芝生の張り替えで一度剥がした古い芝生は再利用できるのか

庭の芝生を張り替えたとき、張り替え前の古い芝生ってどうしていますか?捨てずに再利用できたらいいのにって思いますよね。

芝生を育てていると、水はけが悪くてどうしても芝生が育ちにくい場所があったり、病気や害虫にやられて部分的に芝生がはげてしまうことがあります。そういうときには今の芝生を剥がして、新しく買ってきた芝生に張り替えるという対策が有効です。

このとき、古い芝生は燃えるゴミとして捨ててるよっていう方も多いですが、ちょっと調子が悪いとはいえ捨ててしまうのは芝生に申し訳ないと思うことがあります。もったいないと思うこともありますよね。

でも実は、古い芝生を別の場所に張り直して再利用することは可能です。ただし、何でも再利用できるというわけではありません。直ぐに綺麗な芝生にしたい方や、完璧な芝生を求める方にも向いていません。私は実際に古い芝生を再利用した結果、上手く成功したこともあれば失敗したこともあります。

その経験から、今回は古い芝生を再利用するポイントとそのやり方を紹介したいと思います。そんなに難しい作業は必要ありませんので、芝生の張り替えを考えているという方は是非最後までご覧ください。

目次

古い芝生を再利用して成功した例

2021年3月に芝生の調子が悪い場所の部分張り替えを行い、古い芝生を再利用して移植した経験があります。

このときは庭の全面に芝生を張っていたわけではなく、真砂土仕上げのままになっている場所があったので、根付けばラッキーぐらいの感覚で試してみたんです。土壌改良もそれほど力を入れたわけではありませんが、一応15cmぐらい掘り返して石やガラを取り除き、張り替えで余った目土や堆肥などを少し混ぜてから移植しました。

家庭菜園のジャガイモを収穫したときの写真(撮影日2021/5/23)しかなかったのでわかりにくくて申し訳ないのですが、写真左上の赤線で囲った部分が古い芝生を移植した場所です。

一目見ただけではげまくりの残念な芝生ですよね。地上部分はほとんどありませんが、ランナーと呼ばれる匍匐茎や根っこの密度はそれなりにありました。移植後あまりにもカラカラだったので、たしか6月頃だったと思いますが余っていた目土を上からかけておきました。

その後の結果が上の写真です。目土を入れたことによって芝生が急速に元気を取り戻して緑化が進んでいきました。大きくはげている場所は時間がかかりましたが、それでも2021年の間に目地とはげている部分がほとんど埋まり、2022年春には既存の芝生と比べても少し調子が良いぐらいの状態まで復活しました。

この例から、ほとんど枯れているかのようなはげが目立つ芝生であっても、完全に枯れていなければ復活させられることがわかりました。

それと同時に、芝生にとっての目土と土壌改良の重要性がよくわかります。水はけが悪い場所には目砂を入れることが多いですが、カラカラに乾いた場所には保水性の高い目土の方が有効かもしれません。

古い芝生を剥がして再利用するときは、ソッド(芝生のマット)に元々ついていた黒土が剥がれ落ちていたり、ランナーが剥き出しになっていることもあります。そういう場合は、目土で芝生を保護してあげると良いでしょう。

古い芝生を再利用して失敗した例

上の例がたまたま上手くいったことに味を占めて、2021年10月にも移植に挑戦したのですが失敗に終わりそうです。

このときは、庭に桃の木を植えるために芝生を一部剥がしたものを移植しました。

写真は2022年4月に撮影したものです。

赤線で囲った部分が2021年10月に古い芝生を移植した場所、青線で囲った部分が2022年3月に新しく購入した芝生を張った場所です。

実は青線で囲った部分にも古い芝生を移植していたのですが、土壌改良後の転圧が不十分だったので水溜まりが出来てしまうため再度張り替えたものです。

芝の勢いの違いは一目瞭然ですね。

古い芝生の部分も、芝生が全て枯れてしまったわけではないのですが、雑草の勢いに完全に負けています。

しかも、雨が降った翌日とはいえ、まだ4月だというのにキノコが大量発生しています。

うちの庭は水はけが悪いので、昨年の夏もキノコがよく生えていましたが、この時期に見るのは流石に初めてです。

この調子だと、ここも再張替えが必要になりそうです。

失敗した原因は複数考えられます。1つ目の原因は、移植した古い芝生がスカスカの状態だったことです。ここは元々購入したソッド(芝生のマット)を張った場所ではなく、真砂土の土地に芝がランナーを伸ばして芝生のようになっていた場所でした。そのため、ソッドを移植するというよりも、土付きの芝のランナーを移植したようなもので、芝生はスカスカで密度が低い状態でした。

2つ目の原因は、最初から土に雑草の種やキノコの菌が含まれていた可能性が高いことです。これは移植した芝生が庭の真砂土に生えていたものだということもありますが、土壌改良に自作の雑草堆肥を使用した影響もありそうです。移植のために土壌改良をしているとき、あまりにも粘土質だったので入れ替えるための砂やバーク堆肥が不足してしまいました。そこで、庭で作っていた雑草堆肥で代用したのですが、これが良くなかったのかもしれません。

3つ目の原因は、春ではなく秋に移植したことです。ただでさえ、芝生初心者は秋植えではなく春植えした方が良いのですが、古い芝生を再利用する場合は特にそうだと感じました。春植えだと芝もすぐに成長期を迎えるので復活しやすいのですが、秋植えだと芝生が動き出す前に雑草が入り込み、雑草の方が先に動き出すことによって芝生が負けてしまいやすいです。古い芝生を再利用する場合は、芝の密度が低くてはげていたり芝の元気が無いことが普通なので、雑草に負けないためにも春植えすることをおすすめします。

【追記】結局この場所は新しい芝生に再張替えしました。再張替えの様子は以下の記事にて写真付きで紹介していますので、よかったらあわせてご覧ください。

再利用できる芝生とできない芝生の違い

健康で元気な状態の良い芝生ほど再利用しやすいのは当たり前です。実際には調子の悪い芝生だから張り替えるわけで、その中でも再利用できるかどうかの線引きが気になりますよね。

経験上、再利用できる(しやすい)芝生と、再利用できない(止めた方がいい)芝生の違いは以下の通りです。

再利用できる芝生
再利用できない芝生
  • 芝生の根っこが生きている
  • 病気の被害が少ない
  • 害虫の被害が少ない
  • 苔やキノコが少ない
  • 芝生の根っこが枯れている
  • 病気の被害が大きい
  • 害虫の被害が大きい
  • 苔やキノコが繁殖している

まず、芝生が根っこから完全に枯れている場合は再利用できません。逆に地上の葉っぱが枯れていても、根っこさえ生きていれば復活する可能性はあります。

ただし、病気や害虫の被害が大きい芝生は、病気や害虫を拡げてしまうリスクがあるので再利用しない方がいいです。苔やキノコが繁殖している芝生も同じです。これらの芝生は全く再利用できないというわけではなく、むしろ再利用して土壌や環境を改善することによって元気に復活することもあります。

しかし、再利用した古い芝生が枯れるだけならまだしも、他の芝生にまで悪影響が広がると大変です。どうしても再利用したいならば、周囲に芝生が無い場所やプランターなどの鉢植えで試してみてはいかがでしょうか。

古い芝生を再利用する方法

続いて、実際に古い芝生を再利用する手順を紹介していきます。

今回古い芝生を移植するのはこの場所です。

2022年3月に追加の芝張りを行ったのですが、購入した芝生が足りなかったので、一部張り替えで出た古い芝生を植えていきます。

新しく芝張りするときと同じように、予め土壌改良を済ませておいてください。土壌改良のやり方については以下の記事をご覧ください。

この古い芝生はマット状になっているので、比較的良好な状態のものです。

芝生に生えている雑草は、植え直す前に全て抜き取っておきましょう。雑草の根っこも地中に張っていないので抜きやすいですよ。

芝生を植えてからしばらくは雑草を抜くことができません。芝が根付く前に雑草を抜こうとすると、芝生のマットごと引っ張られて動いてしまいます。

雑草を抜いたら芝生をひっくり返します。粘土質の土の塊が芝生にくっついており、芝の根っこが土の塊に入り込んでいます。

この土の塊は芝の根っこの成長を阻害しますし、地面にデコボコができる原因にもなるので除去していきます。

スコップなどで土の塊を削り取りました。芝の根っこが多少千切れても問題ありません。

なるべく芝生の厚みが均一で平らな状態を目指すと良いでしょう。

この古い芝生はマット状ではなく、ランナーに土がくっついただけのスカスカの状態です。

移植するには不便な状態で失敗する可能性が高そうですが、植える場所が余っているので試しにこれも植えてみます。

ランナーがあちこちに飛び出していると見苦しいのでカットします。また、粘土質の土の塊もなるべく取り除きます。

あまりにも土が粘土質の場合は全ての土を取り除き、元気そうなランナーだけ再利用した方が良いかもしれません。

取り除いた土はふるいにかけて再利用します。粘土質の土の塊や石や雑草は取り除き、堆肥や砂などを混ぜ込んで改良してから使います。

芝と土の準備ができたら、芝を地面に並べていきます。

新しい芝生と違って厚みが均一ではないので、目土を適宜足し入れて高さを調整しながら進めます。

芝を並べ終わったら、上からどっさりと目土を入れて転圧します。古い芝生はどうしても細かい高さの調整がしにくいので、多めの目土でカバーします。

このときは手持ちが珪砂しかなかったので砂を入れていますが、古い芝生はランナーが剥き出しで乾燥しがちなので、保水性のある目土の方がより良いと思います。

最後にたっぷりと水を撒いて完了です。

普通に芝張りした時と同じように、芝生が根付くまでの間は踏まないように養生して、毎日水やりをしてあげましょう。

こちらが、古い芝生を移植してから3週間弱が経過した状態です。全体的にはまだまだですが少し緑が増えていますね。

おそらく移植した芝生が全て根付くことはありません。枯れてしまうものもあると思いますが、根付いた芝生がカバーしてくれることを期待しています。

古い芝生で張り替え用のストックを作る

庭に古い芝生を移植する場所はないけど、古い芝生を捨てるのはもったいないという場合は、プランターを使って古い芝生から芝生のストック(豆芝)を作ってみてはいかがでしょうか。

芝生のストックは、メインの芝生の中で調子が悪い場所が出たり、部分的に枯れてしまった場合などに、部分的な張り替えをするために使用します。新鮮な芝生はいつでも直ぐに購入できるわけではないですし、購入できたとしても通常1㎡単位で販売されているので余ることがあると思います。

自分でストックを育てておけば新鮮な芝生を必要なときに必要な分だけ使えますし、プランターで芝生を育てるのは庭植えとはまた違う楽しみがありますので、芝生好きの方にはおすすめですよ。

豆芝/ストック芝の作り方は以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は是非あわせてご覧ください。

まとめ

芝生の張り替えで一度剥がした古い芝生を再利用する方法のまとめです。

  1. 芝生は根っこさえ生きていれば再利用することが可能
  2. ランナーや根っこの密度が高いマット状の芝生の方が移植しやすい
  3. 古い芝生を移植した後は目土で保護すると良い
  4. 病気・害虫・苔・キノコ・雑草などが多い芝生は再利用に向かない
  5. 古い芝生を移植する季節は春が良い
  6. プランターで古い芝生から芝生ストック(豆芝)を作ることもできる

芝は本来丈夫な植物なので、枯れてるんじゃないのかと思うような芝でも意外と復活することがあります。完璧な芝生を求める方には向きませんが、古い芝生を再利用すること自体はそんなに難しいものではありません。

一度弱った芝生を自分の手で再び元気に育てる経験をすると、芝生に対して今まで以上に愛着がわきますよ。どうせ捨てるぐらいなら駄目で元々ぐらいの気持ちで、楽しみながらやってみてはいかがでしょうか。



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芝生を張り替えしたときの古い芝生を再利用した結果

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