春シーズンに芝生を張って9ヵ月目は晩秋から冬の始まり、本格的に芝生が休眠モードに入る季節です。
この季節にやるべき芝生のお手入れはほとんどありませんが、TM9にとっては穂が出る限りは「穂刈り」が必要です。
また、芝生の品種や庭の環境によって芝生の生育は異なるので、「同じ時期にTM9を張った人の芝生はどうなっているんだろう?」と気になりますよね。「来年に向けて、この時期はどうすればいいんだろう?」と悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。
そんなときは、実際にTM9の芝張りをした人の記録を見るのが一番参考になりますよね。今月もうちのTM9の様子を詳しく紹介していきますので、ちょっと覗いていってみてください。
TM9芝張り後の成長記録@前回までのおさらい
はじめに、芝張りから8ヵ月目の成長記録のおさらいです。

8ヵ月目の芝生は、10月下旬ごろから芝生の冬枯れが徐々に進むとともに、芝生の穂がグングン伸びてきたので穂刈りを行っていました。詳細については前回の記事をご覧ください。

TM9芝張り後の成長記録@9ヵ月目
それでは、TM9芝張りから9ヵ月目の成長記録を見ていきましょう。
<10日毎の成長記録>

※写真のトーンを近付けるために日付を若干前後させています
9ヵ月目の芝生は、11月から12月にかけてますます冬枯れが進み、12月中旬現在は少し緑が残っているもののほとんど茶色く枯れた状態になりました。
また、11月末までは芝生の穂がどんどん出てきていましたが、12月に入ってからは穂が出る勢いも弱まり、12月中旬現在はほとんど変化がない状態になっています。
続いて、1日毎の成長記録と対象期間の気温推移を細かく見ていきたいと思います。
<1日毎の成長記録>


11月中はあまり気温が下がらず、11月末にもかかわらず最高気温20度・最低気温10度を上回る日もあるなど、季節外れの暖かさが続いていました。
一方、12月に入ってからは一気に気温が下がって冬らしくなり、それとともに芝生の穂も出なくなりました。最低気温が5度を下回るような寒さになると、芝生も本格的に休眠モードになるのでしょうか?いよいよ冬の訪れを感じますね。
TM9芝張り後のお手入れ@9ヵ月目
それではここからは、うちの芝生で実際に行ったお手入れの内容を紹介します。
芝刈り(穂刈り)
芝刈りは、穂刈りをするために2週間に1回の頻度で行いました。
今年のうちの芝生では、穂が一番よく出たのは10月下旬から11月末にかけての時期でした。

この“穂”を放置すると、TM9は「先祖返り」といって品種改良前の高麗芝に戻ってしまうことが稀にあるため、定期的に刈り取りすることを強くおすすめします。
穂刈りをいつまで続ける必要があるのか?というと、穂が出る限りは刈り続けるべきだと思います。「今回で最後の穂刈りにする!」と人間の都合が決めるのではなく、芝生の都合にあわせて刈るということですね。
今年は12月に入ったとたん一気に気温が下がって冬らしくなり、それとともに芝生の穂も出なくなりました。そのため、うちの芝生での最後の穂刈りは11月末になりました。刈り納めの時期は人によって違うでしょう。
芝生の穂刈りについては以下の記事で詳しく解説していますので、穂刈りについて知りたい方はあわせてご覧ください。

除草剤シバゲンDFの散布
11月末に来シーズンへ向けての雑草対策として、除草剤『シバゲンDF』を使用しました。


シバゲンは「雑草発生初期」だけではなく「秋冬期雑草発生前」にも使用できる除草剤です。今の時期にシバゲンを使用するのは、今生えている雑草を枯らすためではなく、来春にかけて生えてくる雑草を減らすことが目的です。
来シーズンへ向けての雑草対策としては、11月にシバゲンを使用する人が多いようです。除草剤を使用する時期や使い方は、除草剤の種類によっても全く異なりますので、使用方法や注意事項を必ず確認してから使用してください。
また、芝張り1年目の芝生に除草剤を使うと、薬害が生じて芝生が枯れるリスクがあるという意見もあります。一方、芝生を張った直後にシバゲンを使用しても問題なかったという人もいます。これは芝の生育状況や、使用する除草剤の種類にもよるので一概には言えません。
私が今回シバゲンを使用したのは、芝張り1年目ではあるが3月に芝張りをしてから8ヶ月以上経過していること、夏を経て芝生が十分に成長しており庭の環境にもなじんでいると思われること、シバゲンは日本芝への影響が非常に少ない除草剤であることから、今シバゲンを使用しても薬害が生じるリスクは少ないだろうと判断したからです。
「全ての芝生において芝張り1年目からどんな除草剤を使用しても問題ない」ということではありませんので注意してください。芝生の管理において除草剤の使用は必須ではなく、草抜きの手間を減らすための補助的なものです。除草剤の使用に少しでも不安を感じるようであれば、無理に除草剤を使う必要はありません。
とはいえ、除草剤を使うことによって芝生の管理がとても楽になったという人が多いのも事実です。芝生用の除草剤の使い方については以下の記事でも詳しく解説していますので、除草剤を使うのが初めてという方は是非あわせてご覧ください。

サッチングやエアレーションは必要ない
一般論として、休眠を迎える前のこの時期はサッチングやエアレーション(スパイキングやコアリング)など、芝生に負担がかかる作業をするのは避けましょう。
そもそも芝張り一年目からサッチングやエアレーションをする必要はありません。その上、この時期にサッチングやエアレーションをすると、芝生がダメージから回復しないまま寒い冬を迎えることになるのでデメリットが大きいのです。
芝生のお手入れに慣れた上級者の中には、秋から晩秋にかけてサッチングやエアレーションをする方も一部ではおられますが、初心者が真似するのはリスクが高いので止めましょう。もしサッチングやエアレーションをやりたいならば、来春3~4月頃にするのがおすすめです。
まとめ
芝張り後9ヵ月目の成長記録&お手入れのまとめです。
- 11月~12月のTM9は冬枯れが進んで休眠モードに入っていく
- TM9の穂が出てくる間は穂刈りを続けること
環境にもよるが11月下旬~12月上旬までが目安か - 来シーズンに向けての雑草対策として除草剤を使う場合は、
除草剤の使用方法や注意事項を必ず確認してから使用すること - サッチングやエアレーションをやるなら来春3~4月がおすすめ
以上、参考になれば幸いです。