雑木の庭コーナーをDIYしてから最初の夏が終わり、初めての秋を迎えました。植え付け一年目の雑木や下草にとっては過酷な暑さとなった今年の夏を越え、順調に育っている植物もあれば少し元気がない植物もあります。
前回に引き続き、庭DIYを検討している方への情報提供と自分用の備忘を兼ねて、失敗談を含めてリアルな記録を発信していきますので、これからDIYで雑木の庭やナチュラルガーデン/シェードガーデンを作ろうと考えている人は参考にしてみてください。前回(2022年夏)は以下の記事になります。
雑木の庭の成長記録@2022年秋
雑木の庭コーナーの全体像の変化はこんな感じです。
夏を経て、順調に育っている植物と、元気がない植物の勢いの差が大きくなっています。
この場所は、夏の間は日照時間6~8時間程度は日が当たりますが、南側の家の影になるので10月現在は一日中日陰になっていて全く日が当たりません。季節によって日当たりが極端に違うので、お手入れの方法などはまだ試行錯誤中です。
常緑樹やカラーリーフが多めの構成なので、秋以降も明るい雰囲気になりやすいのは良いですが、季節感に乏しくなってしまったのはマイナスポイントでしょうか。以後は草木の様子を個別に紹介していきます。
高木@アオダモ
春からあまり元気がなく、「胴吹き」や「ひこばえ」がたくさん出ていたアオダモですが、8月下旬から葉っぱが茶色く枯れ始め、10月現在では大半の葉が落ちてしまっている状態です。
これは褐斑病というカビ(糸状菌)による病害の影響だと思われます。
褐斑病が発生すると、葉っぱに茶色の病斑があらわれます。病害の進行とともに病斑も拡大していき、最終的には葉っぱ全体が茶色くなって枯れ落ちてしまうのです。
褐斑病はアオダモの他にもツツジやアジサイなどの庭木でも発生しやすく、病斑により見栄えが悪くなる上に、病害が広がると庭木の成長にも悪影響を及ぼします。
アオダモが褐斑病になってしまった原因は、土壌の水はけが悪く湿度が高い環境になっていること、アオダモの樹勢が弱く元気がない状態であることなどが考えられます。
わが家の庭は水はけが極端に悪く、雑木エリアも穴を掘ったら水が湧いてくるような状態でした。そこに暗渠排水を通したり、築山を作って雑木を高植えにしたりと対策をしたものの、水はけの改善が十分ではなかったのでしょう。
褐斑病に限らず、庭木が健康に育っている状態であれば病気や害虫の被害が広がることは少ないですが、庭木の元気がないときは病気や害虫の被害が広がりやすいという悪循環に陥りがちです。
そこで、褐斑病の対策として、アオダモが健康に育つような環境を整えることにしました。具体的には、アオダモの株元に縦穴を掘って炭などで土壌改良を行い、通気透水性を高めることでアオダモの根の成長を促すというものです。
やれることはやった上で、あとはアオダモの生命力を信じて、来春無事に芽吹いてくれることを祈りたいと思います。
ちなみに、商業用の果樹(ぶどう・りんご)や「つつじ類」では褐斑病の対策として、ボルドー液・オーソサイド水和剤・トップジンM水和剤・ベンレート水和剤などの殺菌剤を使用することもあるようですが、アオダモなど樹木に適用がある殺菌剤はありませんでした。
高木@ソヨゴ
ソヨゴは夏を越えてもほとんど変化がありませんでしたが、10月に入ってから葉っぱが黄色くなり落ち始めました。ソヨゴは常緑樹なので一斉に全ての葉が落ちてしまうことはありませんが、春と秋には生え変わりで落葉が多くなるようです。
相変わらず葉っぱに元気がないのは気がかりですが、常態が悪化しているというわけでもなさそうです。
ソヨゴについてもアオダモと同じように、株元に縦穴を掘って炭などで土壌改良を行い、通気透水性を高めることでソヨゴの根の成長を促す予定です。
低木@アベリアカレイドスコープ
アベリア“カレイドスコープ”は花を咲かせながら縦横無尽に枝を伸ばしています。
カレイドスコープはこれから寒くなると葉が紅葉して、綺麗なグラデーションになるので楽しみです。
それにしても、植えたときのサイズを考えると一回りどころか二回りも三回りも大きくなりました。混み合った枝を透かして、もう少し高さを出したいなあと思っています。
低木@マホニアコンフューサ
マホニアコンフューサは初夏に比べると成長速度は少し落ち着きましたが、夏から秋にかけても順調に大きくなっています。
ちょっと枝が混み合いすぎているのと、横に広がってきたので透かし剪定を行いました。
マホニアコンフューサの剪定方法は、枝先を切り詰めるような剪定はせず、不要な枝を根元から切り落とします。
マホニアコンフューサは成長が早い木ではありませんが、放任すると枝が混み合う傾向にあるので、一年に一回ぐらいは透かし剪定をした方が良いように思います。
透かし剪定をして見た目がスッキリしましたね。
風通しがよくなるので病害虫の予防にもなりますよ。
また、10月に入ったころからマホニアコンフューサのつぼみが出てきました。このあと晩秋から冬の季節に黄色い花を咲かせてくれるでしょう。
マホニアコンフューサを植えた場所は、庭の中でも最も日当たりが悪く、湿気が多い場所の一つですが、全く問題にすることなく元気に育っています。日陰の庭に植えるにはピッタリの低木かもしれませんね。
マホニアコンフューサを植え付けたときの様子は以下の記事で詳しく紹介しています。
低木@ヤマブキ
夏の間は放任していたヤマブキは、もさもさと伸びて鬱陶しい感じになっています。
ヤマブキは落葉樹なので、冬になり葉が落ちた後に剪定して樹形を整える予定です。
過去のヤマブキの植え付け及び剪定時の様子は以下の記事をご覧ください。
下草@アジュガ
アジュガは常緑の多年草であり、雑木の庭というより洋風のシェードガーデンや日陰のグラウンドカバーとして使われることが多いです。花の雰囲気が好きなのと、頑健な性質で日陰でも問題なく育つことから下草として採用しました。
このアジュガは通販で購入した「ダークマホガニー」という銅葉の品種です。昨年冬に植え付けしたときは2株しかなかったのに、夏の間に一気に勢力を拡大してこんなに増えました。銅葉の品種ですが夏の直射日光を受けてもへっちゃらでした。
生命力が強いのは良いのですが、このままだとアジュガに一帯を埋め尽くされそうなので、侵入されたくないエリアには来春までに対策をした方が良いかなと思っています。
下草@カレックス
カレックスは大きな変化はありませんが、葉っぱは定期的に生え変わっているようなので問題なさそうです。
完全に放任していても草姿に変化がなく、日向にも日陰にも耐えるので使い勝手が良い下草ですね。
過去のカレックスを植え付けた時の様子は以下の記事をご覧ください。
下草@ギボウシ(ホスタ)
実は、2株植えているギボウシ(ホスタ)の内の1株がヨトウムシの被害にあい、葉っぱを全て食べられて地上部がなくなってしまうという事件が起きてしまいました。
元々、葉焼けの症状が出ていて元気がなかったこともあり、このまま枯れてしまうのではないかと心配していたのですが、今は新しい葉っぱが生えてきて写真のような状態になっています。
この状態で冬を越せるかどうかわかりませんが、ギボウシ(ホスタ)の生命力を信じて春を待ちたいと思います。
もう1株のギボウシ(ホスタ)も葉焼けの症状が出ていましたが、夏を越えてからは新しい葉っぱも出て元気な表情を見せてくれています。夏の日差しにも負けないような大株に育ってくれたら良いのですが。
過去にギボウシ(ホスタ)を植え付けた時の様子は以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
現在の雑木エリアにおいて、元気があり順調に育っている草木は以下の通りです。
- 低木@アベリアカレイドスコープ
- 低木@マホニアコンフューサ
- 低木@ヤマブキ
- 下草@アジュガ
- 下草@カレックス
これらの草木は、水はけが悪い粘土質の土壌にも適合し、夏の直射日光も問題にしない強い植物ですね。
この雑木エリアは10月~3月ごろまでは一日中日が当たらない日陰ですので、日向でも日陰でも育つ植物や、水はけが悪い庭でも育つ植物を探しているという方は参考にしてみてください。
一方、雑木エリアで元気がないものは以下の草木です。
- 高木@アオダモ
- 高木@ソヨゴ
- 下草@ギボウシ(ホスタ)
元気がない一番の原因は、水はけが悪い粘土質の土壌が合わないせいだと考えています。
土壌が合わないと根っこの成長も悪くなり、夏の直射日光にも負けやすくなってしまいます。
雑木や山野草が水はけが悪い土を嫌うのは有名な話です。私も雑木エリアを作るときには暗渠排水を通したり、築山を作って雑木を高植えにしたりと対策をしたものの、結果として水はけの改善が十分でなければこうなるという反面教師にしてもらえれば幸いです。
とはいえ、今は元気がない草木たちも枯れてしまったわけではないので、追加で土壌改良や通気透水性を高める造作を施すことで土中環境を改善していけば、これから元気になってくれる可能性もあると思っています。
今年の冬は、雑木エリアを拡張して草木を追加で植える予定もありますので、緑がいっぱいの雑木と芝生の庭になるようにこれからも頑張っていきたいと思います。