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雑木の庭におすすめの低木11選

雑木の庭の植栽において、低木は非常に重要な役割を果たしてくれます。

高木だけではなく低木を組み合わせることにより風景が立体的になるのです。

そこで、今回は雑木の庭におすすめの低木を紹介していきたいと思います。

ここでの低木の定義は「庭環境において樹高2メートル以下に納まる木」としました。

私が考える、初心者でもDIYで採り入れやすい低木の条件は以下の通りです。

1. 横方向に拡がりすぎず自然に樹形がまとまること
2. 丈夫で育てやすいこと
3. 管理の手間がかからないこと

管理面を考えると、横方向に拡がりすぎず自然に樹形がまとまる低木をおすすめします。

低木はその名の通り樹高が低い木の総称ですが、その中にはスラっと上に伸びる低木もあれば横方向に枝を伸ばして拡がる低木もあります。中でも、株元から出た複数の枝が根元から湾曲して広がるように伸びる「開帳型」の低木は注意が必要です。

雑木の庭において低木は、高木の樹冠(樹木の上部で葉が茂っている部分)の下に植えて植栽群を作ることが多く、低木を単独で配置することはあまりないと思います。植栽群を作るときに、横方向に枝を伸ばして拡がる「開帳型」の木はバランスが取りにくく、他の草木と上手く組み合わせるのが難しいのです。

「開帳型」の低木の中にはコデマリ・コムラサキ・ハギ・ヤマブキなど、花や実が魅力的な木が多くあります。これらの木は根元から伸びた枝が枝垂れる姿が美しいのであり、植栽群の中で無理に切り詰めて管理すると魅力が半減してしまいます。そのため、今回のおすすめリストからは外して考えました。

その他では、丈夫で育てやすく、管理の手間がかからない(成長速度が普通~遅め・虫がつきにくい)ほど、初心者でもDIYで採り入れやすい低木といえるでしょう。

目次

雑木の庭におすすめの低木1 オトコヨウゾメ(落葉樹)

名称:オトコヨウゾメ
科名:レンプクソウ科/ガマズミ属
成長:やや遅い
日照:半日陰
庭環境での樹高:1~2メートル

オトコヨウゾメは本州から九州の山地に自生している落葉中低木です。

ガマズミの仲間で4~5月に小さな白い花をつけ、秋には赤い実がなります。紅葉の初期には葉っぱが紫がかった色になり、そこから赤や黄色に変化していく特徴があります。

オトコヨウゾメは強い日差しや乾燥を嫌うので半日陰で育てます。落葉高木の木漏れ日が差す場所が最適でしょう。

環境さえ合えば、放任しても自然な樹形で綺麗にまとまるので、剪定の手間はかかりません。ただし、株元から生えてくるひこばえは樹勢を落とす原因になるので適宜落としてください。

オトコヨウゾメは育てやすく、樹形・紅葉・花・実と楽しめるポイントが多いので、ナツハゼと並んで近年人気を集めている低木です。オトコヨウゾメの雰囲気が好きという人には、間違いなくお勧めできる低木ですよ。

雑木の庭におすすめの低木2 シロヤマブキ(落葉樹)

名称:シロヤマブキ
科名:バラ科/シロヤマブキ属
成長:普通
日照:半日陰
庭環境での樹高:1~2メートル

中国地方の山地だけに自生する落葉低木。4~5月に名前通り白い花を咲かせます。黄色のヤマブキとは別属の植物であり、花弁の数、葉の生え方、実の色など細かな違いがあります。

日当たりの良い場所のほうが花付きが良くなりますが、強い日差しや乾燥を嫌うので半日陰で育てます。病害虫の被害に合うことは少なく、生命力が強いので基本的には放任しても大丈夫です。

シロヤマブキはヤマブキと比べて枝がやや太くなり直立するので野趣に富んだ雰囲気があります。株立ちになるのでスペースを確保して植えた方が自然な樹形を楽しむことができます。株が混んできたら、古い株を根元から落として新しい枝へ更新していくと良いでしょう。

雑木の庭におすすめの低木3 ドウダンツツジ(落葉樹)

名称:ドウダンツツジ
科名:ツツジ科/ドウダンツツジ属
成長:遅い
日照:日向~半日陰
庭環境での樹高:1~2メートル

ドウダンツツジはツツジ科の落葉低木です。春に白い釣鐘型の花をがたわわに咲き、秋には見事な紅葉が楽しめるので庭木として非常に人気があります。

刈り込みに強く、枝が密に生えるので、庭の他に街路樹や公園などでも生け垣として使われています。ドウダンツツジという名前を知らなかったとしても、どこかで見たことがある木だと思います。

花や紅葉を楽しみたいのであれば日当たりの良い場所で育てるに越したことはないのですが、非常に丈夫な性質を持つので半日陰でも十分育ちます。木漏れ日が差すような日陰の環境で育てれば、柔らかな雰囲気の自然樹形に育てることも可能です。

雑木の庭では自然樹形のドウダンツツジが好まれますが、ドウダンツツジは成長が遅いので苗木から自分で2メートル級に育てるのはかなり大変です。人気が高い割に市場に出回る山採りものの数が非常に少ないので、欲しい人は見つけたら買いですよ。

雑木の庭におすすめの低木4 ナツハゼ(落葉樹)

名称:ナツハゼ
科名:ツツジ科/スノキ属
成長:やや遅い
日照:半日陰
庭環境での樹高:1~2メートル

ナツハゼは本州から九州の山地に自生している落葉中低木です。

野趣に富んだ自然な樹形と紅葉が最大の魅力です。初夏に釣鐘型の花が咲き、秋には黒紫色の実がなります。実は食べられますが生で食べると酸っぱいので、ジャムや果実酒にして楽しむ人もいるようです。

ナツハゼは本来は日当たりを好みますが、乾燥を嫌うので半日陰に植えた方が育てやすいです。自然な樹形が魅力の木なので、剪定は不要な枝を落とすぐらいで放任して育てます。

ナツハゼは大きくならず育てやすい上に、野趣に富んだ樹形・紅葉・花・実と楽しめるポイントが多いので、近年は雑木の庭で人気を集めている低木になります。特に山採りものは貴重なので、欲しい人は見つけたら見逃さないようにしましょう。

雑木の庭におすすめの低木5 ブルーベリー(落葉樹)

名称:ブルーベリー
科名:ツツジ科/スノキ属
成長:普通
日照:日向~半日陰
庭環境での樹高:1~2メートル

ブルーベリーは北米原産のツツジ科の低木です。育てやすい果樹として家庭菜園でも人気です。

ブルーベリーは樹高が高くならず自然樹形で管理できるので、雑木の庭にも採り入れやすい果樹です。果実だけではなく、花や紅葉の時期も美しいので長い間楽しむことができるのも魅力的です。

果実や紅葉を楽しみたければ、日当たりの良い場所で育てるに越したことはありませんが、ブルーベリーは根が浅く乾燥に弱いので根元をマルチングしてやるといいです。半日陰でも実付きは多少落ちますが問題なく育ちます。酸性土を好むので、植え付けする際にピートモスなどを入れて酸度を調整してください。

ブルーベリーには大きく分けてハイブッシュ系とラビットアイ系の2系統があり、同系統の木を2品種以上植えないと実がなりません。一般的にはハイブッシュ系は寒冷地向けで食味が良く、ラビットアイ系は暑さに強く育てやすいが食味は劣るとされています。

ブルーベリーの苗はホームセンターでもよく見かけますが、置いている品種の数が少ないのが難点です。ブルーベリーには魅力的な品種がここでは紹介しきれないほどたくさんあるので、ネットで好みの品種を探しみてはいかがでしょうか。

雑木の庭におすすめの低木6 ミツバツツジ(落葉樹)

名称:ミツバツツジ
科名:ツツジ科/ツツジ属
成長:普通
日照:日向~半日陰
庭環境での樹高:1.5~2メートル

ツツジ科の落葉低木です。枝先に三枚の菱形の葉をつけるのでミツバツツジといいます。

ツツジの中で最も早い時期に花が咲く品種のひとつであり、葉が展開するより前に紫色の花をつけます。

日当たりの良い場所のほうが花付きが良くなりますが、乾燥を嫌うので半日陰の方が育てやすいです。

木漏れ日が差すような環境で育てると、ミツバツツジ本来のスラっと伸びた自然樹形になるのでおすすめです。

剪定は休眠期に枯れ枝や徒長枝などの不要な枝を落としましょう。

ミツバツツジには花の色や葉の形など微妙に異なる変種が数多くあるので、好みの品種を探してみるのも楽しいですよ。

雑木の庭におすすめの低木7 ヤマアジサイ(落葉樹)

名称:ヤマアジサイ
科名:アジサイ科/アジサイ属
成長:普通
日照:半日陰
庭環境での樹高:0.5~1メートル

ヤマアジサイは東北南部から九州まで広い地域の山地に自生しているアジサイの一種です。

ガクアジサイに似た花をつけますが、より小型なので控えめな印象を受けます。他の園芸品種のように大きな花をポンポン咲かせるものではありませんが、控えめな雰囲気こそがヤマアジサイの魅力であり、雑木の庭によく合います。

ヤマアジサイは水を好み乾燥を嫌うので、半日陰で育てると良いでしょう。

ヤマアジサイは昔から庭園で使われてきた植物なので数多くの品種があります。園芸店などで好みの品種を選ぶのも面白いですし、拘りがあればネットで探すのも良いのではないでしょうか。

雑木の庭におすすめの低木8 アオキ(常緑樹)

名称:アオキ
科名:ミズキ科/アオキ属
成長:普通
日照:半日陰~日陰
庭環境での樹高:1~1.5メートル

アオキは日陰の庭に植えられる代表的な常緑低木です。

日陰に耐えて、手がかからず、真冬でも常緑なのがアオキの良いところです。

強い直射日光を浴びる場所に植える木ではありません。少なくとも午後からは日陰になる場所が良いです。

雌雄異株で雌株のみ赤い実をつけます。確実に実をならせるためには雌株と雄株を両方植える必要があります。

剪定は自然な樹形を生かして、枝が混み合ってきたら間引く程度に行いましょう。

斑入りの品種の中にはかなり明るい色のものもあり、日陰を好む常緑樹としてはかなり珍しいです。日陰を明るい雰囲気にしたいときは重宝します。原種は落ち着いた和の雰囲気があり、それぞれ違う魅力があります。

積極的に植えたい木ではないかもしれませんが、日陰の空いたスペースを埋めるという意味では非常に使い勝手の良い存在ですね。

雑木の庭におすすめの低木9 ナワシログミ・マリリン(常緑樹)

名称:ナワシログミ・マリリン
科名:グミ科/グミ属
成長:普通
日照:日向~日陰
庭環境での樹高:1.5~2メートル

ナワシログミ・マリリンはフランスで生まれたグミ科の常緑樹です。

ナワシログミ・マリリンは日向でも日陰でも植えることができるのが特徴で、夏の日差しが強く乾燥しがちな場所でも育ちますし、建物の影など日差しが不十分な場所でも育ちます。

ナワシログミ・マリリンは日陰に植えても落葉しにくく、明るい斑入り葉によって日陰でも雰囲気が明るくなるのでおすすめですよ。

ナワシログミ・マリリンは病害虫もあまりつかず、放任しても自然樹形でまとまりやすい性質なので、管理の手間がかからないのも嬉しいところですね。

ナワシログミ・マリリンについてもっと知りたい方は、以下の記事で詳しく解説していますので、是非併せてご覧ください。

雑木の庭におすすめの低木10 ヒサカキ(常緑樹)

名称:ヒサカキ
科名:モッコク科/ヒサカキ属
成長:やや遅い
日照:日向~日陰
庭環境での樹高:1~2メートル

ヒサカキは北海道を除く日本全国に自生する常緑低木です。

神棚に供えるサカキより葉が小さく、庭木としてはヒサカキの方が広く使われています。

ヒサカキは見た目には地味ですが、沖縄に自生しているぐらいなので暑さにも強く、土質を選ばず日向から日陰までどこにでも適応する丈夫な木です。

庭環境ではそれほど大きく育つことはありませんし、成長速度も遅めなので手がかからないのも嬉しいところですね。

アオキと同じく、非常に使い勝手の良い存在なので、何を植えるか迷ったときにはヒサカキを考えてみてはどうでしょうか。

雑木の庭におすすめの低木11 マホニアコンフューサ(常緑樹)

名称:マホニアコンフューサ
科名:メギ科/マホニア属
成長:遅い
日照:日向~半日陰
庭環境での樹高:0.5~1メートル

マホニアコンフューサは育てやすく色んなテイストの庭に合うことから近年大人気の常緑低木です。

マホニアコンフューサはヒイラギナンテンの園芸品種ですが、葉は柔らかくヒイラギのようなトゲもありません。細長くスタイリッシュな葉はエスニックな雰囲気もあり、和風・洋風・アジアンテイストいずれの庭にも馴染みます。もちろん雑木の庭の低木として植えてもバッチリ合いますよ。

マホニアコンフューサは葉だけではなく、黄色い花やブルーベリーのような実も楽しめます。花は4~5月と10~12月頃に咲くのですが、晩秋の時期に咲く花は少ないので重宝します。

その他の特徴や実際に植え付けしたときの様子は以下の記事にまとめてありますので、マホニアコンフューサに興味のある方は是非ご覧ください。

まとめ

お気に入りの低木は見つかりましたでしょうか?

雑木の庭に植える低木にはいくつかの役割があります。

(1)日差しを好む低木 = 西日から高木の根元を守るように植栽して乾燥を防ぐ役割
(2)半日陰を好む低木 = 高木の木漏れ日が差す環境で自然な風景を作る役割
(3)日陰に耐える低木 = フェンス際や建物の影になるスペースを埋める役割

樹木の特性を生かして植栽を組み合わせることによって、植物同士が助け合い元気に育つ環境を作ることができ、同時に奥行きのある立体的な風景になっていくのです。

メインとなる高木に比べると低木は地味に感じるかもしれません。しかし、低木にも重要な役割があると思うと、低木を選ぶのも楽しくなってきませんか?みなさんも是非挑戦してみてください。

また、雑木の庭におすすめの高木や下草も以下の記事で詳しく紹介していますので、是非併せてご覧ください!



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