失敗した芝生の庭を復活させる方法@芝生の張り替え

芝生のハゲが目立つ自宅の庭を見て、今年こそは綺麗な芝生にしてやるぞと意気込んでいるあなたへ。

私も芝生のハゲに悩まされている一人なので、その気持ちはよくわかります。

芝刈りすれば芝生の密度が上がって綺麗になるよと言われても、芝刈りできるほど芝生が伸びないから悩んでるんですよ!特に省管理型の高麗芝改良品種であるTM9を育てている場合は、同じ悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

今ある芝生を復活させることが出来るならばそれに越したことはないのですが、どうしても上手くいかないという場合は、思い切って古い芝生を剥がして新しい芝生に張り替えするという方法もあります。

なぜ今ある芝生を復活させられないの?芝生の張り替えって何の意味があるの?と思った方は、是非最後までお付き合いください。脱ハゲ芝生を目指して一緒に頑張っていきましょう!

目次

芝生がハゲる理由と対応策

芝生がハゲているというのは、枯れてはいないものの芝生の生育が悪いため密度が低くなっており、芝生の匍匐茎(ランナー)や土が露出している状態のことを指します。芝生がスカスカなので雑草の勢いが強かったり、苔が生えていたりすることもあり、いずれにしても綺麗な芝生とは程遠い状態です。

それでは、芝生がハゲる理由とは何なのでしょうか?

土壌に問題がある

芝生がハゲる理由として圧倒的に多いのは、土壌に問題を抱えているケースです。

芝生は水はけの良い環境を好むため、庭に芝生を植える前には土を耕して土壌改良を行わなければなりません。土壌改良をせずに芝生を植えた場合、芝生の生育が悪くなる可能性が高いです。

典型的な例として、土が粘土質や真砂土でカチカチになっている、水はけが悪く雨が降ったら庭に水溜まりができる、土の中の浅い場所に石やガラなどの異物が多く埋まっている場合などは、土壌に問題があります。

土壌に問題がある場合、自然に問題が解決することはありませんので、何らかの方法で土壌改良をする必要があります。

また、頻繁に人が通る場所は土が踏み固められてしまい、芝生の成長に悪影響を及ぼす場合もあります。頻繁に人が通る場所は、ただ土壌改良をするだけではなく飛び石を設置して芝生が踏み固められることを避けたり、場合によってはレンガ敷きや人口芝など芝生以外の方法を検討するのも良いでしょう。

日当たりが悪い

芝生がハゲる他の理由としては、根本的に日当たりが悪いという場合もあります。

芝生は日光を好む植物ですので、春~秋の芝生シーズンの間はできれば半日以上は日が当たることが好ましいです(冬は日陰でも問題ありません)。日照時間が何時間以上ないと育たないという厳密な基準があるわけではありませんが、少なくとも一日中ほとんど日が当たらないような場所は芝生を育てるには不向きです。

日当たりが悪い場所で芝生を育てる場合は、環境的にジメジメしがちなので通常よりも念入りに土壌改良を行うことや、日陰でも育ちやすい種類の芝生(セントオーガスチングラスなど)を植えるなどの対策が必要です。

病気や害虫の影響

ある日いきなり芝生に異変が生じたり枯れたりした場合は、病気や害虫などの影響を受けている可能性があります。

病気や害虫の種類によっては、短時間の内に急激に症状が進行する場合もあります。病気や害虫の被害が発生した場合の対応としては、原因を特定した上で殺菌剤や殺虫剤を使用して症状の進行をストップし、芝生が自然に回復するのを待つのが一般的です。

病気や害虫の発生は外的要因もありますが、頻繁に発生する場合は庭の環境(土壌・日光・肥料など)に問題があり、芝生の抵抗力が落ちているかもしれません。人間も日頃から睡眠・食事・運動に気を使って健康を維持するように、芝生が育ちやすい環境を整えてあげましょう。

芝生を張り替えるメリット

芝生がハゲる理由がわかったところで、芝生を張り替えることでどんなメリットがあるのか考えてみましょう。

一から土壌改良をやり直すことができる

芝生を張り替える最大のメリットは、一から土壌改良をやり直すことができることです。

芝生がハゲる理由としては土壌に問題を抱えているケースが圧倒的に多いのですが、芝生を植えた後から土壌改良をするのは簡単ではありません。芝生の場合は畑と違って一度植えたらずっと植えっぱなしなので、植えた後から土を耕すということができないからです。

このため、芝生を植えた後から土壌改良をしようと思ったら、コアリングをして少しずつ土を入れ替えたり、芝生の上から目砂や改良資材・微生物資材などを追加投入していくしかありません。これらも有効な方法ではありますが、土壌の状況によっては効果が十分に見込めなかったり、土壌改良の効果が表れるまでに時間がかかることもあるのが欠点です。

一方、芝生を張り替える方法であれば、今ある芝生を剥がして土壌を直接改良することができます。土の中に埋まっている石やガラを掘り出したり、粘土質の土を水はけの良い土に入れ替えるなど、抜本的な土壌改良は一度芝生を剥がしてからでなければ難しいです。

土壌改良って大変な作業なんですが、綺麗な芝生を作るためには避けて通ることはできません。少しでも楽に済ませたいという場合は耕運機を使うという裏技もありますよ。

綺麗に仕上がるまでの期間が短い

芝生を張り替えることによって、芝生がハゲているという現在マイナスの状況を一旦リセットして、新しい芝生を0からリトライすることができます。

芝生がハゲた原因が土壌にある場合でも、病気や害虫などの影響で枯れてしまった場合でも、マイナスの状況からプラスに転換させるのは大変です。一旦リセットして0からリトライした方が簡単にプラスを目指せますし、綺麗に仕上がるまでの期間も短く済むというのは大きなメリットですね。

芝生の品種を選び直すことができる

日当たりが悪くて芝生の生育が悪い場合は、セントオーガスチングラスなど日陰に強い芝生の品種を植えることによって芝生のハゲを改善できる可能性があります。芝生の品種を変更したければ、芝生を張り替えるしかありません。

その他にも、管理上の問題や見た目の好みの問題などから、芝生の品種を変更したいという場合もあるかもしれません。そういうときには芝生の張り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

芝生を張り替えるデメリット

芝生のハゲを直すために芝生を張り替えするのは良い方法ですが、かといって良いことばかりではありません。予めデメリットを踏まえた上で本当に張り替えするかどうか検討することが大切になります。

芝生を張り替えるのは重労働

芝生を張り替える最大のデメリットは、芝生を張り替える作業が重労働であることです。

正確には、芝生を張り替える作業そのものというよりも土壌改良が大変なんです。しかし、芝生のハゲを直すために張り替えをするのであれば土壌改良を避けて通ることはできません。土壌改良するために芝生を張り直すといっても過言ではないぐらいです。

芝生を張り替えする面積が広くなるほど、土壌改良は大変になりますし時間もかかります。一度に全ての芝生を剥がしてしまうのもいいですが、芝生に使える体力や時間と相談して少しずつ作業を進めるのも良いでしょう。

庭を使えなくなる期間が発生する

意外と見落としがちなんですが、芝生を一度剥がしてしまうと、張り直した芝生が根付くまでの間(芝生の養生期間が終わるまで)庭を使えなくなる期間が発生するというデメリットがあります。

土壌改良を行っている間は土を掘り返したりするので基本的に立ち入ることができません。また、芝生を張り直した後も1~2ヵ月ぐらいはなるべく芝生を踏まない方が好ましいでしょう。

庭の端っこの普段通らない場所や一部分だけの張り替えであれば大きな問題にはなりませんが、毎日通る場所や広い面積の張り替えを行う場合は、しばらく庭を使えなくなっても問題が無いかどうか確認してから張り替えしましょう。

芝生を張り替えるコストがかかる

当たり前の話ではありますが、芝生を張り替えするとコストがかかるというデメリットがあります。

芝生を張り替えようと思ったら、新しい芝生の購入費用、土壌改良に使う砂・堆肥・土壌改良資材の購入費用、残土の処分費用などのコストがかかります。芝生の購入費用は品種によって大きく異なりますが、TM9を張り直す場合は芝生の購入費用が高くなりますので予算を確保しておきましょう。少しでも安く済ませたいという場合は、残土の処分費用を節約することをおすすめします。以下の記事で詳しく解説していますので興味のある方はご覧ください。

ちなみに、今ある芝生を復活させて芝生のハゲを直せばコストがかからないのかというとそうではありません。今現在、芝生の調子が悪くて困っているのであれば、何らかの対策をしなければ綺麗な芝生にはなりません。芝生を元気にするために肥料や色んな資材を投入したり、高価な目土・目砂を使ったり、農薬(殺虫剤・殺菌剤)を使うのにもコストがかかります。

色々試したけど結局上手くいかなくて芝生を張り替えたというのはよくある話です。それだったら最初から張り替えた方がコスト面でもメリットがありますよね。いずれにしても、失敗した芝生の庭を復活させるためにはコストがかかることは覚えておいた方が良いでしょう。

芝生を張り替えるべきか?今の芝生を再生するべきか?

芝生を張り替えるか?それとも今の芝生を再生するか?どうするべきか悩んでいる方は以下のチェックリストを参考にしてみてください。

芝生を張り替えるべき
今の芝生を再生するべき
  • 確実に綺麗な芝生にしたい
  • 今年の夏までに仕上げたい
  • 芝生の品種を変更したい
  • 土壌改良からやり直したい
  • 病気や害虫の被害をリセットしたい
  • 芝生の調子が悪い場所だけピンポイントで補修したい
  • そこそこの芝生で満足できる
  • 時間がかかっても大丈夫
  • なるべくコストをかけたくない
  • しんどい作業はやりたくない
  • 一時でも庭が使えなくなるのは困る

一番のポイントは『手間とお金をかけてでも確実に綺麗な芝生にしたいかどうか』です。

ゴルフ場やスポーツ施設のような綺麗に管理された芝生を作りたいという人は、芝生を張り替えるべきでしょう。地元の公園にあるような“そこそこの芝生”で良いという人は、わざわざ芝生を張り替えなくても良いかもしれません。

こればかりは個人の価値観の問題なので、どちらが正解という話ではありません。ゆっくり考えてみてください。

芝生の張り替え手順

芝生の張り替えを決意したら、早速芝生を張り替えていきましょう。

ここからは、実際に私が芝生の張り替えをしたときの写真を用いて芝生の張り替え手順を説明していきます。

今回芝生を張り替えるのはこの場所です。ここは芝生の密度が低く、スカスカの状態で雑草も蔓延っていることから、思い切って芝生を張り替えした方が良いだろうと判断しました。

STEP
古い芝生を剥がす
芝生の張り替え

まず最初に、古い芝生を剥がします。

芝生は地上の匍匐茎と地下茎が横に伸びてつながっているので、剥がしたい芝生の場所に剣先スコップやターフカッターを踏み込んで、ザクザクと切り込みを入れていきます。

一周ぐるりと切り込みを入れたら、剣先スコップを斜めに踏み込んでテコの原理で芝生をめくり取ります。

面積が広い場合は適宜追加で切り込みを入れて、めくりやすい大きさにカットしてから剥がします。

芝生のハゲが目立つ状態であれば、あまり根っこが成長していないでしょうから剥がしやすいと思います。

STEP
土壌改良する

芝生を剥がしたら、そのまま地面を掘って土壌改良します。この土壌改良をするために芝生を剥がすといっても過言ではありません。

土壌改良の手順を簡単に説明すると、地面を10cm以上掘り返して粘土質の土の塊や石・瓦礫などを取り除き、水はけを良くするために砂・堆肥などを混ぜ込みます。

土壌改良が出来たら、芝生を張り直す前にしっかりと踏み固めて転圧します。

もっと詳しく土壌改良の手順を知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

STEP
新しい芝生を張る

芝生を地形に合わせてカットして、目土(目砂)で高さを調整ながら並べていきます。

並べ終わったら平らな板などを使って芝生を再び転圧し、芝生の上から目土(目砂)をかけていきます。芝生の張り替えの場合は、芝生と芝生の隙間(=目地)ができやすいので、この隙間は必ず目土(目砂)で埋めるようにしましょう。

目土(目砂)をかけ終わったら、最後に芝生に水やりをして作業終了です。

芝生を張り替えた後は、通常の芝張りと同じように最低1カ月間は毎日水やりをしてあげましょう。

ここまで見ていただいた通り、芝生を剥がす工程以外は通常の芝張りと同じですので、もっと詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

まとめ

失敗した芝生の庭を復活させる方法@芝生の張り替えのまとめです。

  1. 芝生の生育が悪い場合は土壌に問題があることが多い
  2. 芝生を張り替える最大のメリットは、
    地面を掘り返して土壌改良をやり直せること
  3. 芝生を張り替えることでマイナスの状況をリセットし、
    短期間で綺麗な芝生を目指すことができる
  4. 手間とお金をかけてでも確実に綺麗な芝生を
    目指したい場合は芝生を張り替える価値がある

わざわざ今の芝生を剥がして新しい芝生を張り直すというのは大変な作業ですが、失敗した芝生の庭を最短ルートで復活させる方法です。芝生の生育が悪いことに悩んでいる方は、思い切って芝生の張り替えを検討してみてはいかがでしょうか。



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芝生の張り替え

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