできないことがありましたので解説いたします。

この写真は、穂刈りをする前のTM9です。撮影時期は11月中旬です。

穂がかなり伸びた状態なので早速穂刈りしていきましょう。この時期は忙しくて穂を刈るタイミングが遅れてしまったのですが、理想を言えばもうちょっと早く穂刈りした方が良いと思います。

この写真は、刈り高設定15mmで穂刈りした後のTM9です。

写真の右側は穂を綺麗に刈り取れていますが、左側は穂刈りが上手くできておらず穂が一部残っているのがわかりますか?

穂刈りが上手くできなかった理由は、庭の地面が平らではなくデコボコがあるため、凹んでいる場所(地面が低い場所)の芝生に芝刈り機の刃が届かないからです。

この地面のデコボコのことを「不陸(ふろく)」と言い、地面のデコボコを直して平らにするために凹んだ場所に目砂・目土を入れるなどの方法で不陸を直す作業のことを「不陸修正(ふろくしゅうせい)」と言います。

不陸があると芝刈りや穂刈りが均一にできなかったり、芝生に水溜りができることで病害や生育不良の原因になってしまいます。そのため、綺麗な芝生を作るためには日頃から意識して不陸修正に取り組むことが大切になります。

芝生の穂刈りが上手くできないときの対処方法

芝生の穂刈りが上手くできない理由が不陸によるものである場合、根本的に解決するためには不陸修正するしかありません。しかし、凹んだ場所に大量の目砂・目土を入れると芝が完全に埋もれてしまうこともあるので、不陸修正は時間をかけて少しずつ取り組む必要があります。

そのため、ここでは芝生の穂刈りが上手くできないときに、不陸修正以外のやり方で対処する方法を紹介します。

芝刈り機の刈り高を低くする

芝生の穂が全体的に刈れない場合は、芝刈り機の刈り高設定を低くすることで刈れるようになる場合があります。

穂は下から伸びてくるため、ある程度刈り高を下げないと上手く刈れません。

穂を完全に刈り取るためには刈り高設定10mm前後にするのが理想ですが、不陸のないフラットな芝生でなければ軸刈りになってしまうリスクが高いです。これから成長期を迎える春はまだしも、休眠前の秋に軸刈りをすると芝生へのダメージが大きいので、刈り高設定を下げる場合は少しずつ様子を見ながら下げるようにしましょう。

うちの芝生は不陸が多いこともあり、刈り高設定15mmで穂刈りをしています。20mmではほとんど穂が刈れなかったので、なるべく15mm以下で穂刈りすることをおすすめします。

バリカンや芝生鋏を使って手作業で穂刈りする

部分的に芝生の穂が上手く刈れない場所がある場合は、その場所だけバリカンや芝生鋏を使って穂刈りする方法が有効です。

バリカンや芝生鋏であれば、不陸の影響で芝刈り機では刈れない場所の穂も、ピンポイントで刈り取ることができます。

この方法のデメリットは、芝刈り機を使う場合と比べて作業がとても大変だということです。

手間をかけてでも完璧なお手入れをしたい人や、上手く刈れない場所が少しだけという場合にはおすすめです。

全ての穂を刈ることを諦める

最後の手段は、全ての穂を完璧に刈ることを諦めることです。

細かく言うと、自分ができる範囲で芝刈り機を使って穂刈りをし、刈り高を調整しても刈れない部分は諦めるというものです。

例えば、私は世間一般的にはかなり芝生のお手入れを熱心にしているほうだと思いますが、それでも全ての穂を完璧に刈ることは諦めています。穂刈りの頻度は2週間に1回ですし、不陸が多いので芝刈り機で刈れない部分はそのまま放置しています。

身も蓋もない話ですが、全ての穂を刈り取らなければ芝生が枯れてしまうわけではありません。芝生のお手入れにかけられる時間や労力は人それぞれですので、お手入れが負担に感じて嫌になってしまうぐらいならば、ほどほどで済ませるほうが長続きします。このあたりはご自身の管理方針とキャパシティと相談してみてください。

まとめ

芝生の穂の対処方法@TM9の穂返りについてのまとめです。

  1. 芝生の穂が出るのは自然なことなので心配する必要はない。
    芝生の穂を刈り取る作業のことを「穂刈り」という。
  2. 芝生の品種がTM9の場合、穂を放置するとTM9が先祖返りする可能性があるので、TM9の穂が出てきたら穂刈りすることが重要。
  3. 芝生の品種が高麗芝の場合、穂刈りはしてもしなくてもどちらでも良い。
  4. 穂刈りのやり方は、通常の芝刈りと同じように芝刈り機で刈り込む。
    穂刈りの時期は、芝生の休眠時期を除いて一年中必要。
    穂刈りの頻度は、なるべく2週間に1回以上行うこと。
  5. 地面にデコボコ(不陸)があると穂がうまく刈れない場合がある。
    綺麗な芝生を作るためには日頃から意識して不陸修正に取り組むこと。

綺麗なTM9の芝生を作るためには、穂刈り・先祖返りは避けて通ることができない問題です。

TM9は適切に穂刈りすることによって、綺麗な芝生を長く楽しむことができますので、忘れずに是非取り組んでください。

以上参考になれば幸いです。



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