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芝生が枯れたり調子が悪くなる原因と対策

今まで普通だった芝生が突然枯れてきたとか、よくわからないけど芝生の調子が悪くなってきたというような経験はありませんか?

これって芝生オーナーにとってはあるあるなんですが、原因がわからないと対策のしようがないので困るんですよね。

今回は、今まで順調に育っていた芝生が枯れたり、調子が悪くなる原因とその対策を解説していきます。

芝生の調子が悪い原因がわからない!一体どうすれば良くなるの?という方は是非最後まで読んでみてください。

なお、今回は「今まで順調に育っていたのに最近調子が悪い」という方向けの記事です。「芝張りしてからずっと調子が悪い(最初から今まで順調に育っていた時期がない)」という方は以下の記事をご覧ください。

目次

順調に育っていた芝生が枯れてきた場合

最初は順調に育っていたのに、ある日突然、またはだんだんと茶色く枯れてきたという場合は、調子が悪くなってきた原因があるはずなのでそれを特定して対策を行う必要があります。原因は1つだけではなく、複数が重なっていることもよくあります。

完全に枯れてしまった場合は別ですが、そうでなければ調子が悪くなった原因さえ潰してやれば芝生の調子はよくなっていくはずです。

それでは、具体的にどのように原因を特定していくのか、検討するべき順番に解説していきます。

突発的な外的要因によるもの

まず、芝生が一部分だけ突然枯れたという場合は、突発的な外的要因によるものが疑われます。

具体的には以下のような外的要因がありますが、心当たりはありませんか?

  • 芝生の上でBBQをした
  • 芝生の上にプールやホースなどを置きっぱなしにした
  • ペットや野生動物の糞尿による被害
  • 虫よけスプレーがかかった
  • 液体肥料や薬剤の原液をこぼした
  • 真夏に固形肥料を撒いた/肥料を与えすぎた
  • その他、芝生に強い刺激を与えるようなことをした

庭でBBQをする場合、コンロは芝生の上に置かないか、芝生の上に置く場合は熱対策を万全にする。プールやホースを置きっぱなしにしない。糞尿・虫よけスプレー・液体肥料や薬剤が芝生にかかってしまった場合はすぐに大量散水して薄める(それでも枯れるときは枯れます)ようにしましょう。

もしこれらの外的要因で芝生が枯れてしまった場合、しばらくはたっぷり水やりするようにして様子を見てください。芝生の新芽が出てくるようであれば根っこは生きているので、目土/目砂を薄めにかけて水やりしていれば復活します。

一方、新芽が全く出てこない場合は根っこまで枯れている可能性が高いので、そこの芝生は復活しません。枯れた部分が小さい場合は、周囲の芝生がランナーを伸ばしてきて自然に埋まることを期待できます。枯れた部分が大きい場合は、自然に埋まるには時間がかかるので、部分的に張り替えすることを考えた方が良いかもしれません。

突然枯れてきたけどこれらの外的要因に心当たりがない場合や、突然ではなくじわじわ芝生が弱ってきたという場合は、次のチェック項目に移ってください。

軸刈りによるもの

次に、芝刈りをしたら芝生が枯れてしまったという場合は、軸刈りが原因の場合があります。

軸刈りとは、長く伸びた芝生を短く刈り過ぎたことで、茶色の茎の部分や地面が露出している状態のことです。

もし軸刈りをしてしまった場合の対策は、乾燥を防ぐために目砂を薄く入れて保護しておいてください。

酷い軸刈りをしてしまった状態
目砂を入れて保護した状態

芝生が健康な状態で、且つ成長が早い春~夏シーズンであればすぐに新しい芽が出て元に戻ると思います。しかし、芝生が元から弱っていたり、成長が遅くなる秋以降であればなかなか元に戻らないこともあります。

軸刈りをしたからといって必ず芝生が枯れるわけではありませんが、景観を損ねるだけではなく芝生にダメージを与えることになりますので、芝刈りをするときは軸刈りをしないように気を付けましょう。

水切れを起こしている

次に、夏場に突然芝生が枯れてしまったという場合は、水不足による乾燥が原因の場合があります。

芝生は水不足による乾燥状態が続くと、葉っぱを細く丸めた針のような見た目になります。これは芝生が危険信号を出している状態であり、「水切れサインが出ている」「水切れしている」と言います。

上の写真は、水切れサインの初期症状です。この状態を放置すると、芝生の葉は茶色く枯れてしまいます(俗に水枯れといいます)ので、水切れサインを見つけたら直ぐにたっぷりと水をあげてください。

通常は夏場の日中に水やりするのはNGですが、水切れサインが出ているときは水やりが何よりも優先されるので、日中であってもたっぷり水やりしてください。直ぐに水やりすれば芝生は問題なく復活してくれることが多いです。

水切れサインが出ている散水前の状態
散水後しばらくして復活した状態

芝生にどれぐらい水やりするべきかというのは諸説ありますが、水切れサインが出たら水やりをするという方法はおすすめしません。常に芝生の状態を観察していられるわけではありませんし、見落としてしまうと芝生が枯れる恐れがあるからです。

また、水切れサインが出るほどの乾燥状態を何度も繰り返していると、芝生が健康に成長することができません。枯れるとまではいかなくても、なんか芝生の調子が悪いという原因になっている場合もありますので、心当たりのある方は水やりの頻度や量を見直してみると良いかもしれませんよ。

病害虫の影響

上記のいずれにも該当しない場合は、病害や害虫の被害によるものが考えられます。

害虫:シバオサゾウムシ
病害:カーブラリア葉枯病

病害への対策は殺菌剤、害虫への対策は殺虫剤の使用が基本です。

害虫の姿を目撃したり、病害の特徴が強く出ている場合は原因を特定しやすいですが、突然枯れてきたけど原因がよくわからないという場合もあります。

そういうときは、先に挙げたようなわかりやすい原因に当てはまらないかどうかをまず確認し、それでもわからない場合はとりあえず殺虫剤または殺菌剤を散布して様子を見るのも一つの方法です。

殺虫剤や殺菌剤の使い方がわからないという方は、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

枯れてはいないけど芝生の調子が悪いという場合

続いては、枯れてまではいないけどなんか芝生の調子が悪いという場合です。芝張りをした最初の年は綺麗だったのに、年数が経つにつれて調子が悪くなってきたというパターンですね。

これはよくあることなんですが、庭の環境や天候に左右される部分が大きく、原因を特定するというのは正直なところ難しいことが多いです。

典型的なパターンとしては、前述した「順調に育っていた芝生が枯れてきた場合」の初期症状だったり、芝生のお手入れ不足が考えられます。例をいくつか紹介しますので、当てはまるものがないかどうか確認してみてください。

芝生は植物ですので成長改善には時間がかかることも多いですが、地道に取り組めばだんだん良くなっていくはずです。芝生の様子をよく観察して、焦らずに長い目で見て取り組むことをおすすめします。

サッチングやエアレーションなどの更新作業を全くやっていない

サッチングやエアレーションなどの更新作業を全くやっていないという場合は、地面の通気性や通水性の悪化により芝生の調子が悪くなっていることがあります。

ただし、芝張り1年目はサッチングやエアレーションの必要はありませんので、2~3年目以降の話になります。

サッチング
コアリング

サッチングとは、枯れた芝生が堆積したサッチをレーキなどで掻き出す作業のことです。サッチが芝生の表面にたくさん溜まっていると通気性や通水性が悪くなり、病害虫を誘発したり芝生の成長に悪影響を与えることがあります。

エアレーションとは、ローンパンチやスパイクなどの器具を使って芝生と土壌に穴を開けることにより、通気性や通水性を高める作業のことです。芝生は日常的に踏まれることが多いので、エアレーションをしていないと地面が踏み固められた影響でだんだんと通気性や通水性が悪くなり、芝生の成長に悪影響を与えることがあります。

サッチング?エアレーション?どうやるの?という方は以下の記事をご覧ください。

芝刈り機のメンテナンス不足

芝刈りをした後に芝生の切り口が茶色く変色していたり、芝生を引きちぎったような跡が多く見られる場合は、芝刈り機のメンテナンス不足が原因の可能性があります。

芝刈り機には大きく分けてリール式とロータリー式の二種類があります。リール式の芝刈り機は、リール刃を研いだり刃の噛み合わせを調整するなど、定期的にメンテナンスしないと性能を発揮できないので注意してください。

なお、安物の芝刈り機は刃を研ぐ機能がついていなかったりするので、経年劣化してきたら買い替えるしかありません。長い目で見たら、最初からキンボシなどのちゃんとした芝刈り機を購入することをおすすめします。

ロータリー式の芝刈り機は、刃が消耗してきたら刃を交換しましょう。ロータリー式の刃は1つ千円前後と安価ですし、交換するだけで性能がよみがえるので、手間をかけたくないという方にはおすすめです。

肥料が不足している

芝生の伸びが遅くなった、芝生の葉の色が薄くなったという場合は、肥料が不足している可能性があります。

葉っぱの色が濃くて密度が高い綺麗な芝生を作るためには、芝生に肥料を与えることは欠かせません。今シーズンになってから肥料を与えていないというような場合は、肥料を与えることで改善するかもしれません。

ただし、肥料が不足しているという理由で、芝生が枯れることはまずありません。枯れかかっている芝生に肥料を与えれば復活するということはありませんし、肥料をたくさん与えれば良いというものでもありません。

規定量の肥料を与えているのに芝生の調子が悪いという場合は、肥料の使用方法が悪いか、肥料不足以外の要因があるかのどちらかです。

肥料は取扱説明書に記載されている通りの量・頻度・使用方法を守るのが一番効果を発揮します。肥料を追加すれば良いというわけではありませんので気を付けましょう。

まとめ

芝生が枯れたり調子が悪くなる原因と対策のまとめです。

  1. 芝生が枯れたり調子が悪くなってきたときは、
    その原因を特定して対策を行う必要がある
  2. 完全に枯れてしまった芝生が復活することはない
    手っ取り早く綺麗にするには芝生の張り替えが必要
  3. 芝生が枯れてきた場合の原因は、
    軸刈り・水切れ・病害虫・突発的な外的要因などが考えられる
  4. 芝生の調子が悪くなってきた場合の要因は、
    ③の初期症状や芝生のお手入れ不足などが考えられる
  5. 芝生の成長改善には長い時間がかかるが、
    地道に取り組めば効果はだんだんとあらわれるので
    焦らず長い目で見て取り組むことをおすすめ

以上、少しでも芝生がうまく育つ手助けになれば幸いです。



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